2011年12月のお便り  HOMEに戻る

12/31 福島の東山さんから「複合除草について」

 昨年書いた「複合除草」のことについて少し触れられていたので、続報を書かせていただきます。今年はこの方法をアイガモ田すべてに広げてみました(というほどの大面積ではありませんが)。複合除草とは、代かき直後に米ぬかを降ってから田植えをし、私の場合はアイガモで田面をかき混ぜさせて完璧な除草を行なうという方法。簡単に言うと、米ぬかをまいた後、表面を一度かき混ぜることで、その後の雑草の発生を抑制するということです。今年初めて試した田んぼも、草1本も生えないぐらいに大成功。ただ、昨年大成功を収めた田んぼは、今年も同様にやってみましたが、どういうわけかアイガモを放したところ、アイガモの羽に泥がべったりくっついて溺れ、結局ほとんど米ぬか除草だけでおしまい。ただ、昨年の抑草効果が素晴らしかったので、それほど草の害もなく、普通に収穫できました。おそらく米ぬかの分解の過程で、界面活性作用のある物質が生成して、アイガモの羽の撥水作用がなくなってしまったのかもしれません。昨年は代かき後に米ぬかを振って、いざ田植えというときに田植機が壊れ、修理のため田植えが代かき後10日も経ってからになってしまった修理のため田植えが代かき後10日も経ってからになってしまったので、この界面活性作用がなくなっていたのでしょう。逆にいえば、10日も経ってからかき混ぜても十分な抑草効果が期待できるということです。
 この方法はアイガモだけではなく、チェーン除草などにも応用できそうなので、誰かやってみてくれないかと昨年呼びかけたのですが、だれか実践してみた方はおられませんか? 報告を期待していたのですが、誰も書いていないところをみると、だれもやってみなかったのかな? やっぱり自分でやってみるしかないかな。

12/31 岡山の中務さんから「緑肥の田植え前作業について」
岡山の中務です。

雨読晴耕村舎(糧工房)の後藤さんからは、直接お便りをいただきました。

1.地域はどのあたりか           北埼玉(関東の中部より北寄り)
2.緑肥の種類は何か      レンゲ・すずめのテッポウ
3.生育の程度はどうか      20cm程度
4.鋤込み後何日目に入水したか  すき込みせず 6月上旬から入水
5.入水後何日目に代かきしたか  代掻きせず
6.代かき後何日目に移植したか  6月中旬田植え
7.その成果はどうか       7.5俵程度/反あたり
8.他に併用した抑草法はあるか  田植え後2週間くらいは田んぼ見回り草がでそうなところをすこし足でこする 

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不耕起移植は、ヘアリーベッチの裁断被覆〜不耕起移植という方法も文献で
推奨されていますが、緑肥の腐熟を田んぼの表面で行うか、土中で行うかという
点で、好み(?)の分かれるところかと思います。

さて、山下さんの不安・・・「さあこれから緑肥を鋤き込むぞ」という時期に、雨が多くて、
田んぼがじゅるかったら、どうしよう・・・について、私の圃場の半分では毎年の事です。

春作業で乾田効果や表面転圧(中はフワフワ、表はカリカリ?)を求めるのは諦めて、
そのまま水を張って春作業を強行です。

そちらの圃場は、ドライブハローで3回〜4回耕耘して、そのまま田植えしますので、
春の乾き具合で予定が狂うことはありません。

ロータリー耕でも同様だと思うのですが、ポジションレバーの下限を制限して、後輪よりも
少し高い位置までしかハローの爪が降りないようにしておくことがポイントです。
そうすると、耕盤を削って田んぼが深くなることは、ある程度、防止できます。

乾田では田んぼに入ってすぐにポジションレバーの下限(=耕深)を設定すると思います
が、湿田や、再耕耘の場合は、後輪の沈む深さより数cm上に設定するので、田んぼに
入る前に決めてしまい、田んぼに入ってから微調整すれば、トラクタから降りる必要もなく、
簡単ですよ。

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中務 博文

12/30 やまちゃんから「田植え前後」
ぼくは「緑肥」もしくは「菜の花」をやっていないので、
中務さんのアンケートに答える材料を持ち合わせていません。
なぜ緑肥をやらないのか?
稲作と野菜の二本足でやっているので、緑肥をやると、
6月はじめのくそ忙しい時に、もう一仕事増やしてしまいます。
それと、もし「さあこれから緑肥を鋤き込むぞ」という時期に、
雨が多くて、田んぼがじゅるかったら、どうしよう、
その後の行程がまったく狂ってしまうなあという不安が、いちばん大きかったかな。
やっていないながらに、緑肥稲作の持ついちばんの魅力は、
きっと緑肥がぶくぶくわき出す時に作る「トロトロ層」ではないかと思っています。
 
ちょっと別な話をします。
二畝足らずの小さな田んぼ、
その田んぼでは中学生のトライヤルウィークで紫黒米を田植えしています。
他の田んぼは砂壌土ですが、この田んぼは粘土質です。
ポット苗を手植えした翌日に米ぬかを2袋散布しました。
雑草がだいぶ大きくなってきていましたから、10日ほど過ぎた頃でしょうか?
奥方が八反どり(おかめ)で、ぼくが手押しの田車で除草作業をしました。
表面にぬるぬるしたトロトロ層が出来ていたような気がします。
その一回で雑草は問題ないくらいに消えていきました。
(前の年は、コナギのオンパレードでした)
東山さんが言っていたのは、たぶんこのとなんだろうなと思いました。
 
少し前になりますが、塚本さんと電話で話しました。
彼は、なにやら心境の変化があったらしく、ハウスを撤去し、料理教室に通っていました。
テレビも撤去し、パソコンのインターネット回線も切断しています。
その彼は「まだあきらめていませんよ」と、田植え前に鉄パイプにロープを付けて引っ張っています。
「チェーンより楽なんですよ、チェーンはワラが絡んでくると重たくて、、、。
来年は、鉄パイプに穴をあけて引っ張るつもりだ。
その方が深く泥に入るから」と言います。
「おいおい、お前まだそんな体力が残ってるんや」
「いや、ほんとはもう駄目、将来的には、乗用の除草機を視野に入れてます」
 
その彼と見解が一致したのは、
「田植えしたあとに、地下部でイネと雑草と、どちらが主導権を握るか、
雑草の方が根を張ってわが世を謳歌する前に、イネがしっかり活着して根を張るか、
勝敗の分かれ道は、きっとそこにあるような気がする」
と言うことでした。
アレロパシーということばがあるし、アレロパシーの効用節をとなえる方もいるが、
アレロパシーよりももっと単純に、泥の中でイネと雑草との根っこ争いでイネが負けないか、
そこでイネが負けなければ、その後も雑草はイネの日陰になっておとなしくしていてくれる。
そういうようなことでした。
 
反対にどうしてもわかってもらえなかったのは、
「荒代をかいて、1週間ほど水を張りっぱなしにしておいても、
泥が居着いてしまって、植代かきで苦労する」という話でした。
居着くということばは、彼の地方でも使われています。
代かきされドロドロになった土が、時間がたつにつれ締まってくる現象です。
「1枚の田んぼは、湿田なので代かきに入れば入るほど、
トラクターのタイヤが沈み込み、深くなっていくので、一回の代かきでさっと切り上げます。
他の田んぼは、底に石があるせいか、2回代かきをしても、
そんなに深くなっていくことはないし、表面が露出しないかぎり、居着くことはない」
と言います。
 
うーんと、考え込んでいます。
二回代かきという発想はおもしろくて、またその効用が実感できた時代もあったのですが、
最近は、代かきのしすぎによる弊害の方が表に出てきています。
元に戻って、あっさりした代かきで田植えした方が、イネの根の張りのためにいいのではないか、
そんな風に考えはじめています。
(このことについては前にも書いたような気がします)
 
今日書きながら、次のようなことを考えはじめています。
もし、水の事情が許すなら、
(地域の人から水を無駄遣いしやがってと言う苦情がでなければ)
田んぼに水を入れて、1週間ほどそのまま置いておく。
すぐ水は減ってしまうだろうから、なくなったらまた水を入れる。
水を入れてロータリーでこねなければ、居着くことはない。
その1週間の間に、雑草はかなり芽を切っているはず。
とすれば、
その雑草を叩きながらの初めての代かきが、植代かきになって、
苗にとっても心地よい泥の状態になってくれているのでは?
1週間の間に土は水によく馴染んでいるので、
1回の代かきで、土はこなれ、砕土され、水持ちもよくなってくれるのでは?
水持ちが心配なら、同じ日に2回ハローをかければいいのだ。
はてさて、これは「やってみてのお楽しみ」に近づいてきたぞ!?
来年のことを言うと鬼が笑っているけどね。
 

