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12/30 塚本さんから「私も食味について(おわり)」
粘土からミネラルが供給されるのではと思っても想像だけで、
堀野さんから具体的な事実を教えていただいてはじめて確信が持てるわけで、
堀野さんのお便りにとても感謝しています。
堆肥を作るとき、赤土でミネラル供給と教えられても懐疑的でしたが、
出来上がりのお米の香りが粘土質の田んぼのお米の香りに似ているので、
やはり関係があるんだろうなと思っています。
落ち葉は微生物源と教えられても懐疑的でしたが、落ち葉を入れた堆肥と入れない堆肥の発酵過程の
歴然とした違いを見せ付けられるとやはり本当かと思います。
山のいろんな樹種の葉っぱにはいろんな微生物が住み着いていて、
製薬会社農薬会社が研究しているとテレビで見て、やはりそういうことがあるのかと感じます。
そういう目で裏山の落ち葉、赤土を見ていると、宝の山に見えます。
私は買っていただいているお米の殆どが、普通栽培のお米と競合するお米なので
化学肥料でおいしくする方法も使うし、未来のために有機質肥料や、無農薬で作ったお米も
作ります。それぞれの境遇に合わせて無理の無い方法を取ればいいと思います。
塚本
●塚本さんから「食味について(5)の訂正」
籾殻堆肥の材料に落ち葉が入っていましたが、あの時は面倒だったので入れませんでした。訂正します。
落ち葉は入れなかったので、山の赤土のせいでご飯に香りが出たのかもしれない
と考えて書いたのでした。
訂正でした。 塚本
12/30 北海道のみたむら農園より 「ふれあい通信」
みなさまいかがお過ごしでしょうか。
今年もあとわずかです。雪が少なくて過ごしやすい反面、やきもきしている方も
いるのかと思います。最後まで異常ずくめの天気でしたね。
今回は2件の研修会をご紹介します。メールの転送大歓迎です。お誘い合わせの
上ご参加ください。
なお詳細のリンク切れ、直接ファイルが欲しい方は連絡をください。
1件目は当園が事務局をしている北の国園芸福祉研究会が主催する事例発表会で
す。園芸福祉とは緑とふれあう中で人々の健康や生きがいづくり・街づくりに寄
与する活動です。2004年には専修大学北海道短期大学においてNPO法人日
本園芸福祉普及協会と同大学主催で初級園芸福祉士認定講座も開催されました。
受講生ならびに検定合格者は全道各地で活躍されています。その後情報交換と交
流の場として北の国園芸福祉研究会の設立に至りました。園芸福祉の素材は地域
の自然とそこで暮らす人々です。これら身近にある宝物の再発見を皆さんと共に
していきたいと考えています。
2月5日栗山町 雨煙別小学校 コカ・コーラ環境ハウスにて開催です。廃校に
なった小学校を改装しすばらしい研修施設が出来ました。一見の価値ありです。
◆事例発表会の詳細は
http://www1.ocn.ne.jp/~m-tomato/kitanokuni_forum.pdf
◆北の国園芸福祉研究会については
http://www1.ocn.ne.jp/~m-tomato/kitanokuni.pdf
◆雨煙別小学校 コカ・コーラ環境ハウスについては
http://www.uenbetsu-coke.org/
2件目は三重県のモクモク手づくりファーム主催の食育フォーラムのお知らせで
す。
フランスの教育ファームの諸事情が聞けること。全国各地で実践されている方と
の情報交換が出来ることは大変有意義です。国内農業に自由化の荒波が押し寄せ
る今、地域と人々の健康を守るために食と農の教育が何よりも必要です。その実
践の場所が農村であり農家であると思います。国内ではまだまだ食農教育の場所
が少ないのが現状です。皆様方におかれましてはさらに食農教育へのご理解を深
めていただき、現状打破への道筋を私どもにご提案いただければ幸いです。フォー
ラムへのご参加は直接申し込みしてください。
全国食育交流フォーラム2011in三重
日時:2011年2月23日(水)24日(木)
場所:農事組合法人伊賀の里モクモク手づくりファーム( 三重県伊賀市西湯舟
360)
◆フォーラムの詳細につきましては以下をご覧下さい。
http://www.moku-moku.com/shokuiku/index.html
◆今回のパンフレットも以下よりダウンロードできます。ぜひ、ご覧下さい。
http://www.moku-moku.com/shokuiku/img/forum.pdf
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ふれあい体験農園みたむら
三田村雅人
〒069-1211 北海道夕張郡由仁町岩内2857
農園HP
http://www1.ocn.ne.jp/~m-tomato/
農園ブログ
http://hureai.exblog.jp/
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12/29 塚本さんから「私も食味について(5)」
有機栽培でよくご登場の西村和雄先生の著書の中に60度ボカシがあったので作りました。
私の場合は米ぬかとくず米を60度以上になる温度で発酵を6ヶ月ほどさせました。
出来上がり品は、アンモニアの臭いがして鶏糞みたいでした。
への字肥効になるように中間に施肥したら、香りは無いものの
それ以外の要素は十分すぎるくらいの絶品のお米ができました。
高温で発酵させた肥料は肥効が長いので、私はやっていませんが、
元肥や秋散布でも、中間の追肥が要らないほど肥効が続くのではと推測しています。
次に、これも有機農法でしばしば登場される橋本力男先生の堆肥の講習会に参加して、
そのとき教えていただいた籾殻堆肥を使いました。チッソ成分の多い素材(米糠、鶏糞、くず米、牛糞、
油粕、身の回りの腐りやすいもの)のほかは、
籾殻、落ち葉、赤土を60〜70度で半年ほど発酵させました。実際はかなりアンモニア臭もあり
発酵ばかりではなかったと思いますが。
(橋本先生の堆肥作りの講習会は得られるものが多かったです。一日で10万円くらい掛かると思いますが、
普及員や農協の先生にお願いして人を集めてもらって、開催してもらうといいと思います。)
これを、元肥に使ったら、なんと稲がへの字の生育をしたばかりか、有機質肥料だけ
とは思えない豪快な稲ができました。久しぶりに太くて硬い茎の稲でした。倒伏もなし。
ご飯の味は、生まれて初めて香りも加味されて、目指していた粘土質の田んぼのお米に
やっと追いついた。これ以上はもういらないと思える味でした。
このときの稲の生育は、追肥をしていないのに肥効が出るばっかりで恐ろしかったです。
話に聞いてはいましたが、高温で発酵させた肥料は肥効が長いです。
有機質肥料を元肥に使い、稲の生育がへの字にならないことによる
病気、低収量、悪品質に随分苦しんできましたが、これでようやく開放されました。
一方で、世話人のように、元肥にどっさり米ぬかを入れて、もしかしたら油粕も元肥に入れているのかも
知れませんが、元肥中心で栽培ができて、尚あっさり味というのは不思議でなりません。
とは言うものの、上の二つの事例はまだ一回しか経験していませんので
今後何回かやっていると別のことが出てくる可能性もありです。
これが最近の経験報告ですが、今までいろいろお便りしましたが、
最初からこのメールだけ出しておけばよかったのかもしれませんとも思っています。
塚本
12/28 塚本さんから「私も食味について(4)」
何年もお米の味がよくならなかったので近所の人のお米を
買ったり交換したりして比べていました。
EM農法のお米は、甘みがありますが粘りが少なめで粒々感は余りありませんでした。
米糠、魚粉、油粕のボカシを使っているということでした。
EMボカシは燐酸とミネラルが足りないのではと私は常々思うのですが真相は如何に?
このメール仲間のお米の交換会に参加して一番おいしく感じたのが、
鶏糞を使ったお米でした(複数ありました)。粘りがあって、コシがあり、粒々感があって、
べちゃっとしてなくてしっかりとした粒のご飯でした。
強烈な印象で本当にびっくりしました。
燐酸とカルシウムが効いているのかなと想像して私も真似しました。
そしたら、似たような味になりました。カルシウムの効果を意識するようになった
体験でした(実際のことは判らないので自分勝手に思っていただけですが)。
鶏糞は、中間に施肥して、への字の肥効になるようにしましたが、
作業が大変で二度とする気にはなりませんでした。
秋に施用して水張りしたら、トロトロ層作りには役立ちましたが、
何年かしたら、倒伏、イモチ、肥料が溜まって不味い米のもとになりました。
これも二度と体験したくない思い出です。
EM農法が長い田んぼのお米も、もう限界ではないかと感じるほど、
しつこい味(甘いけど重い)のお米になっているのがありました。
塚本
12/27 塚本さんから「私も食味について(3)」
有機認証制度がスタートする前ですが、
有機栽培されたお米を試食しました。
火山培土で栽培されていても生の有機質肥料やボカシを入れた
田んぼのお米は甘かったです。骨粉やグアノを入れた田は
粘りもあって火山灰土の田とは思えませんでした。
私の化学肥料だけのお米よりおいしかったです。
4.有機質肥料の効果を感じた私は、菜種の油粕を追肥に使ったところ、甘いお米ができました。
こちらではペレットの有機質肥料が無いので施肥が重労働でした。
菜種の油粕の施肥時期はどの時点でも、甘いお米になるように思いました。
菜種の油粕だけでは作業もお金も大変なので、化学肥料と併用するといいと思いました。
作業上、併用しないと体が持ちませんでした。
菜種の油粕だけでは粘りが出ないので、燐酸は別途お好みの肥料をやる必要がありました。
骨粉系の肥料をやったらすごい粘りでしたが、狂牛病問題以来、入手が難しくなり、
作業も大変です。農協で「有機りん」という骨粉と化学肥料混合の粒状肥料を
つかったら作業も楽でお米もよく粘りました。これも有機認証がなかったころの話です。
ですが、炊き立ての粒々感はいまひとつで、べちゃっとなりやすいお米でした。
そのころはミネラルって何のことって言う感覚で全く無関心でしたので、
NPだけで考えていました。
塚本
12/26 塚本さんから「私も食味について(2)」
3.NPK配合肥料でへの字肥効で取れたお米はあっさり味で粘りもありますが
炊き立てのお米がべちゃっと柔らかいのです。さめると硬くなっておいしくなりました。
それで、元肥に苦土石灰を入れてみたら解消されたように感じたのですが、
後何回か試して同じ結果になるか確認しないと結論はまだ出せません。
粘土質の田んぼの米は、化学肥料(NPK)だけでも炊き立てにべちゃっとならずコシがありました。
お米の粒粒感が損なわれていない感じです。化学肥料だけでは粘土質の田んぼといえども
甘みはそんなに強くないです。が、お米本来のほんのりした甘みがあり十分です。
マグホスも穂肥ではなく、元肥から中間の間にやれば効いたのかなと思いますが
値段が高いので今のところ使うつもりはありません。
苦土石灰を元肥から出穂40日前に使い、NPKの配合肥料をへの字肥効で使う
というのを化学肥料での栽培のひとつのパターンにして結果を見たいです。
Kについては今まで気にしたことも無かったのでどうするか考え中です。
次回はやっと有機質肥料の経験を書きます。
塚本
12/26 島根の堀野さんから「後編:粘土質とミネラルとコメの香り その4」
平成22年11月下旬、島根県松江市で全国の米食味鑑定コンクールがありました。
今年は高温障害で番狂わせもあったようですが、昔から、岡山〜愛知の
沿岸平野部は11月の稲刈りがメインだったそうです。
高温対策は、晩生品種の遅植え遅刈りに尽きるのではないでしょうか。
ともあれ、たびたびコンクールに入賞している「名人達」の講演を聞くと、チッソと
カリはほどほどに、リン酸および石灰・苦土などのミネラル類をこれでもかと入れ、
あとは稲自身の力でじっくり稔らせているように思われました。
収量は6〜7俵どまりながら、価格のほうはゼロひとつ多いそうです!!
篤農的にみえる名人達の技術ですが、基本は、コメになるべく多くの油脂類を貯えて
うま味・香り・粘弾性を付け加えるための必死の努力と理解しました。
(なお近年、コメ粒・コメぬかに、人間のお肌に弾力とうるおいを与える複合脂質の
一種「セラミド」が発見されています。コメの粘弾性にもこのような特殊な脂質類が
関係しているかもしれません。)
そして当然ながら塚本さん、ご近所さん、やまちゃん、それに岡山の美麗おばちゃんの
おいしいおコメにも、名人達と同じように、美味のもとの油脂類がぎっしり詰まって
いるに違いないと推察いたしました。
(以上、拙著出版後の新知見も加えて、最近の状況を紹介しました。おわり)
島根県飯南町 堀野俊郎
12/25 塚本さんから「私も食味について・・・(1)」
私の簡単な質問の裏にこんなに膨大な調査研究と事実が隠れていたとは
思いもよりませんでした。正直圧倒されています。
まだ途中のようですが、こんなにたくさん教えていただいて堀野さんには深く感謝
しております。読ませていただいていると、次々と新たな想像が湧いてくるので
とても不思議な回答を頂いている気がします。
私も格調とレベルは下がりますが、膨大な回答を頂いていることに
お礼の気持ちを込めて参加してみます。
私のところは火山灰土壌ほどではありませんが、だいたいは河川(昔は暴れ川)の後にできた田んぼで、
さしておいしいお米が取れるところではありません。近くの特異的においしいお米が取れる地域(粘土質)の
お米の味に何とか追いつきたい、お米の販売の生き残りもかけて、
「必死」になってあれこれ仮説を立てながら肥料の使い方を工夫してきました。
今までの経緯を順番に書いてみると、
1.穂肥を効かせたV字理論の施肥より、硫安だけのへの字作りのお米はずっとましな味でした。
がしかし、東北のお米を食べているお客様には不評でした。
2.穂肥を効かさない硫安作りだけでは「さっぱり味」だけで粘りがありません。
粘りはアミロペクチンで、その生成過程にはブドウ糖一燐酸があるから燐酸が必要ではと勝手に考えて
燐酸を施肥したら粘りが出るようになりました。
これでさっぱり味だが、粘りのあるお米ができました。
穂肥が入っていないのでお米中のチッソが少なく食味値はトップクラスでした。
食味計をだますトリックの解説は省略。
世話人のお米についても触れたいですが、この先は次回です。
塚本
12/25 島根の堀野さんから「後編:粘土質とミネラルとコメの香り その3」
12/24のやまちゃんのお便りで、とても大事なことを思い出しました。
前回の繰り返しになりますが、
尿素系チッソ(鳥類ふん、尿素、尿素由来の一発肥料ないし緩効性肥料)は、
コメにうま味や香りがのりにくいようです。化学チッソでも、アンモニア性
チッソ(硫安、塩安、りん安等)のほうが、さわやかな味に仕上がります。
またコシヒカリの場合、特例としてアミノ態チッソ(アミノ酸)も大事なの
だそうです。通常、イネの組織を切り取って無菌シャーレで培養するときは、
化学肥料と同じチッソ・リン酸・カリ・ミネラル等を与えます。
しかしコシヒカリだけは、アミノ酸も一緒に与えないとうまく成長しない
と聞きました。ヒノヒカリもその血筋を引いているに違いありません。
きっと一族はグルメなのでしょうね。
このノウハウを知る人は、専門家でも少ないのではないでしょうか。
そこで、やまちゃんご指摘の植物粕ですが、植物粕にはたんぱく質が多く含
まれ、発酵させるとアミノ酸になります。
全部アミノ酸に変わるとすれば、コメぬかには約2.5%、菜種粕には約6%の
アミノ態チッソ(N換算量)が含まれる計算になります。
これは実験室内のシャーレであれ、田んぼのトロトロ層の中であれ、
コシ系品種の貴重な栄養源になると考えられます。
私も竹ペット+菜種粕で「除草剤を使わない稲つくり」にこだわっていますが、
じつは菜種粕がうま味・香りにも貢献するハズだ、と信じているからです。