12/28 神奈川の笹村さんから「アンケート返信」
あしがら農の会の笹村です。

 1.地域はどのあたりか
小田原を中心に足柄平野のあちこち。平野部あり、棚田あり。減水深の大きい田んぼ中心。

  2.緑肥の種類は何か
レンゲ、菜の花、ヘヤリーベッチ、クリムソンクローバー。種代を節約して、種どりが苦労。

  3.生育の程度はどうか
ヘヤリーベッチ、クリムソンクローバー、れんげ、菜の花の順の生育か。菜の花は肥料分が必要。湿気に弱い。

  4.鋤込み後何日目に入水したか
当日ないし、出来るだけ早く。1週間空けると言うこともしてみた。その前に刈り倒して、1週間というのもある。

  5.入水後何日目に代かきしたか
翌日、ないし出来るだけ早く。

  6.代かき後何日目に移植したか
翌日、ないし出来るだけ早く。1週間空け植え代をかくこともする。

  7.その成果はどうか
成果のある時もあり、ない時もあった。安定しないと言うのが今までの状況。

  8.他に併用した抑草法はあるか
現在はソバカス抑草を中心に行っている。抑草の目的は一応のレベルで達している。
過去の経過の分かる田んぼなら、抑草する自信はついてきた。田植え直後からの、8
センチを超える深水で、ヒエはでない。コナギについては、トロトロ層の厚さが重要
な要素と見ている。どのようにすれば深いトロトロ層が出来るかが課題。二山耕起、
緑肥、田車、チェーン抑草も同時並行で実践。

12/28 「やまちゃんと中務さんとの往復メール」
●やまちゃんから「中務さんへ私信」
 お便りありがとう。
 ただね、表示された送信者名と、タイトル「お願いがあります」を見た時、
 「これは99%迷惑メールだろう」と思いつつ、念のために削除せずに開きました。

そしたら、中務さんからのメールでした。
受信者にどういう風に表示するかという設定がたしかありました。
もうちょっと不審がられない表示名にされた方がいいと思いました。
ところでH23RYてなんですか?
 
●中務さんから「拝復」山下さま
岡山の中務です。
ご指摘いただいた「×××02165」の表示は、パソコン通信の時代の名残です。
日本最大のパソコン通信網だった「ニフティサーブ」(現在は@niftyというプロバイダ)が使用していたIDの書式で、パソコン通信がインターネットに移行しても、アルファベット3文字+数字5文字というIDの構造は変わっていません。
@niftyが私に交付してくれた電子メールアドレスも ×××@nifty.com です。
そういう訳で、パソコン通信がインターネットの電子メールに変わった頃は「abc12345」のような形式の文字列に何の違和感も無かったものですから、そのままにしていました。
が、どうやらそういう時代は過ぎ去って久しいということに、
今やっと気づかせていただき、早速変更しました(笑)
もう一点のご質問、「H23RY」というのは、平成23米穀年度です。
稲作農家には一般的に通じる・・・と、勝手に思いこんでいました(笑)
ちなみに米穀年度は11月から始まって翌年10月に終わります。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B1%B3%E7%A9%80%E5%B9%B4%E5%BA%A6
役所のカレンダーでは、来年の3月まで平成23年度なのに、
米穀年度では既に平成24年度が始まって2ヶ月も経とうとしています。
元々は米穀取引のための年度だったようですが、
11月から作業を開始して10月に収穫して終了という、
私たちの作業サイクルにも合致していませんか?
 
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http://homepage2.nifty.com/wakesui/private/agriculture.htmlqwh02165@nifty.com
中務 博文

12/27 島根の堀野さんから「学者達はなぜ除草剤を使わない研究をしないか」
「学者達はなぜ除草剤を使わない研究をしないか」
 近代日本の農業研究のはじまりは、明治5年開設の
大蔵省・新宿試験場及び農事修学場(現在の東京・新宿御苑)だそうです。
その後、農学校(大学農学部)系と国立農事試験場系に分離発展し、
都道府県にも大学・農業試験場・普及所等が置かれました。
当初の目的は、欧米の農学者を多数招へいし、産業革命がもたらした工業的成果を
日本農業に導入することでした。その基本的な流れのなかで、
主として化学肥料・化学農薬・機械施設・メンデル育種種子の産業革命4資材の
研究・試験・普及に携わる学者達に多額の研究予算が交付され続け、今もって続いている・・・、
と思っていただけばよろしいのではないでしょうか。

 これを逆に見れば、
この4資材の普及につながらない農学研究は学者達の「想定外」ということになります。
刺激的に言い換えれば「野良仕事の改良」に研究予算はつかないというわけです。
故に学者達は、野良仕事の研究に参入しないか、もしくは参入できないのです。

 それでは「除草剤を使わない稲つくり」を国は禁じているでしょうか。
そのようなことはありません。
政府は「売れる米づくり政策」のもと、生産者に多額の直接払い予算を交付しつつ、
「野良仕事の改良」に係る創意工夫も奨励しています。

しかも合鴨稲作や菜の花稲作の成功例に見るように、
除草剤等の工業的資材を使わないお米は高価取引され、
そうした創意工夫から発生する利益の多くを、生産者は直接手にできる時代に入ってき ました。
このHPのおかげで、わたくしめも結構な利益を手にできそうな気配を感じています。
やまちゃん、ありがとうございます。
 島根県飯南町 堀野俊郎

12/27 岡山の中務さんから「お願いがあります」
岡山県東部の中山間地で、平成23米穀年度は全部の田で除草剤を使って
しまった中務です(^^)ゞ

素人ながら、除草剤を使わないで稲作を行うための技術を手に入れたいという
気持ちは常にあり、ご多分に漏れず、実証田を作って手取り除草から機械除草
へと歩を進め、移植後3週間、週末ごとに動力田車を押しながら水深をどんどん
上げていけば十分に稲が優先する・・・という程度の実証も行いました。

長期湛水や数次代掻きといったバリエーションも加えてみましたが、動力田車と
いうツール自体が強力に過ぎ、「技術」というよりも、「中途半端な機械化」のよう
な気がしてしまい、あまり魅力を感じませんでした。(随分勝手な言い草ですね。)

H22RYは、乗用のチェーン除草機も試作しましたが、一週間おきのチェーン
除草だけでは力不足の感があり、作用部分の工夫や他の抑草法との複合的な
実施が必要と感じました。また、小さな不整形田やザル田には向いていないとも
感じました。

そして、H23RYは移植後の土日が諸般の事情で潰れてしまう事があらかじめ
分かっていたため、遂に機械除草も断念して全面的に除草剤を使用。

ですが、たまたまトラクタの故障で春作業が遅れ、伸び放題となっていた雑草を
鋤き込んだ圃場のコナギが妙に大人しい印象があり、H24RYは緑肥作物である
ヘアリーベッチを播種し、ザル田には止水資材のベントナイトも散布しました。

文献を漁ると、「ヘアリーベッチを鋤き込み後3日以内に入水し、6日目以降14日
以内に移植すると2週間程度の抑草効果あり。」とのことですので、今期は緑肥と
深水でやってみようと思っています。

そこでお願いなのですが、山下さんのWebページに投稿されている皆様の中には、
様々に緑肥抑草を実践した方がいらっしゃると思います。
  1.地域はどのあたりか
  2.緑肥の種類は何か
  3.生育の程度はどうか
  4.鋤込み後何日目に入水したか
  5.入水後何日目に代かきしたか
  6.代かき後何日目に移植したか
  7.その成果はどうか
  8.他に併用した抑草法はあるか
というような、基本的な手順と、その成否を披露していただけないでしょうか?

「茎数を稼ぎ、出穂33日前に一旦肥効を切ってから穂肥」とか、「元肥なしで出穂
45日前にドカン肥」など、実施面のポイントを単純化できた技術は普及しています。

緑肥による抑草技術は、マメ科・イネ科・アブラナ科など、緑肥作物により若干の
差はあるものの、恐らく、鋤き込みから入水までの日数と入水から移植までの日数
がポイントなのだろうと思います。

例えば「菜の花を鋤き込んでから20日後の田植えでバッチリ抑草」という場合、もう

少し情報を加えて、「瀬戸内海沿岸で、そこそこの密度で胸丈ほどに育ったカラシナを

鋤き込み、7日後に再耕耘。更に10日くらいして入水、1〜2日待って代掻き、1〜2日
後に田植え。移植後45日くらい深水管理すると、完全に稲が優先した。」というような
具体性を持たせてご披露いただけると、私にも再現、あるいは応用できると思うのです。

私はJAに系統出荷し、しかもライスセンター利用の兼業農家ですから、除草剤を使わない
ことの実利は皆無で、自然を愛し環境を考えるというような強い意志も意地もありませんが、
消毒も箱剤も防除も止めて久しく、除草剤が最後の農薬です。

除草剤を使わない稲作を「稲作を楽しむための方便」「百姓の嗜み」あるいは「次なる浪漫」
という程度にしか考えていない日曜百姓ですが、多くの方の経験を「少し具体的に」ご教示
いただき、除草剤を使わない稲作技術習得への足がかりにしたいと思いますので、よろしく
お願いいたします。