「一石二鳥」になるか、それとも来年の事だけに「2兎を追う」ことになるか、
まあ、笑っていいともな感じで見守ってやってください。(つづく)
島根県飯南町 堀野俊郎
12/24 やまちゃんから「今年のお米」
先日大浦ゴボウについて書いた時、実は最後に
「それにしても、今年の米は力がないなあ」
というため息を書いて終わるつもりでいたのですが、
それを書き加える前に「送信ボタン」を押してしまい、気がついた時は後の祭りでした(笑)
もともとうちの米はあっさり系のお米で、
あっさりした味わいの中に、ほのかな甘みやこくや香りがあって、
そこそこ美味しいお米ではなかろうかと自負(?)していたのですが、
今年はいよいよあっさりしていて、
食べた時の舌触りが、へちゃっとした粘りというか、プリプリ感(?)つるつる感(?)がもの足りません。
コシヒカリ、ヒノヒカリともです。
腹白、背白が多いし、あの暑さでは致し方なかったのかなと思うほかありません。
さて、お米の甘みについて、ふたつほど。
今までいただいたお米の中で、ずば抜けて甘くて美味しかったのが、岡山のヒノヒカリ。
見知らぬおばちゃんが、近所まで用事で来たのでとうちのコイン精米機で米をついて帰りました。
その時何を思ったのか、お米を食べてみてと5キロくれたのです。
食べてびっくり、うちのがみすぼらしくなるくらい甘くて美味しいのです。
岡山市藤田村の干拓地まで訪ねていって話を聞いてみると、
未亡人で、その家の離れにお酒造りに関わったことのある人が下宿をしていて、
納屋で米ぬかの発酵の研究をしていて、5トンのタンクに米ぬか発酵エキスを作って、
それを田んぼに流し込んで抑草にも利用しているのだと言うことでした。
なにか参考に取り入れることでもあればと、聞きに行ったのですが、
桁が違うので、退散した思い出があります。
あとひとつ、
油かすを施肥すると、お米に甘みがのるらしいと言うことを聞いて、
ここ5年程追肥に油かすのペレットを使っています。
とびきり甘くなったという程でもないけれど、少しは甘くなったかなと思ったりするのですが、
堀野さん、少しは根拠がある話なのでしょうか?
それともよくある話のたぐいなのでしょうか?
12/24 島根の堀野さんから「後編:粘土質とミネラルとコメの香り その2」
裏技に鶏ふんがあります。鶏ふんの窒素は尿素系ですが、多くの尿素系窒素は
なぜかコメに味がのりません。なお一般の鶏ふんは石灰約20%、特殊鶏ふんは
石灰約5%だそうです。そこで石灰5%鶏ふんを発酵させ、窒素分を
完全に飛ばして堆肥にすると安価な総合ミネラル資材になるかもしれません。
我が町の田畑は、ほとんどマサ土で痩せています。
そのためN・P・K+稲わらのほかに、牛舎堆肥、リン酸、石灰、および市販の
総合微量要素肥料(苦土・マンガン・ホウ素など約10種を含む)を
使用する人が増えてきました。
何度も試食試験をしましたが、これでご飯に甘味・コク・香りが出てきます。
とはいえ、肝心の香りのほうはいまいちとの評価なので、
残念ながら塚本さんのおコメのレベルには達していないようです。
拙著には書きませんでしたが、その後の研究で、コメの甘味・コクの本体は
油脂類らしいことがわかってきました。
石灰・苦土などのミネラルが豊富でバランス良好だと、油(コメ油類)、脂質
(専門用語では複合脂質類)、精油(エッセンシャルオイル)等が良く貯えられ
極上のうまみ・香りを醸すようです。
ご飯の香りは「炊飯〜加熱でただよう精油・・」といえば
ガッテンいただけるのではないでしょうか。
やまちゃん畑の大浦ゴボウの香りの良さも同様かと想像しました。(つづく)
島根県飯南町 堀野俊郎
12/22 島根の堀野さんから・後編:粘土質とミネラルとコメの香り その1」
昔から水田には粘土質(赤土類)が客土されてきました。それは石灰、苦土、
マンガン、その他ミネラルを入れるためでもあったと思われます。
近年はミネラルが超リッチな粘土質や化石土等を採取し、資材として販売する
例も増えたようです。(秋田産、石川産、山梨産、島根産等)
塚本さんの秘策どおり、石灰と苦土の不足を肥料・資材で補うときは、
苦土石灰で良いのではないでしょうか。
ただし苦土石灰は、苦土1:石灰2〜4くらいの比率です。
石灰だけ・苦土だけ・マンガンだけを入れたい場合は、状況に応じて肥料資材
を選ぶ必要があります。
このほかケイ酸、硫酸根、鉄などにも配慮するといっそう効果的でしょう。
寒冷地や高冷地ではリン酸を多めにしたほうが良いようです。
石灰は、古代サンゴ礁由来の石灰鉱山で大量に手に入るのでおなじみです。
苦土は、製塩の副産物(マグネシウム、にがり)としてたくさん出ます。
製品としては、
硫酸マグネシウム(施用すると硫酸根が残る)、
水酸化マグネシウム(施用すると強いアルカリになる)、
にがり(主成分は塩化マグネシウム、通常液体として使用)などがありますが、
それぞれ副作用や使いづらさがあります。
化学製品には、リン酸マグネシウムアンモニウム(通称MAP、長期肥効に優る)や
リン酸マグネシウムがあり、通常、化成肥料に混合販売されています。
なお、香りが命の緑茶はマンガンを多量に含みます。
とりわけ玉露では、白米のほぼ百倍です。
そのぶんマンガン欠乏が出やすいので、茶の栽培は土質/母岩を選びます。
茶どころ向けのマンガン肥料もあります。(つづく)
島根県飯南町 堀野俊郎
12/14 島根の堀野さんから「石灰・苦土・粘土質とコメのおいしさ その3」
とはいえ、長きにわたり稲作を続けていると、石灰・苦土・マンガン・その
他ミネラルに乱れが生じます。正確には土壌分析が必要ですが、多くの場合、
石灰・苦土・マンガンをめぐって不足や過剰が起きるようです。
葉が小さく草出来がおもわしくないときは石灰不足、
登熟不良の青米・やせ米・乳白などが多いときは苦土不足、
追肥しても葉色が出にくいときはマンガン不足・・、などなどが疑われます。
ちなみに琵琶湖周辺にはマンガンゼロ水田が少なからずあるそうです。
耕土から溶脱し、地下70〜100cmくらいに堆積しているのだそうです。
豊岡から遠出するコウノトリたちも琵琶湖周辺は遠慮がちのようですね。
しかし私の分析経験から、マンガン不足は実は全国に広がっていると見ています。
なお、マグネシウム不足は男性の精子数の低下を招くことを示唆するデータが
あります。またマンガン欠乏の餌ばかり食べて母鳥がマンガン不足になると、
恐ろしいことに子育てを放棄しがちになり、少子化〜絶滅に向かうのだそうです。
それゆえマンガンは「母性ミネラル」とも呼ばれています。
西洋伝説の「コウノトリは赤ちゃんを運んでくる・・」には
深か〜いわけがあるのかもしれませんね。
(連載3回ではまとまりがつきませんでした。つづく)
島根県飯南町 堀野俊郎
12/12 やまちゃんから「地のゴボウとミネラル」
わが直売所で根強い人気野菜が、大浦ゴボウです。
短根系の早太りゴボウ。
1日あたり2000円分くらい並べても、だいたい売れていきます。
お客さんは「やっぱり地のゴボウはおいしいね」と言いながら買っていってくれます。
「軟らかくて、香りがいい」とも、よく言われます。
お客さんとゴボウ談義になった時など、
「ゴボウの産地は、砂地や火山灰土だと思うんです。
その方がすっくと伸びるし、掘りやすいから。
うちのように粘土がかった砂壌土では、産地のような長いゴボウは出来ませんが、
そのかわり、ミネラルが多いから香りがいいのと違うかなあ」
と言ったりしたことがありました。
堀野さんの話を読みながら、的はずれではなかったようかなと思いました。
直売所に年中並んでいるように、年三回種まきをしています。
いろいろ試行錯誤を重ねた結果、
5月まき、8月中下旬まき、10月下旬まきの3回に落ち着きました。
いちばん作りづらいのが、5月まき。(種の袋に書いてあるまき時なのにね)
今年も半分以上夏の間に腐ってしまいました。
作りやすく、立派なゴボウになるのが10月下旬まきです。
きっと生育期間を通して、土の湿りが安定しているせいだろうなと思っています。
播種器で1〜3センチ間隔にすじまき、間引きはしない手抜き栽培ですが、