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http://homepage2.nifty.com/wakesui/private/agriculture.html
中務 博文
12/27 やまちゃんから「現代農業の瀬谷さんへ」
スミマセン、千葉さんのタマネギの結び方の記事、字面はいちおう追ったのですが、
「なんで二重のヒモやねん、3ヶなんてヒモがたくさんいるし、めんどくさい」
と言う先入観が先に立ってしまい、読み飛ばしてしまいました。
ひとつに記事に対する編集者の思いが聞けて(結果的に)よかったです。
 
現代農業にいくつか原稿を書いたことがありますが、
僕の中でいちばん印象に残っていて、またおもしろかったのは、
瀬谷さんが担当した「チップソーの研ぎ方の研究」という記事でした。
その少し前に、京都でヤンマーの大きな展示会があって、
そこに某大手チップソーメーカーが研ぎ器を展示していました。
その担当者に「円周方向だけでなく、すくい面も研ぎたいと思っているのだけど、どうでしょうか?」
という質問をしたばかりでした。
担当者の返事は、明快に「ノー」でした。
瀬谷さんから原稿依頼があった時、ぼくがそういう事情を話したら、
瀬谷さんが、どういう手だてを使ったかはわかりませんが、
あるチップソーメーカーの経営者を見つけてきてくれて、
瀬谷さんとぼくとその経営者の共同作業のような形で、その原稿は出来上がりました。
ぼくは原稿を書きながら、すごく勉強になりました。
また、編集者と共同作業をしながら原稿を書くおもしろさを味わいました。

12/25 島根の堀野さんから「今年の除草剤を使わない稲つくり」
「今年の除草剤を使わない稲つくり」
約1年前、2010年11月11日の私の便りで、ビニペットをヒントに、
竹の小枝で作った自作竹ペットをご紹介しました。その後の経過です。

 今年は水田5aで試してみました。植代の直後にナタネ粕50kg/aを撒き、
4日後、全面枕地ローターを作動させながら坪37株で田植えしました。
その5日後に、竹ペットによる第1回目の人力除草を行いました。
軽くて速くて好調そのものでした。しかし竹の間隔を5cmにしたため、
掻き残しのほうが多くてやや不安でした。
 案の定、まもなくコナギの姿を見かけるようになったので、
再三にわたり竹ペットを引きまわし、合計で10回の除草作業になりました。
しかし作業自体は気楽なものでした。結局今年は手で草取りすることもなく、
ほぼ完全にコナギを抑えることに成功しました。
7年目にして初めてのことでした。

 ちょうどその頃だったでしょうか、NHKの番組(Eテレ?)で、
東北のさるお方も2連の竹ペットで数ヘクタールの除草剤を使わない稲つくりを
実践されていると知りました。ただし今年は、
震災と原発被害で大きな影響を受けられたのではないかと気にかかっています。

 ともあれ私のほうはなんとか稲刈りにこぎつけました(坪刈り収量428kg)。
10種類くらいの肥料の比較試験も行っていますが、その中では、
この除草剤を使わない稲つくり区のお米は深く澄みきった甘味を示し、
別格の味わいでした。
来年も改良竹ペットで挑戦するつもりです。
 島根県飯南町 堀野俊郎

12/25 姫路市立水族館の市川さんから「そんな学者はいません」
山下農園さん:
>
> 以上でーす。ちゃんちゃん。
>
 市川@水族館です
素人が山ちゃんのちゃんちゃんに横やりを入れます。
雑草を殺す薬を研究している研究者はたくさんいます。
しかし、(私は植物学者のことはよく分からないのですが)薬を使わずに雑草を
減らす研究を専門にしている学者というのは聞いたことがありません。国家サイ
ドから見たとき、イネの多収や農家の省力化には薬を使えばよいはずですから、
薬を使わずに雑草を減らす研究に、予算が付くとは思えません。
神戸大の伊藤さんは雑草の研究者で、有機農業や無農薬農業への理解がある人で
すが、・・・位の雑草の量なら収穫に影響がない・・という、この宅急便のみな
さんがよくご存じの内容なら、能弁に語ってくれます。しかし、薬を使わずに草
を減らす技術については、みなさんのほうがよくご存じと思います。
学者なら何でも知っていると思うのは大間違いです! 研究費のつかない研究を
している学者は、数えるほどしかいないのです。残念ながら。

 放射能については、世間の大騒ぎには違和感を感じています。多量の放射線を
浴びることが危険であることは間違いありませんが、1年間浴びても、CT数回分
ほどに満たないほどの放射線に、おびえている人を見ると、なぜか違和感を感じ
ます。今、大気中には1万種類を超える化学物質が漂っているはずです。ほとんど
が明治以前には存在しなかった、人間がつくった物質です。長期的にそれを吸い
込み続けたことによる影響など誰も調べていません。魚に取り込まれたPCBや
水銀がゼロになったという話は聞きません。私たちは日々これらを取り込んでい
るはずです。除草剤に大量に含まれていたダイオキシンはどこへ行ったのでしょ
う。おそらく田んぼの中に眠っているはずです。世界の人口は加速度をつけて増
えていますが、農業総生産はそれについて行けません。中国人やインド人が今以
上に肉を食べはじめたら、人間の口に回る穀物はさらに経るでしょう。温暖化が
今のペースで進めば(京都議定書ですら守れない状況では、ペースはさらに上が
るでしょう)、世界の穀物生産に大きな影響が出ることは多くの人が予測してい
ます。野田政権のばらまき予算を見ていると、日本がギリシャになる日はそう遠
くはないでしょう。国家予算の半分が借金の返済に充てられるようになったら、
原発の廃炉や除染にお金が回せるのでしょうか。
 超微量の放射線についても大騒ぎしている人は、まるで自分たちが、危険な化
学物質に縁のなかった江戸時代以前にすんでいるような錯覚を持っているのでし
ょうか?しかし、実際は上に書いたような、超危険な世界に私たちは否応なしに
暮らしているのです。私たちに与えられた課題は、『いかにやけくそにならずに
日々を無事に暮らすか』だと思います。
 放射能に対する大騒ぎが、PCBやダイオキシンの騒ぎのような一時的な反応
でないことを祈ります。カドミウムもダイオキシンも、PCBも水銀も、みんな
忘れてはいけないことなのです。

12/25  懲りない「よっさん」より
やまちゃん様

私は、今井さんの考えに近いと思います。

少々の岡山弁で言えば、はっきり、言えんでおったんじゃけど、
言うたらおえん、公然の秘密、「薄めて共存する」方式の結論を持っとんじゃ。

世間的にゃあ、濃縮〜隔離方式が一般的じゃけど。
不謹慎じゃけぇ、口に出して言えんでおったんじゃけど、夏、台風が来て、吹き飛ばしてくれんかなぁ〜。
大雨が降って水で流して薄めてくれんかなと、内心みんな思うたんじゃねぇ〜?  本音じゃよ。

我々は、制御不可能と思われる、技術を使いました。処理技術も未解決のまま、突っ走ってきました。
これこそが、反省の原点だとおもっています。
私の長男、某電機メーカーの中央研究所に居ます。工博でもあります。
原発で、爆発があった時、「終わった、東京、横浜も汚染されたでしょう、僕も多分かぶったと、、、。」
Cs、Srは、イオン化傾向を示さず、自然界では、非常に安定な物質=厄介、と自分なりに解釈しています。

明日は、忘年会、私にとっては、私への送別会です。
MLの限界、これで、放射性Csの話しは、止めます。

懲りない「よっさん」より。

12/25 神奈川の笹村さんから「勝因の研究」
あしがら農の会の笹村です。

 

このホームページは勝利していると思います。

むしろ勝因を考えて下さい。

 

雑草に負けていません。

少なくとも、笹村が関与する田んぼでは、このホームページの刺激で、

雑草に打ち勝ちました。ほぼ制圧しています。

理由は、このホームページから伝わった山ちゃんの言う所の時代性の確認です。

熱心な農家の方ほど、一国一城の殿さまで、教えたがりだが、学び下手。

それが研究者との距離。研究者は一般に、先生。

どこにも生徒のいない世界ですね。

 

ホームページでは自分の都合のいい事実だけを選びとればいい。

山ちゃんが大手靴屋にいい過ぎようが、しょうがないなーと聞き流して、

役に立つ玉ねぎの話だけを聞いておく。

農文協は、総体としては良くやってますよ

今度、農の会関係者が入社したので、おせいじです。

 

私としても、自分の特殊な雑草対策を、いかにも一般論のように書きました。

発言することで、あの暑い中の草取りを頑張れることになる。

どうにも田んぼ千枚、千通りのようだなあーと、最近は発言も控えておりました。

しかし、小田原では、菜の花除草の失敗から学んだ様なものです。

何故菜の花のすき込がだめか、試行錯誤しながら、自己流に草に勝利を収めました。

これで来年の草対策にも力が入ります。

 

放射能について、田んぼでいま起きていることは、千通りです。

農水の言う土壌からの移行係数は何の関係もなかった。

300キロ離れた小田原ですら、50ベクレルの土壌で、50ベクレルの汚染が起きています。

これは政府基準で乳児は食べれない値です。

(数値は出したくないのですが。しょうがないので)

来年の方が深刻になる可能性があるとみています。辛い。

 

それから、農業者は放射能について、少しなら安全とか言わない方が賢明だとおもっています。

もう科学を越えた状況です。それは政府がごまかしを続けた結果です。

いずれ、わずかでも減らす努力をすべきです。

それが消費者と連帯する道です。

 

1つは腐食質を多量に入れたら、吸着して抑えられる可能性。

もう一つがため池に一度溜めて、上水を田んぼに入れる方式。

いずれ水が問題ですから、雨が降った後など水を入れない。

ため池に溜まった放射能は、泥を集めて、穴を掘り埋める。

 

12/25 神奈川の今井さんから「玄米による被ばくをアルコールに例える」
神奈川県の今井です。
農産物の風評被害はなぜ、続くのかと考えています。そこで思いついたのが、被ばく
の程度が分かりづらいからではないかという事です。
 例えば、セシウム5ベクレルが検出される玄米を年間60キロ食べた場合、どのくらい
被ばくするのでしょうか?
 以下のサイトにベクレルをシーベルトに換算する方法が書かれています。
http://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=%E3%83%99%E3%82%AF%E3%83%AC%E3%83%AB%E3%81%A8%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%88%E3%81%AE%E5%A4%89%E6%8F%9B&source=web&cd=1&ved=0CCEQFjAA&url=http%3A%2F%2Fpanflute.p.u-tokyo.ac.jp%2F~kyo%2Fdose%2F&ei=o1j2TvraCsOSiQeQpfDHAQ&usg=AFQjCNFt7idHy9ULyLKTLY1oAFU52Espbg&sig2=Xc11w2eROI5R8TaMNnsMxQ
この換算方式だと玄米1キロ(セシウム5ベクレル)×60キロで年間300ベクレルのセシウムは10歳児で0.003mSV/年
になります。
 
放射能の基準値にはいろいろありますが、年間許容量を1mSVとした場合、0.003mSV/年はすごい低い数値だと思います。
しかし、消費者に「この玄米を年間60キロ食べても被ばくは0.003mSV/年ですよ」と言っても理解できる人は少ないと
思います。そこで、昨日の晩に考えました。
被ばくをアルコールに例えれば良いのではないかと。
私はアルコールが苦手なので、ビールをコップ半分100m?飲んだだけで、酔っ払います。
そこで、年間許容量1mSVをコップ半分のビールにしたとします。そうすると0.003mSV/年は0.3m?のビールに匹敵します。
さすがの私も0.3m?を毎日少しづつ、小分けして飲んでも酔っ払いません。というお話です。
書いていて思いました。やっぱり分かりづらい。

12/25 やまちゃんから「よっさんへ」
悲しいかなよっさんは、悲しいかなやまちゃんです。
 
「異議あり」なんてちゃちゃを入れたら、やっぱりさすがよっさんだとうなるようなのが返ってきました。
こんなしがないHPに首を突っ込んできて、それにとどまらずなにがしかものを言おうとする人は、
「阿保」ですが、ただの「阿保」ではないと思いました。
また、性懲りもなく、ちゃちゃを返したくなってきました。
 
ぼくは、こてこての「文系」ですので、的はずれの、あっちゃ向いてほいからのちゃちゃになります。
この「除草剤を使わない稲作り」というHPの敗因のいちばんは、
学者、研究者、そしてちまたの「指導者」層を仲間に取り入れることが出来なかったところにある、
そんなふうに、ぼくは思っています。
ごく一部の「変人」をのぞいてね。
今は神戸大学の研究室にいる伊藤一幸さんなんかは、「変人」のひとりです。
(たまたま京都で出合う機会があった時に、シンポジウムが終わったあと、
「山下さん、飲みに行きませんか」と声をかけてくれました。
たぶん、あの方は研究室に遊びに行ったら、時間が許す限り喜んで迎え入れてくれると思いますよ)
 
大半の「指導者」や研究者は、たぶんこんな風です。
例えば岡山の指導者は、友人が我が家を訪ねてきてくれる時に、ひっついて来てくれました。
そして、先行する岡山県での「除草剤を使わない稲作り」の研究の知見をたっぷり教えてくれました。
前代の岡山県知事の方針(施策)を受けて、かなり研究がされていました。(過去にね)
「その知恵、ぼくらのHPの試行錯誤に力添えお願いしたいなあ」と頼んだところ、
「農家どうしが頑張ってやっておられるのだから、
わたしら研究者が口を挟むなんて、余計なお節介と言うものでしょう。
農家同士仲良くやってください」
てな、極めて好意的なお返事でした。
おそらく、研究者、指導者の気分は、ほとんどがこういう風なものだろうとぼくは思っています。
 
さる高名な研究者の方が、
「抑草の決め手は土中のアミノ酸濃度にある」
(たしか?記憶違いがあるかもしれませんが)
というような趣旨の講演をされたと耳にしました。
そこで、ぼくは三顧の礼を尽くして、根拠を尋ねる手紙を送りました。
なしのつぶてでした。
近々姫路で講演をされるそうですが、主催者(友人)に、
「虫が好かん奴の話を聞くのはストレスになるからパスさせてください」
と頼みました。
 
また、同じ志を持つ研究者の方々は、それぞれ皆「一国一城の主」ですので、
わが城を築き上げ、勢力を拡大するのに一所懸命でした。
 
以上は、「除草剤を使わない稲作り」というちゃちなHPの敗因です。
「除草剤を使わない稲作り」という現場での、「今のところ」の「敗因」はもちろん違います。
自然の手強さに、まだまだ人知が太刀打ち出来てないからです。
雑草の方が、はるかにしたたか、だからです。
 
正直言って、夏の暑さの中で、「ああしんど」と思うような事が多くなってきました。
有機質肥料は重たいんです。
乗用とはいえ、暑い盛りに除草機に乗るのは大儀になってきています。
化学肥料をちょいちょいとふって、除草剤をぽいと放り込んでおくほうが、
化石燃料の使用量から言っても、エコかもしれないなどと考えることも多くなってきました。
支えているのは、「ここで投げ出したら男がすたるぞ」という意地みたいなものだけかもしれません。
 
ただ、ぼくは次のようにも思っています。
「悲しいかなよっさんの技術屋の限界」と同じように、
「悲しいかなやまちゃんの一介の百姓の限界」です。
だけど、このHPの仲間やぼくが、悪戦苦闘したり、試行錯誤している課題というか、苦闘は、
直接つながっていなくても、また具体的な声としてあがってこなくても、
共有している空気というものがあるはずだ、
「同時代性」とでも言えばいいのかな、
少し前に書いたでしょ、農業技術や農業機械は時空を越えてつながっているもんだなあって。
ぼくなんぞは、順調にいけば、あと10年かそこらでくたばるけど、
くたばらずに受け継がれていく空気というか、同時代性の課題というものがあるはずだ、
そういう風に思っています。
「じゃあ、それは具体的にどういう風に展開すると思ってるんだ」
などと聞かれると、歴史オンチで政治オンチのぼくには、全くわかりませんが、、、
 
よっさんには、やっぱり次のようなちゃちゃをいれてみたいです。
「一介の技術屋の限界と、同時代の限界をごっちゃにしたらあかんぜよ」ってね。
放射能汚染の問題は、たしかに重たいです。難儀を通り越しています。
しかし、セシウムの半減期はたしか30年くらいですよね。
沖縄の基地の問題や沖縄の人々の苦痛の半減期は、いったい何年になるのでしょうか。
また、わが列島の財政の問題や孫子に残したつけの半減期は何年になってくれるのでしょうか?
 
以上でーす。ちゃんちゃん。
 

12/24 岡山の林さんから「除染について」
皆さんこんばんは、
ドイツの再生可能エネルギーによる発電が20%に達し、原子力を上回ったそうです。つい最近、脱原発を政治決定した
ばかりだった。やろうと思えばできるということだ。ドイツが脱原発を決めたのは、原発の安全性への懸念はもちろんの事、
国際関係の急変、戦時やテロなどでは標的にされるとの政治判断があったようだ。
東電の電気料金が20%値上げされる。火力発電の燃料が、と言ってはいる。原発の本来のコストが経営に重くのし
かかってきた結果といってよい。
これからは廃炉費用などがかかってくるだろう。福島第1原発の廃炉費用は、東京電力に関する経営・財務調査委員会の
報告書によると、4基分で、1兆1510億円と見積もられている。しかし、スリーマイル島事故で実際にかかった費用をもとに、
米国会計検査院(GAO)が1986年に米議会に報告した額では、1基あたり150億ドル。今日の円ドル相場78円で計算すると
1兆2000億円となるから、日本ではとても安くできるという計算のようだ。スリーマイル島原発と福島第1原発の壊れかたは
とても単純には比較できない程だと思われるのに。廃炉に40年もかかるという。40年といえば、次の海洋性地震と津波が
やってくるのはほぼ確実なのだから、廃炉にするにしても高さ15メートルくらいの堤防はいずれにしても必要になる。
これらは計算に入っているのだろうか?40年にわたる壊れた原子炉の管理。利益は一切出ない仕事だ。
儲けの出ない事業を40年も民間企業が継続できるのだろうか?
研究費、設計・開発費には、過去に原子力関係予算がつぎ込まれた。原発を受け入れた自治体への交付金の財源も税金
だった。原発は安いと言われたが、これは本来のコストが、税金などに、つまり、つけが国民に回されていただけだった。
政治力のある東電はこれからの費用について公的な支援を期待しているに違いないが、公的債務230%の日本には財政
的な余裕などもうない。
除染には廃炉以上のコストがかかるかも知れない。関係者の間で、どの程度の除染で折り合いをつけるか、といった
話がされているのだろうか?そして、政府は除染が終われば、住民を戻すと言う。表土を剥ぎ取って除染しても再び山野から
放射性物質が流れ込んでくる。放射性セシウムや放射性ストロンチウムによる汚染のピークは地域によってはこれから数年
先にやって来るかもしれないのに、戻してはいけない。現在は日本の各地にホットスポットが形作られている途上だといえる。
放射性物質による汚染は雨の多いアジアモンスーンの日本では、チェルノビルとは異なった変遷を辿るに違いない。