今年の夏は暑くて、雨が降らずに苦労しました。
種まきをしてしばらくは、水やりに精を出していたのですが、
途中で音を上げて、勝手にしやがれとギブアップしたら、案の定又根だらけになってしまいました。
12/11 島根の堀野さんから「石灰・苦土・粘土質とコメのおいしさ その2」
10aあたり(耕土深10cm)の苦土含有量は、普通10〜30kg程度ですが、
「あの地区のあそこはおいしい」などと評判の水田は、苦土資材を
入れたわけでもないのに50〜150kgもある例が少なくありません。
どうやら元々そういう土質らしいのです。
そういう水田は同時に石灰・マンガン、鉄、亜鉛などの微量ミネラルも
豊富とみてよいでしょう。このような土はたいてい粘土質です。
ミネラル豊富な粘土質は、塩基性岩〜超塩基性岩(蛇紋岩、玄武岩、
かんらん岩等)と呼ばれる石灰・苦土・その他微量ミネラルの多い母岩が
風化してできたものとされています。
そのようなわけで、塚本さんやご近所さんの粘土質水田は、
天からの贈り物と言えるのではないでしょうか。
このような粘土質地帯は、能登半島〜丹後半島〜島根半島等や、それらの間に
点々とあります。
野生/放鳥のコウノトリが暮らしている豊岡盆地周辺にもたくさんあり、
そこではミネラルの多い水と土で稲作が行われています。
あのあたりのカエルやドジョウは、生息数が多いだけでなく、
もしかして美味なのでしょうかねえ。(つづく)
島根県飯南町 堀野俊郎
12/9 島根の堀野さんから「石灰・苦土・粘土質とコメのおいしさ その1」
塚本さんからお尋ねをいただきましたので、3回くらいに分けてお便りします。
仮に、10aからモミ米600kg(玄米500kg+モミガラ100kg)を収穫した場合、
およそチッソ9kg、リン酸4.5kg、カリ17kg、石灰2.5kg、苦土1.4kg、
マンガン0.25kg、鉄0.2kgが吸収されています。このほか
銅、コバルト、亜鉛、モリブデン、塩素、硫黄、ケイ酸などもあります。
チッソ・リン酸・カリは、収量を左右するので膨大な研究がなされており、
すでに、それぞれの地域に合った施肥量が提示されているかと思います。
しかし石灰(CaO)・苦土(MgO)・マンガン(Mn)等の施肥量は、
食味と関係が深いにもかかわらず明確でありません。
単純に上の数字を施肥すればよいのでは・・、と思われがちですが、
実はそうでもあり、そうでもないところに難しさがあるのです。
多数の水田土壌を分析してみると、10a(耕土深10cm)に含まれる石灰は80〜
800kg程度ですが、おいしい米ができる水田では中間の200〜300kgくらいです。
なお石灰岩地帯では400〜800kg程度のことが珍しくありません。
ここまで多いと、稲にとってはアルカリ度が過ぎるようです<続>。
島根県飯南町 堀野俊郎
12/8 塚本さんから「堀野さんへ問いかけ」
私の便りに反応していただきありがとうございます。
ですが塚本さまではなくせめてさん付けでお願いします。
私の現状は惨憺たる農家で気恥ずかしくなります。
お米の食味のことで思うことがあるので書いてみます。
私は、食味を良くするにはCaとMgが必要ということですので、
元肥から出穂の40日前くらいの間に苦土石灰を施用していますが、
確かにNPKだけの施用と比べおいしいお米になるように感じています。
私の近くのあるところでとてもおいしいお米が取れるところがあります。
山に囲まれた谷間の地域で粘土質で畑には向かないそうです。
お米の味は、コシがあって甘みもあり口当たり良く上品な味わいの上に
ほのかに芳香があるのです。化学肥料のみでV字肥効でこれですから
勝ち目無しです。
私のところでも深田の粘土質の田のお米は程度は下がりますが
芳香はないものの似た様ないい味になります。私は以前、粘土は捕肥力が高いので
肥効がゆっくり続き食味がよいのではと考えていたのですがそれだけでは合点がいきません。
そこで私は、粘土は鉱物が風化してその後どうにかなってできたと聞いたことがあるので
CaやMgもしかしたら他の塩類も供給しているので
お米がおいしくなるのではと考えてみたのですが、
堀野さんから何か教えていただけたらありがたいです。
本の中に書いてあるから買って読め!というお返事でもかまいません。
私は今までこのことは身近な人には黙っていて、こっそり周りよりはおいしいお米を
作って売っていました。お客様にはとても喜んでいただいています。
塚本
11/30 島根の堀野さんから「竹ペット その2」
このところ、あちこち駆けまわっており、お便りがおくれました。
赤木さま、みなさま、ご推察の通り、
竹ペットは竹ぼうきをヒントにつくりました。
ドラえもんのタケコプターほどではないにせよ、
もしかして役立ちそうかも・・・、
と思い至ったきっかけは、8/29の塚本さまの挿絵を見たときからです。
「雑草対策にはトロトロ層の形成が肝心・・」、ならばそのトロトロ層を
かき回すには、山里では竹ぼうきの使い古しが最適とおもったからです。
実際、トロトロ層のあるところでは良い感じでした。
「トロトロ層+竹ペット+深水管理5-10-15」で雑草が何とかなれば、
竹ぼうき?に乗って商売繁盛する魔女の宅急便のように、
お米のほうも飛ぶように売れてくれるかも・・・、と夢見ています。
11/27 山口の江浪さんから「今年の稲作の報告です」
山下さん、皆さん 初めまして
江浪と申します。
山口県周南市、海抜300メートルの中山間地で緑肥稲作の兼業農家です。
作付け面積は、7反5畝です。
「除草剤を使わない・・・」は4年前からROMさせて戴いております。
「私の失敗は、あなたの肥やし」になればと思いまして書きました。
今年の稲作は、無謀にも無除草剤でスタート
(雑草がどれだけ、生えるかを試す為)
緑肥栽培は2年目です。
3月20日コシヒカリ、マンゲツモチ、播種、プール育苗
ポット苗ではありません。
4月10日レンゲ、ヘアリーベッチ鋤込み
(生草重量1.5KGから2.5KG/平方メートル)
4月17日荒代かき
4月24日代かき
5月 1日田植え(株間24センチ、45株/坪)
(昨年は、21センチ、51株/坪でした)
5月 8日チェーン除草(スダレ式、幅2メートル)
5月15日チェーン除草(タイヤチェーン、幅4メートル)
5月16日ヒエ取り
5月20日ヒエの大発生により、クリンチャー粒剤使用
6月13日コナギ大発生のため除草剤(バサグラン粒剤)
7月10日穂肥(硫安:窒素1.5KG/反)
7月26日出穂
7月31日ヒエ取り
8月 1日ヒエ取り
8月21日ヒエ取り
8月22日ヒエ取り
9月4,5日コシヒカリ、稲刈り
9月17日マンゲツモチ、稲刈り
乾燥・調整は、同級生のライスセンターを利用。
カメムシ被害の為、色選(KG-A)を2回通すが、色選不調のため規格外。
サタケのピカ選(デモ機)にかけ直して、ようやく2等。
収量は、コシヒカリ52俵/7反、反当たり7.4俵。
(ちなみに。昨年は反当たり6俵でした)
マンゲツモチ2.5俵/5畝
来年の稲作は、
1.低コスト栽培を目指します。(レンゲ1KG、@780、JA)
レンゲ:2KG/反(6反)と
レンゲ無し、元肥ゼロ(1反5畝)でいきます。
10月2日にレンゲ播種(6反)、溝切り終了
2.多収は目指さないが、反当たり8俵は目指したい
来年の課題は、
1.キシュウスズメノヒエの対策
2.5月連休田植えのため、水温の上昇に伴い、ヒエが出て、
その後コナギが発生する事への対策
3.カメムシ対策として、木酢液の散布を予定
4.レンゲの出来の悪い所は、菜種カスを撒く予定
11/27 やまちゃんから「稲葉さんのファイル」
すずき産地に教えてもらったやり方で、稲葉さんのファイルを下記にアップロードしました。
(期限が来たので、ファイルは削除されています by世話人12/1)
ご覧になりたい方は、クリックして、ダウンロードしてください。
その時名前を求められますが、たぶんどんな名前でもOKだと思われます。
僕の方はといえば、このファイルを右クリックすると、
「スライドショー」とか「パワーポイントビューワ2007」とか出てくるので、
あと一歩の所まで来ているのでしょうが、まだ見ることが出来ていません。