岡山市
林 正弘

12/23 現代農業の瀬谷さんから「タマネギの結び方について」
山下正範 様

ごぶさたしてます。『現代農業』の瀬谷です。
このたびの鴫谷からの原稿依頼、どうぞよろしくお願いいたします。

それにしても、ずいぶん殊勝なことを言って頼んだんだなあと思って、1月号につ
いての山下さんからの愛に溢れた厳しいご指摘メール、今さらですが読んでみまし
た。

なるほど。たしかにチップソーの研ぎ方は、以前に山下さんに書いてもらったこと
のある内容だし、山下さんにはもの足りなかったのかもしれません。それについて
は言うことはありません。
でも、『現代農業』にはいろんな読者がいまして、この刃物特集、書店での売れ行
き、出だしはかなり好調なようです。

ついでにいうと、同じメールで山下さんが取り上げていた9月号の結び方特集、こ
の書店での売れ行きは、ここのところ一番だった「発芽名人になる」(2010年3月
号)や、トラクタ関連の何度かの特集号を上まわりそうな勢いです(ありがたいこ
とです)。

その結び方について、タマネギの結び方のことも書いてましたよね。
岩手の千葉美恵子さんを取材した記事のことと思いますが、これ、じつは私がやり
ました。
この記事については反省がありまして、細い白いヒモを、しかも千葉さんはそれを
二重にして使うものだから、結び方の写真が見にくかったですね。結び目がもっと
大きく見えるよう、写真のトリミングをきつくしないといけなかったなあ、と思い
ました。
もともと視力がよかったからか、私もここ数年で老眼がだいぶ進みました。
普及の人たちが今も昔もよく言われる「字が小さい」という感覚が共有できるよう
になってきました。

で、肝心のタマネギの結び方ですが、山下さんはこのやり方で実際に結んでみまし
たか。連続写真の手順では見づらくても、前のページの支柱を結んでいる図を見て
もらえば、わかると思います(結び方は同じです)。

この結び方、井原さんの結び方以上によく締まります。
だから、とくに便利なのが支柱を結ぶときで、図の@とEを両側にぎゅっと引けば
ヒモが緩まない。そのあと片蝶々結びをするのがとても楽です。

ただ、タマネギを吊るすには、左のページの干し柿の吊るし方(写真はニンニクで
すが、笑)でも十分かもしれません。
このやり方が、井原さんのタマネギの結び方ですよね。呼び方は、人によっていろ
いろでしょうが、今回の特集をやるにあたって調べたところでは「巻き結び」とい
うのが一般的な呼び方のようです。

巻き結びと千葉さんのタマネギ・支柱の結び方とは、二周目に回したヒモの挿しど
ころが違うだけです。しかし、簡単さでいうと巻き結びに軍配が上がります。タマ
ネギやカキを吊るすには、二つの輪を重ねて、その中に束ねたい部分を通せばいい
わけですから。

山下さんは、千葉さんのタマネギの結び方だと、「茎がやせ細れば細るほどしまる」
とは思わなかったようですよね。なぜかと思って記事を読み直してみましたが、そ
れは、ここが原因でしょうか?

>茎がしんなりしてから結べば、吊るしている間に落ちることはまずない。

書き方が悪かったかもしれません。これは、収穫したばかりのパリパリした茎(
(葉)だと、吊るした重みでヒモが締まるときにちぎれてしまうことがあるからだ
そうです。だから、茎がやせ細れば細るほど、やっぱり締まりますよ。

赤木さんのボウルを使うやり方が優れていることには異論はありません。ただ、千
葉さんのように三つずつ束ねていくやり方なら、作業のしやすさは、ボウルがあっ
てもなくてもさほど違いはないように思いました。

さきほども書いたように、『現代農業』にはいろいろな読者がいます。一本一本の
記事について、その人たちがいろいろな受け止め方をします。編集者としては、そ
れはすべて正しい指摘として受け止めなければならないと思います。
――というのは、百合田さんからの受け売りですが、山下さん、反論してくれる人
があまりいないそうなので、メールさしあげました(笑)。

鴫谷にきいたところ、「先日の叱責、肝に銘じております」なんていうほどのこと
は書いてないといってましたが……(笑)
それはともかく、原稿のほうはどうぞよろしくお願いいたします。
厳しいご指摘も、温かい言葉も、今後ともよろしくお願いいたします。

12/23 「農機技術やの限界」 黙らない「よっさん」より
やまちゃんさま

ご意見ありがとうございます。

まず、最初に、申し上げておきます。

何 Bq/kg が、どうのこうのと私が言っていますが、五感で感じた事が無いので、程度がどのくらいとの
認識は、持ち合わせていません。
世間で、通用している一般的な数値、線量計で、示したとされる線量です。悪しからず。

前回の投稿を要約すると、
あまりに濃縮してしまうと、素人が処分(捨てる)することすら出来ない物になってしまう。
と、言うことです。「笑えない話」に例を挙げました。

水が溜まる低いところにCs は、集まってくる。高い所、周りの山、田畑、平地からですよね。
砂地の田からは、水稲への移行が高く、粘土質の田からは、そんなに吸収していない。

と、一般には言われています。どうも、ある程度の大きさをもった、形態ではないかと想像しています。

水に濡れ、乾き、又、水に濡れ、乾きを繰り返していると、濃縮されてきて、いわゆる、ホットスポットが
できるのでしょう。周りの40倍位の線量になっているとも。
稲藁、落ち葉などがそれでしょう。ため池等がそれでしょう。

技術的には、水の力を借りるのがエネルギーを使う量が少なくて済む。
水溶性である事を利用し、会所を作り、そこで集め (濃縮です) 対処する。
底に珪藻土等、多孔質な物質を敷き、沈殿したCsを吸着、汚泥として、隔離。
水は、「日本ポリグル」さんが生産しているような、凝固材でゲル状に吸着、凝固、沈殿させる。
鉄系の物質をからませ、電磁石で、集める、隔離する。
ここまでは、やろうと思えば出来るのですが、どこに処分、捨てることができるのですか?
と、書いたつもりです。

もって行き場のない、廃棄物は、自分で、自分の周り、人から、できるだけ遠くに隔離して、
近寄らないのが一番確かに自分でできる方法だと思っています。
10,000Bq/kg もあるような廃棄物を一般の人から受け取ってくれるような状況には、なっていません。
現実に、私が、調査した結果のように、都心近くでも、水路、水の流れで、ホットスポットが、出来
それに、気が付いてきたという段階だと、思います。
5,000Bq/kg を超えるような所の処理は、公的にやってもらうことが、ベストだと思っています。
大量にエネルギーを使うと言ったのは、水からCsを分離する事にエネルギーが必要と言ったのです。
太陽熱で自然に乾かせば、エネルギーを使ったとの認識が薄れますけど。
最終、ノルウェーの地底へお願いしますか?
それとも、日本の近くの海溝深く沈めますか?
私の技術やとしての、限界、何も出来ないという現実を思い知らされたわけです。
濃縮して、集めて、隔離するとの方法しか思い当たらないのです。
後は、どういう方法でやってのけるかの問題だけです。

関東の農家さんは、落ち葉から、腐葉土を作れないと言います。
数ベクレルでも、検出したら、農作物の出荷はしない。と、おっしゃいます。
子供には、食べさせられない。わしら、年寄りは食っても、、、。
と、実際にその言葉を聞きました。

岡山の、一、中小企業が徐染の調査を始めた契機は、農機具やさんで何か出来ることはないかで、
始まったことです。

だから、悲しいかな よっさんです。

12/23 やまちゃんから「よっさんに異議あり??です」
よっさんと初めて顔を合わした時、赤木さんが来たんと違うかと思ったくらいでした。
おしゃべりがそっくり。例の軽い(失礼!)岡山弁で、声のトーンもそっくりなんです。
そんな思いで見ていたら、顔まで似ているような気がしてきました。
 
よっさんの仕事ぶり、さすがよっさんやなと拝読しました。
しかし、しかしですよ。ちょっと疑義をはさみこみたくなりました。
ぼくの物言いは、時々相手を有無を言わさず黙り込ませてしまうようなところがあるらしい。
奥方が常々言います。
「父ちゃんの物言いは人に威圧感を与える。それをようく自覚しておいた方がいい。
父ちゃんに文句を言ってくる人がいないのは、上からびしっと決めつけるから、
言いたくても言えないだけだ、みんなあんたのことを怖がってる」と。
なんべん反論しても、この見解を変えてくれない。
だから、よっさん、黙り込まないでね。
 
昨日、現代農業の若き編集者から原稿依頼のメールがありました。
「野菜苗の定植法について」です。
「先日の叱責、肝に銘じております」てなことが書いてありました。
「はははは、、、了解しました」と返事しました。
さて、どんな構成にすればいいのか、ぼくが考えるより、
編集者に考えさせて、それからそのストーリーに乗って書いてみようか、
最初そんな風に考えました。
一晩寝て、朝目が覚めて、ぼーっとよしなしごとを考えているうちに、
「思いつくこと、試行錯誤の過程など、なんでもメモ風に書き殴って送ろう。
それを編集者の目から見て、取捨選択、再構成してもらおう。
それがいちばん楽だ」
と言う風に思いました。
 
その朝の目覚めのよしなしごとで最初に出てきたのが、よっさんへの疑義でした。
 
大量のエネルギーを使い、放射性物質を濃縮するだけだとね。
濃縮すれば、するほど、危険な物質となるわけです。
で、危険な物質をどうできるというのですか?」
 
この部分です。
たしかに扱いが難儀な物質を造り出してしまいます。
だけど、
「で、危険な物質をどうできるというのですか?」
ということで、投げ出してしまったら、おしまいよ、
と言う風に思ってしまうのです。
 
岡山の一中小企業の手に余る、
そんなものに手を出しても企業メリットにはならない、
そんな提案を出してくるような社員はただ飯ぐらいだと言われてしまう、
まだまだそのレベルの話ではないでしょうか?
やったって腹の足しにはならないけれど、まだまだ伸び代はありそうな気がするんですが、
いかがでしょうか?
 
わが奥方は、僕よりはるかにエコです。
ぼくは「花より団子派」で、時々毒入り団子を食べてしまうようなへまをやります。
奥方は「団子の中味が大事なんだ」と思うタイプです。
その奥方が言います。
「福島近県の方の苦痛や、恐怖はわかるよ。
だから、最後になったら、わたしら放射線たっぷりキャリヤ組にまかせなさいよ。
とうちゃん、あんたももうええ年やから、ちょっとくらい浴びても悔いはないでよ」
まあ、これはだいぶ誇張した紹介の仕方ですが、、、
 

12/22 岡山のよっさんより「笑えない話」
国のひまわりの移行係数の発表が有ったころの話です。
ある農家さんが、腐葉土を作ろうと、落ち葉を山から持って帰りました。
放射性Csが、9000Bq/kg  以上あり、腐葉土を作ることをあきらめました。
捨てようと、処分場に持ち込むと、放射線量が多く、受け取りを拒まれました。
で、どうしたと思いますか?
恐るべし、混ぜ物をして、kg あたりの線量を減らして、捨てさせてもらったとの事です。
皆さんは、お解かりですよね。
決局、総量としての物質は、処分したのですよ。
そんなことをしなければ、捨てることもできないのです。
濃縮すると、素人の我々が手を出せなくなるのです。

大豆は、移行係数が大きい作物のようです。
Csは、水溶性なので、油を抽出しても、油には含まれないそうです。
水と油は、混ざらないのだそうです。

昨日の追加の話です。

よっさんより

12/22 茨城のすずき産地から「Re除染」について」
ちょっと思い出しました。
今年の田植えの前、あまりアナウンスはされませんでしたが、
農水省では代掻き後の田水は排水しないようにというのが公式の見解でした。
環境汚染を防止するためだということでした。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
すずき産地
http://www.suzuki31.com/
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

12/22 「除染」について よっさんより
除染について、私は、仕事柄、ひまわりの除染について、調べていました。
福山の近中四農研にも足を運び、稲葉先生のひまわり除染の集まりにも参加し
てきました。
ひまわりは、栽培しにくく、雑草に弱く、鳥害もうけやすいので、同じキク科
のセイタカアワダチソウを
栽培、その排他的植生を生かせば、他の植物を寄せ付けず、収穫もしやすい。
また、放っておいても、30年もすれば、ススキの植生に負けて自然消滅してし
まう。
そんなことも考えてみました。
また、どのように放射性セシウムがなっていくかと、推察してみました。
決局、水に溶け海に流れていくのだと考えました。
で、じゃあ如何するかと考え、田んぼの入り口、川の入り口、ため池(湖)の入
り口に会所マスを作り、
そこに、ホテイアオイを栽培し、カリウムを吸収するかわりに、セシウムを吸
着させようと、関係機関
を訪問しました。
奈良県農総セにホテイアオイで、ため池の浄化を研究していた先生がいらした
ので、面会に行き、
私の考えを聞いていただき、研究成果を教えていただきました。
ホテイアオイの栽培法、これは、フラワーネットにホテイアオイを栽培する方
法でした。

真剣に、ネットの回収機を考えましたよ。
ただ、回収後ホテイアオイをどうするか考えたとき、気がつきました。
大量のエネルギーを使い、放射性物質を濃縮するだけだとね。
濃縮すれば、するほど、危険な物質となるわけです。
で、危険な物質をどうできるというのですか?
ここで、気違い沙汰の、本音を言います。
水に溶けて、流れて、海で薄められたらいいのに、、。
そんな事を国家の上層部は思って、なにもしないのではと、思っています。
除染と称して、自分の周りの濃度を下げるのに、高圧洗浄機で、洗い流すので
すよ。
岡山県では、児島湖の浄化で、ホテイアオイを研究していた、岡大の女性教授
がいらっしゃいます。
でも、水分を多量に含んだホテイアオイでは、どうにもならず、また、腐ると
匂いがひどい。
水に溶けた、セシウムを吸着するのには、納豆由来の吸着剤があります。
でも、結局は、濃縮するだけなのですよね。それから先どうできるんですか?
そんな結論を会社に提出し、幕をひきました。

決して、水の事を考えなかったわけではありません。
最後に水溜りに放射性セシウムは、濃縮されて残留するということは、わかっ
ていました。
カリウムの過剰施肥くらいしか、為すすべがないのではと、思っています。

すみません、悲しいかな  岡山のよっさんです。

12/22 千葉の高柳さんから「Re大豆の断根栽培について」
高柳@おかげさま農場、千葉です
 みなさんお久しぶりです。
ちょうど大豆の収穫をしてましたので私の大豆栽培の話を少し。

断根栽培のことですが、私は断根栽培をしたことはないのですが、育苗での経験です。

私の場合4尺位のベッドをつくり種蒔きしました。
そして本葉5.6枚から10枚位の時に(かなりいい加減です)無造作に引っ込抜きその
まま植えるというものです。根っこがつこうがつかないかどうでもいいという感じです。

それでそのまままた無造作に畑に植えてほぼ活着します。
 そうすると直まきよりはるかに実の付きがいい、と言う経験をしています。
ちなみに今は直まきです。虫害を避けるために種蒔きを7月中旬に行うので、その時期は
忙しいのでごんべえでゆっくりの機械蒔きでやりました。
 今年は7月上旬は干ばつの様相で雨を待っていて遅くなり、台風が来てようやくその後に蒔きました。
7月の28日頃だったと思います。で、1反で350kgの収量になりました。ちょっと穫れすぎです。
自家用の味噌や醤油、きな粉をつくっていますが、ちょっと余るかな、という感じです。

12/22 兵庫の服部くんから「Re大豆の断根栽培について」
菅野さん

山下農園の服部です

断根栽培、成功の分かれ目は育苗段階にある感じですね。(どの作物にも言える事かもしれませんが)
先日も書かせていただいたのですが、僕は発芽段階で青大豆が全滅しました。
2回播いて2回とも全滅。一方でもち大豆と黒大豆はカビが出つつもしっかり発芽していました。
今のところ、種の品質か、品種の特性(水やカビに弱いなど?)くらいしか思いつかないのですが、
何にせよ発芽で歩留まりの差が出るなと思っています。
定植した苗もも最終的には2〜3割ダメになっていたので、
もう少しきちんと根付かせてやりたいところです。

育苗土についてですが、今回の籾殻入りの土は完全に妥協の産物です。
自分でやっておいてなんですが、生の籾殻を入れるのはあまり良くない気はします。
それでも籾殻を入れたのは、うちの近辺は基本的に水田土壌で、
振るった土だけでは締まって水はけが悪いだろうと苦し紛れに混ぜただけでした。
結局、紛らわし程度で水を吸う度にしっかりと締まっていきましたが…

肥料分については、前年、なすびを作っていたあたりの土で、
それほど肥料分が残っていなかったのかもしれません。
少なくとも育苗段階では籾殻以外は混ぜていません。
当時、土の養分のことまでは頭になかったので、それほどいい土ということはないはずです。