11/27 茨城のすずき産地から「パワーポイントなど」
大きなファイルは、
たとえば下記などを利用すれば
送ることができると思います。
http://firestorage.jp/
また、
パワーポイントファイルの表示には、
PowerPoint
Viewer 2007が下記からダウンロードできます。
http://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?displaylang=ja&FamilyID=048dc840-14e1-467d-8dca-19d2a8fd7485
なお、
フリーソフトのOoo(オープンオフィスオルグ)をインストールすれば、
おおよそ表示が可能で、さらに、こちらなら編集も可能です。
下記からダウンロードできます。
http://ja.openoffice.org/download/
以上、ご参考までに。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
すずき産地http://www.suzuki31.com/
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
●やまちゃんから
てんち米店さんからも同じようなアドバイスをいただきました。
PowerPoint
Viewer 2007をインストールしたのですが、まだ見ることが出来ていません。
大きすぎたため(14,2MB)送信に失敗したのか、
もう一度添付ファイルのみ送信してみます。
自分のパソコンの受信環境ではギブアップだと思われる方、キャンセルしてください。
11/25 民間稲作研究所の稲葉さんから「HP拝見しました」
山下さま
こちらこそご無沙汰致しております。HP拝見しました。今井さん、富田さんの記述どおり今年は水管理の重要性について話をしています。早期湛水による2回代かきが上手くいっていない理由に、苗質、水管理、肥培管理の3つがあり、特に「水位管理」が抑草の成否をわける要因になっている場合が多くみられます。北海道のDさんの例、地元上三川町のTさんの例が典型で、田植30日前の1回目代かきからの湛水は概ね5cm程度で水位が上下した方がよくコナギがよく発芽すること。2回目代かき以降は10日ごとに5→10→15cmと深くし、夜も昼も一定の水位を維持することがコナギの抑草に決定的であるということです。この結論は期せずして館野氏の実践結果とも一致し、意を強くしているところです。
なぜ、一定の水位維持がコナギの抑制に効果があるのか、本当のところ解っていませんが2つほど理由があるように思います。1つはコナギの休眠を打破するのは@光が当ることA一時的に酸欠状態になることB2葉期以降の生長には酸素が多い方が有利であること。などコナギの発芽生長特性があると思います。2つ目は水漏れを防ぎ一定の水位を保つことは窒素、りん酸、有機酸(酪酸・乳酸)、微生物などアミミドロやウキクサの栄養源を保持してその繁茂を促すことやトロトロ層(微生物・小動物分解層)の形成を促すことになると考えています。もちろんアミミドロ、ウキクサの繁茂やトロトロ層の発達のためには、コメヌカ発酵肥料や緑肥などの栄養源とグアノや発酵鶏糞・熔りんなどのりん酸肥料の供給が必須の条件で、アミミドロやウキクサの爆発的繁茂には欠かせないものです。
3つの事例を添付しますので参考にして頂ければと思います。なお来年度からは3ケ年の継続事業として関西(四国徳島)関東(栃木・研修センター)東北(山形酒田市及び岩手大東町)でポイント研修を実施してみたいと考えていますが如何でしょうか。地域別に中間総括を行って何とか成功事例を作り上げないと農業崩壊を食い止められないと危機感を持っています。またイネだけでなくイネ−麦−大豆の2年3作とそれを原料とした地域加工食品の復権も併せて進めないと食の再建もできないと考えています。是非ご検討ください。
18日に村山さんがお出でになり、研修センターや有機圃場をご案内しました。上三川産の天日干し有機麦芽100%の地ビールを試飲してもらいましたが、一口目の感想が「とっても美味しい」という言葉で一安心しました。本来の食べ物の味とその価値が見失われないように有機農産物をベースに添加物を使わない加工食品を作り、その基準価格づくりをしていきたいと考えています。負債を抱え込まないように趣味の範囲で楽しむことにしています。みなさまにもよろしくお伝えください。稲葉光國拝
●やまちゃんから
稲葉さんからの返事に、pptの拡張子のついた添付ファイルが送られてきましたが、
残念ながら僕のパソコンでは見ることが出来ませんでした。
(「抑草 成功と失敗の事例 2010」)
14.2mbと大きなファイルですが、たぶんパワーポイントのファイルのように思われます。
11/24 神奈川の今井さんから「Re二回代かき」
神奈川県の今井です。
1回目の代かきのあとは、水管理が適当になり、田面が見えたり、見えなくなったりを繰り返しました。でも、ほとんど
水を張った状態を保ちました。
2回目の代かきは田んぼの表面だけを浅く代かきしました。芝生のように生えたヒエは2回目の代かきでほとんど埋没しましたが、念のために連続してごくごく浅く(5センチくらい)もう一度代かきしました。
田んぼの土が居着くと言う事はありませんでした。私のところは火山灰土壌で土が水に浮きやすいからかもしれません。
11/23 神奈川の今井さんから「2回代かき」
神奈川県の今井です。
しいたけの原木栽培を少ししていますが、今年の暑さでつい最近までほとんど収穫できませんでしたが、
このところ急に取れ始めました。毎年、森林組合からコナラの原木を買っていましたが、採算が合わないので
畑のケヤキや栗、カキの木を原木に利用しようと思っています。
今年の夏に栃木の舘野さんの田んぼを見る機会がありました。民間稲作研究所の見学会だったので稲葉先生もいらっしゃいました。
舘野さんの田んぼは完ぺきに雑草が抑えられていました。びっくりしました。その時、稲葉先生が田植え後の完ぺきな水位の維持の重要性について
お話していました。詳しい話は記憶が定かではありませんが、常に水位が一定だとコナギが生えにくいそうです。
舘野さんは田んぼを1回目の代かきのあと何週間もおいて2回目の代かきをするそうです。2回目の代かきの前までにできるだけ田んぼの雑草を生やすそうです。
田んぼの草をできるだけ生やすためには水位を下げたり上げたりするそうです。完ぺきな水位の維持とは全く逆の事をするようです。そのあと雑草を練りこむ
2回目の代かきをするそうです。
私の田んぼで草が生えなかった田んぼがありました。1回目の代かきのあと高低直しをし、18日おいて2回目の代かきをしました。その田んぼはちょろちょろ水しか入水路から
入ってきません。ですので1回目の代かきの後に、見回らないと田んぼに水が入っていないという事がありました。2回目の代かきの時にはヒエだらけの田んぼになっていました。
でも田植え後はちゃんと水の見回りをしたら、草ははえませんでした。この田んぼはチェーン除草を2回したので水位の維持が抑草の原因だけではないかもしれません。
11/23 やまちゃんから「Re二回代かき」
今年の夏はさんざんでした。
田んぼの方は、コナギの逆襲を受けて草まみれになるわ、
我が身の身体の方も、暑さに負けて熱中症寸前でした。
体調は、涼しくなって戻りましたが、気分はずーっと低空飛行状態です。
こういう時は、じたばたするまいぞと、冬眠体制に入っています。
僕は、ずーっと「二回代かき路線」でやってきていて、
西南暖地の遅植地帯で二回代かきをすれば、コナギは抑えられると思っていました。
二回代かきで通れなかった畦際だけコナギが生えているという事がよくありました。
ところが去年、あれっ?コナギが増えたぞという田んぼが出てきて、
今年は、コナギの中でイネが埋没しそうというような田んぼまでありました。
想定外のことに、頭の方が混乱していて、さてどうしたものかと途方に暮れている状態です。
稲葉さんが言われる「水位を一定に保つ」方法が、
コナギの出芽などの生理生態にどういう効果を発揮するのでしょうか?