育苗に際して、最低限、気を遣っていたのは水分です。
128穴のプラグトレイで育苗したのですが、
挿し木の時は、作業性の事もあり、先に十分に灌水してから行いました。
水を吸って土が軟らかくなり、苗が刺さりやすくなります。

苗は基本的に双葉ぎりぎりの所まで(プラグトレイの底まで)差し込みましたが、
たまに茎が長いもの、土の抵抗で差し込みが浅かったものはしおれやすかったです。
ただ、定植時の土寄せやその後の生育(特に着花の高さ)などを考えると、
少し長めに取った方がいいのかも…とも思えます。

それ以外で不安があったのは、切断時に使うハサミくらいでしょうか。
切断面から変な菌などがつくと嫌だなとは思ったのですが、特に気を遣わずやってしまいました。

あとは、発芽後の緑化が十分だったかどうか、なども影響はあるかもしれません。
僕は、時間をおきすぎて、本葉2枚目が出始めている苗もあったので、
逆に発根が鈍っていないか心配でした。

思いつきばかりで申し訳ないですが、
とりあえず養分関係以外で、もしかしたらと思える要因を挙げてみました。

服部宏輔

12/21 神奈川の笹村さんから「小田原の放射能対策」

小田原の放射能対策が少し見えてきたので報告します。

 

昨日、Tウオッチから井上氏が見えて、田んぼの放射能の勉強を行った。水田の対策の方向が見えた。玄米で1キロ当たり20ベクレルの田んぼが、3ベクレルまで、つまり放射能を7分の1に削減できる事が見えてきた。田んぼの入口に溜池を作り沈殿させてから、田んぼにうわ水を入れる方式である。来年はTウオッチとこの方法の共同実験を行うが決まった。玄米を放射能で汚染しているのは、空気でも土壌でもなく、ほぼ「水が大きな要因」であった。その水の汚染も、機械で測定できるようなレベルではない、極めて薄いものである。これは福島での500ベクレルを越えるお米の田んぼを地形的に観察すれば見えて来ることでもある。共通に谷戸田である。背後の山に大量の放射能が降り注ぎ、現在も落ち葉や腐葉土や土壌や樹木や、草木に吸着され存在する。それが様々な形を経て水に紛れこみ流れて来る。それを稲は養分として吸い上げてしまい、玄米を汚染する。米は土ではなく水で作るという昔からの言い伝え通りである。

 

農水省の予測した、土壌汚染から移行計数は、大きな目安にはなったが全体の放射能を削減するためには意味がなかった。水への注意を喚起しなかった責任は大きい。農水省は稲藁からの牛肉汚染に次いで、2度目の失態である。こうして農水省が失敗を繰り返す原因は、放射能に正面から向き合おうとしないからである。放射能については、科学的に向き合う以外ない。一方、消費者も0が望ましいことは分かるが、日本の農業を守るということは、自分達の暮らしを守ると言う事だと理解する必要がある。自分だけがシェルターに逃げ込むべきではない。ある程度の許容範囲を妥協すべきだ。そして、地域の消費者と生産者が、本音で話し合うところから始める必要がある。消費者は01ベクレルでも危険だとするような拒絶的な前提を持たないこと。生産者はできる限りの努力をすること。その上で、どの範囲なら妥協が可能かの両者の話し合いが必要だろう。それは地域基準であり、統一基準ではない。

 

厚生省の放射能の基準から暫定がなくなり。おおむね食品はセシューム100ベクレル。乳幼児は50ベクレルと言うことのようだ。何故か私の以前からの主張と同じである。井上氏によると有機農業ではその10分の1になる10ベクレルと言うものが、小川町のグループでは提案しているそうだ。これも一つの見識であろう。現在、だいたいの地域で野菜においては10ベクレルを越えることは無い。キノコや芋類は別。強調したいことは稲作においては、来年の方が汚染が高まる可能性が出てきた。それは山から流れ出る水が原因だからだ。広大な山を汚染した結果、それが次第に海に流れ出ることになる。上手く対策をして耕作しないとお米の汚染は来年深刻なことになる。降り注いだ直接の土壌汚染については来年は減少している。しかし、水の汚染はむしろ深刻になる可能性もある。福島の河川の河口付近の空間線量が高くなってきていることは、川や地下水を通して下流域に流れ落ちている事を表している。

 

今年の段階での玄米では、久野川では上流部の田んぼのお米の方が、汚染濃度が高い。お茶では3000ベクレルを越えた、坊所川の水系は比較すれば低い。集める水の流域の大きさの違いであろう。また、酒匂川の流域の玄米はかなり低い。また、曽我山からの水を使う田んぼも汚染はほぼない。しかし、曽我山の腐葉土もそれなりの汚染であることは確認しているので、今後も全く問題がないと言えるかはまだ不明。もう一つ分かったことは、玄米と白米とを比べると、5分の1に成っている事だ。米ぬかと玄米を比べると、8倍と言うデーターもあるから、当然である。当面、健康を考えたら白米と言うことになる。稲藁やもみ殻は、玄米の10倍と言うことらしいが、これを田んぼに戻すべきかどうかは、まだ不明要素が多数あり、結論は出せない。腐植質がセシュームをつかむという考えもあるがどうだろうか。

*測定値については、公表すると思わぬ悪意と思える使い方をされるので、公表していません。ただし、農の会ではデーターをすべて公表しています。必要な方は個別に問い合わせていただけば、お教えします。

 

あしがら農の会 笹村 出

12/21 広島の菅野さんから「Re大豆の断根栽培について」
広島の菅野です。
服部さん、貴重な栽培報告をありがとうございます。
収穫までたどり着いただけでもすごいです。
僕の場合定植までいたらなかったので、断根栽培の出来不出来の判断は出来かねますが、従来の栽培方法の倍以上の収量が可能という点に色気を出して挑戦してみようと思ったしだいなので、増収の可能性があるのではというご指摘は来年の励みになります。
ただ今年のように全部をその方法でやるのではなく、従来の直播方法とかねてやってみようと考えています。
自家消費用の味噌は欠かすことが出来ないので、今年は近所の農業法人から、色選落ちの大豆を分けてもらうことにしました。来年は失敗できません。
それにしても、何故さし木段階で全滅したのでしょうか。服部さんの賠土も籾殻を加えらてはいるようですが鹿沼土のような無肥料ではないようですが。

12/19 兵庫の服部くんから「大豆の断根栽培について」
はじめまして。山下農園で研修中の服部と申します。
一月ほど前、広島の菅野さんから、大豆の断根栽培についての投稿があったと思います。

僕も、例の記事と昨年知り合いがちょっと試してみてよくできたという話を聞き、
一部、断根苗を使って栽培してみました。
先日、やっと大豆の脱穀を終えたので、栽培状況などを簡単に報告させていただきます。

作付け面積は、山下さんの休耕田を間借りして、5畝ほど。
断根苗は、全体の1/3強くらい使用しました。
品種は、もち大豆を中心に黒豆1畝ほど、茶豆が少し。

大豆の栽培は初めてだったのですが、収量はそこそこあったみたいです。
きちんと量っていないのですが、未選別の段階で
もち大豆が約100s、黒大豆が約30s、茶豆は5s弱くらいでしょうか。

まず、菅野さんからも投稿があった育苗ですが、
僕は育苗用の土が切れてしまって、粘土質の畑土に籾殻を混ぜて使いました。
そのため、肥料分過多は無かったのではないかと思います。
菅野さんと違い、発芽段階でカビたり腐ったりした豆が結構出て、
ここで青大豆は全滅しました。
挿し木後はそれほど問題なく発根活着し、定植を迎えました。

当時は雨が多かったのであまり気にしませんでしたが、
活着までは、直射日光を避けた方が無難ですね。
また、発芽〜土中緑化までの段階で、
土の代わりに籾殻など使えないだろうかとも考えています。
やはり、カビや菌の心配があるのでそれほど良いアイデアではない気もしますが…

定植後についてですが、実は厳密に岩澤方式では行っていません。
主に施肥になりますが、控えめかつ適当です。
先に感想を書かせていただくと、断根よりも早期摘心の方が実用性が高そうでした。

というのは、
まず、育苗〜定植が結構な手間だったと言うこと。
それから、今回は施肥を控えた事もあり、
着果について、直まき畝と断根畝、また直まき無施肥畝で、
それほど大きな差は感じられませんでした。
差が出たのは、草丈の高さです。
断根苗は草丈低く、密度の高い株になります。枝も細めでした。

施肥を控えたのは、太い株になると、
脱穀を含めた収穫作業や後片付けが大変だろうと思ったからです。
収量と作業性、どちらを取るかですが、僕は作業性を重視しました。
収穫を終えてみて、一先ず正解だったかなと思っています。