ところで、今井さんへ、もうちょっと初歩的な質問です。
最初の代かきをしたあと、18日間も置いて、途中で水がなくなったりしたら、
田んぼの泥がが居着いてしまって、2回目の代かきの時に困ってしまうのですが、
そういう心配はなかったですか?
11/21 福井の冨田です
福井の冨田です。
久しぶりでございます。
先日、有機農業技術会議の公開セミナーがありました。
いくつか気になったことがありましたので書かかさせて頂きます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
★抑草技術について
稲葉先生は、
@持論の1回目早期代掻きと田植え直前代掻きに2回代掻きの有効性を
おっしゃっておられました。
Aまた、田植え後の水位の完璧な維持の重要性にも言及されてました。
完璧な水位の維持とは、例えば夜に水を入れて朝方止める、というような
たとえ10cmの水位をおおよそ維持していながらも途中に不安定な浅い水
深があると、間違いなく雑草に負けてしまうと。
水位の維持の方法を聞き逃してしまったのですが、水位の維持は定期的
に入水するのではなく、減水を確認もしくは予測して随時入水、という意味
かな、と思いました。
どなたか補足をお願いします。
完璧な水位の維持を行いながら、苗の生長に合わせて5cm→10cm→15cm
と水位を維持してゆけば、コナギもヒエも問題ないレベルに抑制できる、
とのお話でした。
西村和雄先生は、
水田1筆ごとの特性を観察・熟知しておいて、その上で、除草の方法を1つしか
持たないのではなく、2〜3つの除草方法を手の内に持っておいて、その年の
気候や草の状況(生え方や種類)、稲の生育に合わせて、現在の手がダメな時
は次の手で、というような複層的な方法での除草の心構えが必要ではないか、と
のお話でした。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
また、稲葉先生はネオニコチノイドの危険性をもっと認識すべきとの指摘があり
ました。この宅急便に参加されていらっしゃる方で、経営の中で有機と慣行を並行
しておられる方ももしかしたらいらっしゃるかもしれませんが、まさか殺虫剤の使用
は無いと思います。
ただ、農業用だけでなく、日常的な場所や製品にも幅広く浸透してしまっているの
で、危険性をもっと認識すべきだと私も思います。
西村先生からは、自然農や自然農法についての言及の中で、多くの有機栽培に
おいて施肥量が多すぎることの呆れた状況についても話しがありました。
過剰な施肥によって生理が乱れた大根の葉の展開と違い、施肥をしない自然農
では葉の展開が対照的に規則正しく出ていること、これが本来の姿ではないか?
また、自然農の水田を初めて見たときに、止め葉が立っておらず横になっていて、
穂が上に出ていて、その情景を見ていて、涙が出るくらい懐かしい想いにかられた
とのことでした。
また、滋賀の中道さんの発表の中で、農家に訪ねて行く時には、事前にきちんと調べ
ておいて行かないと、お互いの時間の無駄になるし、訪問先も貴重な時間を使っている
ので初歩的な質問ばかりでは核心にせまる話までは聞けない、との意見がありました。
11/12 岡山の赤木さんから「すばらしい」
岡山の赤木@菜の花です。
堀野先生の発想がすばらしい。
工業製品から離れて地元にある自然の竹を使うなんて、さすが山里思考。
竹の太いところを割って使うのではなく、ランダムに曲がった枝の部分を使うところが
気に入りました。もしかしたら竹箒にヒントがあったのかもしれませんね。
ザルもバケツもプラスチックの昨今、竹で編んだカゴや、木の桶的発想です。
久しぶりにいいものを見させていただきました。
残念ながら私の思考回路からは思いつかないでしょう。
そちらでは1等米比率96%?・・・これまたすごい。
当地ではヒノヒカリオール規格外。
私の朝日が2等でした。晩生品種ほど良かったようです。
登熟期をいかにして遅くするか。これからの稲つくりの課題です。
自然を愛し環境を考える百姓 赤木歳通
11/11 島根の堀野さんから「竹ペット」
「竹ペット」
今年はここ飯南町も格別の暑さでした。
とはいえ標高400〜600mほどの山里ですので、
平地に比べ、昼は5℃、夜は10℃くらい低かったのではないでしょうか。
それでも農家は、白濁米対策として、田植えを遅らせ、チッソを控えて倒伏を防ぎ、土
づくり肥料を追肥し、遅くまで水を溜めるなど、一生懸命でした。
おかげで当町の一等米比率は約96%に達し、売る苦労はしていないそうです。
本題ですが、来年に備えて除草用の「竹ペット」を試作しました(添付画像)。
作業テストでは、軽いのに良く土を掻き、苗は倒しますが立ち上がり良好です。
実験田には4年分相当のモミガラを入れてトロトロ層対策もしました。
早くも心は来年です。
島根県飯南町 堀野俊郎
11/9 岡山の林さんから「今年の米作り」
皆さんこんばんは、
皆さんからのメールの便りがなく、今年の米の品質の低下と価格の低下で、気を落としているのかな、と心配していました。
四方さんのメールを読みました。日本の食料自給率はますます下がるでしょうね。TPP、EPAもあることだし。
私は、野菜のように米も関税を0にして見るのも良いのではないかと思います。それを消費者や産業界が望むなら。
ところで今年の私の米作りも終了となりました。昨日、米の検査があったので行ってきました。
今年の夏の高温のため、かなり品質が低下したのではないかと心配していました。私の地域でもヒノヒカリなどは良くて3等、
殆どが規外という状態でした。検査員も、県南部では今年は2等以上は見たことない、と言っていました。
私の米の検査結果は、朝日が全量1等、ヒノヒカリは2等となりました。
ヒノヒカリの品質が悪くならなかったのは、田植えを6月25日に遅くしたのが効果があったようです。
しかし、販売が順調でないので、1等の有機米を慣行米より5,000円安くして販売することにしました。
それでも、農薬や化学肥料を使用しないで育てた私の慣行米をまだ1.5トン売り残しています。
皆さんも同じような状況ではないかと心配しています。私は来年から米作りを大きく減らすつもりです。既に1圃場をやっと
返しました。圃場は借りるのは簡単でも、返すのはもっと大変。地主さんも田んぼを返されると他に借りてくれる人もなく、
田んぼの維持管理にコストがかかるので嫌がります。そうはいっても、私もこのコストをかぶり続ける訳にいかない。
私の地域で一番大きい農家は、米価の低下で経営がうまく行かなくなり、赤字が大きくなったので、もう農業をやめると
言い始めました。1台1,200万円のコンバインやこれらを運ぶ貨物車、巨大なトラクター、乾燥機、籾摺り機、リフトや鉄骨製の
作業場、倉庫はどうするのでしょうね?でも、あと1年は続けてみるということでした。「借りている田んぼを返すから、次は林、
お前が面倒を見ろ!」と言われましたが、これ以上の持ち出しボランティアは出来ないので断りました。
林 正弘
岡山市
11/8 京都の四方さんから「NHKスペシャルから見えた お米を再考。」
おおきに!ありがとうございます。ありがとうございます。
ご無沙汰いたしております、四方です。5ヶ月前まで脳梗塞。
お陰様で元気です。
家族団らん、湯気が上がる温かい食事、家族全員が揃って食卓を囲み、賑やかな会話がはずみます」・・・こんな光景、最近めっきり少なくなってしまいました。昔は家族も多いからあたりまえの事でしたけれど、今は田舎でも少なくなっているんです。梅雨の長雨や日照不足で途中心配でしたが、精一杯気持ちを注いで育てたお米は、そんな天候不順にも負けず元気に育ってくれていました。
NHKスペシャルから見えた モノ・事で お米を再考しました
番組で感じた事は、いち早く輸入自由化をした台湾において高年齢者の農民が失業し、また米作を続けている農家も契約栽培にがんじがらめ。 台湾の米農家の現状は、日本の米農家も将来同じになるのでは・・・・・。
日本人一人当たりの米消費量は、昭和37年は約120kgで、これが現在では約60kgにまで落ちています。
日本人はお米を食べなくなった今、食べ物なのか教育なのか、日本人は物事に対する考え方が変わり、それと共に恥を恥とも思わない日本人が増えたんじゃないかな?と(関連性を調べた訳でも無いのでこじつけの様な事に成るかも知れませんが)無理矢理でも思ってしまいます。
子供の頃、大人の人はみんな立派で、特に親は偉い人、先生・警察官は法の番人で怖い人と感じていましたが、今は・・・(これは今の大人が悪いから?)話は変わって、我が家での米消費量は外食での米を除くと年間約360s、一人当たり72s、外食での米を入れてもおそらく80s・・60。
米農家である私の家庭でもお米の消費がこの様(ざま)で・・・・・。単純にその消費量が落ちた原因を分析すると、パン、スパゲッティー、うどん、ラーメン、素麺、カップ麺の台頭・・・・。そこには出来れば、簡単に早く食事をしたいと時間に追われる、平成の時代を暮らす日本人の昼食風景が容易に想像出来てしまいました。
一部を除いて国内の食品関連産業は、価格競争・利益優先に落ちており価格が第一、安心・安全は第二という優先順位になっているのが現状なのでしょう。外食産業は経営のために、消費者が望んでいる為と安い米を探して奔走とも聞きます。
その上、顔も見えない国・地域で育てられた食べ物が、本当に私達の安全な食を提供してくれるのでしょうか?本当に、サクラメントバレーや中国から日本にお出でになるお米達は安全なのでしょうか? 疑問です。そうは云いながら、なんと既に2006年は77万トン(日本国内で消費されるお米の1割近くの量です)が輸入されています。
でも一体何処に混ぜて消費されているのでしょうか?これってすごい事である筈ですが・・・・。今を考えると、活発な自由貿易は原油コストが安いからこそ成り立っていて、今上がり続けている原油価格が今後も高値で推移すると考えると、食べ物を長距離輸送することがコスト大となり、食料自給率が既に40l以下の日本は、本当に危機的状況に陥ってゆくのではと・・・・。さらに穀物の国際価格は、バイオエタノールの生産拡大やオーストラリアの小麦など異常気象の影響による生産減少などによりご承知の通り高くなりつつあります。エネルギーと食料の価格が既に高騰し始めている今にあって、主食(であり文化・伝統の基です)である米の関税を下げることが、国内農家にダメージを与えるだけに止まれば良いのですが・・・・。世界一高い土地で作られる、お米を始めとする日本の農産物と、日本の国土を保全・管理する事を、経済原理に組み込んで同時進行で話を進めてゆくと、日本の国そのものが無くなるのでは?(アメリカの1州、中国の1省になる?)と、一百姓は懸念を抱きます。 車を始めとする、工業製品の輸出の代償としてお米など食材の輸入を、単に貿易の数字合わせとして考える事に恐ろしさをも感じます。
コストダウン・省力化・収量アップ等、改善、前進して行く事は、当然農家(私?)の義務なのですが、そこには安全・安心・おいしいが根底に合っての話・考え方です。
一方でアメリカ、中国、台湾などの米生産国はすでにコシヒカリを生産しており、日本への米輸出のタイミングを計っている状態であり、「日本への輸出米」ということでブランドになるのも事実でしょう。番組を通じて、改めて思った事は、経済原理に組み込まない食物として、『日本の文化・伝統の核は米である』から発想してこの事を考えて行かないと、いつまでも堂々巡りとなり日本は無くなってしまうと、多いに感じています。
ここで一つの考え方として、税金投入という手段で、所得保障をする農業政策・施策で今の百姓を守る事より重要な事は、国土保全に対して田畑の耕作・森林の整備実践を、18歳〜20歳までの国民の義務・経験としての労働を経てから成人する事で、真の愛国心も生まれて、そのまんま農林水産業に従事する若者も増えるのではと私は考えました。(但し、杉・檜等の、針葉樹のみの植林は問題です。)何だか・・・・・・だらけの疑問であり納得出来ない文章になってしまいましたが、皆さんのお考えは如何お考えでしょうか? どうぞ、・・・・・・の部分は皆様の言葉を入れて完成させて頂ければ幸いです。
おおきに、ありがとうございます。
丹波の山奥から、安心・おいしいお米を育てる事を通じて、そこから学べる色んな事を50代男性の視点からブログhttp://satoyamadayori.jimdo.com/にて発信しています。
里山じじぃの里山だより、農家のお米屋さん 等でも検索頂き、どうぞご覧下さい。
里山だより(農家のお米屋さん)四方 英喜
京・綾部市 志賀郷町 町ノ下17番地
11/8 姫路市水族館の市川さんから「Re冬期湛水と赤とんぼ」
アキアカネが産卵するには、水たまりや泥だまりが必要ですが、卵自体は乾燥に
強く、乾いた土の中で冬を越します。春になって、田んぼに水がたまり、その温
度が上昇するとふ化します。カモが間違ってトンボの卵を食べてしまうことはあ
るかもしれませんが、それほど大きな問題とはならないでしょう。
冬の間水がたまっていると、稲刈り時の一時的な落水状態を乗り越えた、シオ
カラトンボやギンヤンマのヤゴが春まで生き残ります。春にアキアカネの卵がふ
化しても、小さなアキアカネのヤゴのほとんどは、大きな他のトンボのヤゴに食
われてしまいます。アキアカネは、冬の間落水している田んぼに適応したトンボ
なのです。すべての生き物に優しい農法などあり得ません。
11/7 塚本さんから、「冬期湛水と赤とんぼ」
今年は赤とんぼがたくさん羽化しました。久しぶりのことです。
何でかなと思ったら、冬期湛水をしていませんでした。
冬期湛水をしていると、カモにトンボの卵が食われるからでしょうか。
また、ヤゴが留鳥のカルガモに食われるからでしょうか。
冬期湛水を始めてから赤とんぼの羽化数は激減しました。
11/2 塚本さんから、「クログワイと田んぼの水管理」
クログワイにはお手上げなので、今年は除草剤を2回使いました。
猛暑だったので8月末まで水を張りっぱなしでした。
クログワイ適用のある除草剤を2回も使っているのに無除草剤ほどではありませんが、
田んぼ一面に背の低いクログワイがありびっくりしました。
どうしてかと考えたのですが、昔は7月20日ごろの梅雨明けと同時に
田んぼをかんかんに干して、その後間断潅水をしました。
ところが最近は、生物の生息場所提供とか考えて、梅雨明け後も
なかなか落水せずにづるづる湛水を続けていました。
そんなところに猛暑で水不足どころか断水が心配されたので
水を張りっぱなしにしたからではないでしょうか。
これを書いていてふと気がついたのですが、村の人達にとって
草対策はヒエとコナギで、クログワイに困っている様子は無いのです。
除草剤も特にクログワイ適用を気にしている様子はありません。
たまたまクログワイ適用の除草剤を知らずに使っているのかもしれません。
私と周辺農家の大きな違いは、田植え30日後(6月初め)から始まる
中干をするかしないかです。皆さんの中干の仕方は徹底しており、
田んぼに見事に大きなひび割れが入っております。
この中干の期間は40日50日と続きます。
この期間は、以前にあった「クログワイには3年間の田んぼの乾燥」の
お便りに通じるものがあるように思うのです。
クログワイにはかなりのダメージかもしれないと思うのです。
今年は、冬季湛水をしなかったのでクログワイが多かったとも
思います。冬は乾燥するという地域なら春起こしが有効かもしれませんが、
冬は湿潤で田んぼが乾くことがないような当地では冬期湛水がやりやすいので
湛水してカモにクログワイを食べてもらったほうがいいと思います。
クローラ付のトラクターが無いので、湿田ではやりたくないですが・・・。
今のところ私案のクログワイ対策としては、
1.湿田でなければ冬期湛水。
2.クログワイ適用の除草剤を使う。
3.早めに(いつ?)田んぼを干してしまう。
生き物の生息場所は、落水後は田んぼ内のクリークや排水路に
担ってもらわないと田んぼ内では厳しい。昔は用水排水路があったから
よかったのでしょう。
以上あれこれと私案作成でした。
10/31 お米の勉強会の村山さんから「ミツヒカリについて」
皆様、稲葉先生 お米の勉強会の村山です
稲葉先生にメールをしましたが、アドレスが違っていて送れませんでした。
そこで、この件につきましては、皆様にも聞いていただいた
方がいいかと思い、このMLに投稿します。お邪魔虫かもしれま
せんが、そして長いですが、ご一読くださいますようお願いいたします。
稲葉先生 久保田裕子様
お米の勉強会の村山です。
先日名古屋では、お久しぶりに稲葉先生にも久保田さんにも
お会いできてうれしかったです。
さて早速ですが、ただ今近畿農政局のMLを拝見していまして
、「第8回有機農業公開セミナーin石川
大規模稲作を考える」
を知りました。残念ながら参加できませんが、日程表を見てい
まして、ちょっと疑問に感じたところがありましたので、メー
ルをいたします。
11月10日の現地見学会で、「金沢農業」水稲(みつひかり)
の見学とありますね。ミツヒカリという品種は温暖化対策で育
種されたお米ですよね。高温に強く、多収、良食味で九州のみ
ならず、あちこちに広がっていますね。農家にとっては有難い
お米のようですね。
でも、このミツヒカリは、野口種苗さんによりますと、雄性
不稔を利用したF1だとのことです。
先生方もご存知のように、雄性不稔というのは雄蕊に花粉が
できない、ある意味お米としては異常なものですね。雄蕊に花
粉ができないのですから、品種改良には雄蕊を取り除く手間が
省けて、多くの野菜はこの雄性不稔を見つけ出して、F1が作ら
れているそうです。雄性不稔という異常は細胞のミトコンドリ
アの異常だそうで、代々母性に(?)遺伝するのだそうです。野
菜もお米も雄性不稔のものばかり食べて、人間は大丈夫なのか
、精子の減少と関連がないと言えるのか、また、雄性不稔の花
の蜜を吸っているミツバチが、今危惧されているハチの群れの
死と関係がないと言えるのか、と野口さんは警告されています
。
事実がどうなのかは今のところ分かりませんが、有機農業で
そのような種もみを使っていいものでしょうか?
今は、日本で一般的に流通しているお米の7割近くがコシヒ
カリ系の遺伝子が入っているということが生物多様性からも、
温暖化対策からも、品種の脆弱性からも大丈夫かと危惧されて
いますね。
ここはむしろ、各地で自家採取で作り続けられてきた在来種
の保全こそが必要なことだと思います。在来種は、無施肥無農
薬でなさっている方々が栽培されていますね。これは、在来種
が化学肥料も農薬もあまりないときから栽培されてきた品種な
ので農薬も肥料もあまり必要としないからだと聞きました。以
前は一軒の農家でも様々な品種を育てて、異常気象にも耐えて
きましたね。そのようなことこそが有機農業に向きますし、求
められていることと思います。
ご存知のように、生物多様性条約の中には人間の栽培種もそ
の暮らしとともに保全されることがうたわれていますね。
安全性については不確かなことかもしれませんが、どうぞご
一考をお願いします。
また、これは東さんにお聞きくださるとわかりますが、ミツ
ヒカリの種もみ栽培試験を東さんが受けたそうです。ところが
、ミツヒカリそのものは多収なのに、種もみはとても少なくし
か取れないそうです。よって、もしこの品種が普及すれば、種
もみ栽培は日本じゃなくて、海外でされるのではないかと東さ
んは心配されて、電話を以前にくださいました。
10/29 塚本さんから、「今年は冬期湛水なしでした」
今年は、りんごの木村さんの本を読んで、春に田んぼを乾かしてから
浅くロータリー耕をして、草の生え方を見てみました。
前回の報告の通り、何度代掻きをしてもコナギは生えてきました。
私は、コナギは土の表層にある種がだらだら発芽するのか、
表層の種がわりといっせいに生えるが、代掻きのたびに下層のタネが
表層に上がり発芽するのか疑問に思っていましたが、今年の経験から
表層のコナギのタネはわりといっせいに発芽するのではないか
と思うようになりました。
それと、トロトロ層が無いときは、代掻きや、もしかすると除草機に
より、土の下のコナギのタネが表層に上がり発芽することは
やはりあると思うようになりました。
それと、トロトロ層がないと、除草機を通しても土が攪拌されない部分が
かなりあるなと感じました。コナギがなかなか消えなかったからです。
それと、トロトロ層が無いと、チェーンを通しても、チェーンは硬い土の表面を
なでているだけで、根を張ったコナギがあると、コナギの葉がチェーンで
なびいているだけでびくともしないと感じます。
チェーンの重さを重くするとか、コナギが土の表面に顔を出す前にチェーンを
通すくらいでないと効果が出にくいと思っています。
冬期湛水無しではだめだろうなと思いつつやってみたらやっぱりだめでした。
春起こし+手押し除草機をやって、春起こし+早期のチェーン除草はやっていません。
おわり
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