一方で、早期摘心ですが、
苗が小さい時に一気に摘心し、その後は放任で着花はかなりよかったので、
直まきでも十分に応用が利きそうです。
ただ、株もと付近から実がつき始める傾向があったので、
収穫時に刈り払い機で引っかけたサヤが結構ありました。
発芽直後の鳥獣害などのリスクも考慮して、本葉2節目くらいの摘心でもよいかもしれません。

収量に関して、今回は投入窒素や断根苗よりも、
山下さんの田んぼの土質、土壌の効果が高かったのではないかと考えています。
つきつめれば、断根栽培による多収は十分に狙えるように思えましたが、
刈り取り、脱穀の手間や労力はかなり増大するはずです。
特に、機械を使用する場合、トラブルのリスクをかかえてまで挑むのは、
それなりの覚悟が必要ではないでしょうか。

来年も一部断根栽培はやってみるつもりですが、
施肥はやっぱり控える方向で、タイミングなどをもう少し考えたいところです。

個人的には、岩澤式断根栽培は現代農業2010.7月号でも紹介されている、
「大豆30株で味噌10s作ろう」という方向で利用するのが無難だと思います。
ある程度の規模で作るなら、細い枝で沢山実をつける方法を模索してみる方が面白いかもしれません。

だらだらと長文失礼しました。

服部宏輔

12/18 すずきさんちへ 「お礼」 よっさんより
すずきさん、ご意見、ありがとうございました。

やはり、板のようなものでは、効果が目に見える程では無かったのですか。
貴重な経験をありがとうございました。

人から、枕地ローターも抑草効果がある、50%位抑えれると聞き及びましたので、
考えに及んだ訳です。
また、動力をローターに伝えるのに、コストがかかるので、籠車か、チェーンか
非動力の攪拌する仕掛けが無いかと考えていました。
また、田植え同時散布の糠撒きも考えに入っていました。
それと、今までの、皆さんの代掻き後、何日で、除草に入るのが良いのか
投稿を平均してみると、代掻き後、4〜5-6 日目に攪拌をすると、抑草効果が
あるのでは、と、推測した次第です。
ようは、株間除草が機械でなかなか旨くできないので、二回目代掻きを高速で
ローターを回し、表層部を耕転する、泥水を作るような作業で、フロートより前
で、株間をやっつけたらと思ったのです。で、同時田植えだったのです。

では、また。

岡山のよっさんより。

12/18 茨城のすずき産地から「REよっさんの考察について」
名前を思い出していただいたようなので、しゃしゃり出てみます。
よっさんの提案と同じ意図だったつもりだけど、こんなことをやっていました。http://www.suzuki31.com/nocus/2005/05/20.html
上記の冒頭に、
 > とあるメーリングリストに投稿した自慢話?です。
と添え書きしてあるので、すでに当時、このMLでも報告済みのようです。
何年かやってみたけど、植え付けのとき、泥水を押してしまう量が多くなってしまったようなので、その後、やめましたが。

さて、余談。

 > とくに東日本で有機農業をやってきた皆さん。

ちょっと大人しすぎませんか?
下記3本合わせると1時間半ちかくなってしまうけど、
ま、時間のムダづかい
http://www.youtube.com/watch?v=4F92sRpFyK0
http://www.youtube.com/watch?v=lPSw-XPYnLg
http://www.youtube.com/watch?v=BHjqRw9WQxY

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
すずき産地
http://www.suzuki31.com/
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

12/18 やまちゃんから「よっさんの考察について」
よっさんの考察は、とても示唆に富んだおもしろい考察だと思いながら、拝見しました。
小生は、奥方から「あんたは最近騒々しすぎる」と「口にチャックを命じられています」ので、
事細かには、また後日書かせて頂きたいと思っていますが、少しだけ。

「百姓はバカでは出来ないね」とよく言われましように、
よっさんと同じような発想の試行錯誤は、僕が知る限りでも何人かの方がやっておられます。
反応しないのではなく、息をひそめてじっと沈思黙考しているだけです。
2月ほど前によっさんがわが畑に遊びに来られた時に、二人で交わした言葉がありますね。
ぼくが、マルチに植えたニンニクの砂入れ抑草法を紹介した時、
よっさんが、「これと同じことは落花生の植え付けの時にすでにやっていますよ」と。
またもみ殻を使用した長ネギの土寄せを見ていただいたときに、
よっさんは、秋田での先例を教えてくれました。
それが、マルチを使った軟白法に発展していったんだと。
その時、僕は次のように言いました。
「ティラガモに使われている羽根車、すごいことを思いついたもんだなあと感心していたら、
すずき産地が送ってきてくれたお便りによって、
昭和初期に北海道で同じような手押し除草機が使われていて、
それが農具博物館に展示されていることを知りました」
「やったあ、おれはすごい発見をしたと思っていたことは、
ちょっと違った形で、先人がすでにやっていたことなんです。
自分は、それを継承発展しただけなんです」
「農業技術や、農業機械(農具)の歴史って、そういうものなんでしょうね」

奥方は、パソコンと無縁の人間ですので、禁を破って口のチャックをはずしても、
見つかりっこないのですが、霜対策やらなんやらでバタバタと小忙しいもので、
今日はここまでにします。


12/14 やまちゃんから「やったあ」
今日のこと。
「この看板、売ってもらえる?」
「うれしいなあ、ところでおばちゃん、顔は知ってるけど、どなたさんでしたか?」
「○○よ」
「ありがとう、おばちゃんがいちばん最初や、自分から買ったげると言ってくれたのは」
「違うわよ、昨日△△さんのところに行ったら、看板が置いてあって、
これあんたが書いたの?おもしろいね、と言ったのよ」
「そうか、△△さんが一番最初に自分で手を挙げて買ってくれたんや。
おばちゃんは二番目や。
村の人は、なかなか自分から最初に手を挙げてくれにくいやろなあと、長期戦を思ってたんや。
やっぱり女の人や、女の人の方が強いなあ。うれしいなあ、ありがとう」
 
という次第で、9枚目が嫁入りしていきました。
 
さて、余談です。
先日アルミコンテナ運搬車の写真を載せたでしょう。
貼付の写真は、その箱をおろしたところです。
全部ビス止め仕様ですので、近々3枚(プラス差し込み板2枚)に分解されます。
ドリルドライバーは、かつては充電式(コードレス)を使っていましたが、
充電池がすぐバカになるので、今は2500円の安物のコード式を使っています。
別なインパクトドライバーもやっぱりコード式の安物です。4000円?

12/14 岡山の林さんから「霜対策」
皆さんこんばんは、
私は最近、Skype電話の契約を変更して月に120分かけられるものから400分/月に変更しました。(Skypeは最近Microsoft
に買収されましたが、サービスは以前と同じです。料金の引き落としもルクセンブルクになっている。)SkypeのようなIP電話は
海外の固定電話や携帯電話に市内通話よりも安価でかけられるので重宝しています。相手がPCなどを持っていれば、中国
ならばQQが無料なので妻がよく利用しています。

こちらは今年は暖かい冬です。最低気温も-2℃くらいまでしか下がりません。霜が降りても、日中は日照があればニンジン
の葉も復活して、今はまだ青いままです。今日はニンジンの収穫をしているとスズメバチが私の周りを飛び回っていました。
餌を探していたようです。来年1、2月は寒くなるとの予報です。以前、山下さんがメールに書かれていたように、霜対策が
できればかなりの野菜を遅くまで栽培できると思います。霜は放射冷却によるものだから、地表温度付近の波長の赤外線
だけを反射できるシートがあればいいのですが。蒸着タイプのシート資材を夕方かけておき、朝方それを取り外すというのは
効果があるけれど、手間が煩わしい。面積が広いと不可能です。霜が降りる日というのはよく晴れているから、日中は空気が
通らない資材では温度が高くなり過ぎるかも知れない。

林 正弘
岡山市

12/12 岡山のよっさんから「一回目の除草」
除草ネットの皆さん、久しぶりに、よっさん登場です。
11/26日には、稲葉先生の講演会に出ることが出来ました。
除草、皆さんのネットワークの真髄ですね。
お話を聞いていると、

代掻きして、一週間もすると、草が生えてくる。
だから、田植え前、3日前に代掻きしなさい。
初回の除草、最近は、チェーンを引っ張る方の記事が多いのですが、
田植えしてから、3日後位が、調度良い。
ただ、ポット苗ならできる仕業ですが。
何故なら、草の種が、芽吹いたころを狙って、土を攪拌するのだと。
そうすると、抑草効果が、上がると。
まぁ、このように、理解したつもりです。

そこで、「よっさん」からの、提案です。

◎ 代掻き後、4〜6日目に、田植えをしたら如何かと、思っています。
   但し、仕掛けが必要と、思います。
   田植え機のフロートより、前にチェーン除草部、もしくは、除草具
   を取り付け、田植えしながら、同時に株間、条間を問わず、全面、
     土を少々、掻き混ぜる。
   苗が、ヨタヨタするほど、凸凹にしない程度とします。

これで、一石二鳥、田植え同時除草(抑草)が出来ると思いませんか。
二回代掻きも、しなくて済むかも知れません。
水を張りすぎて、苗が旨く植えれず、スピードを落とさざるを得ない事
にならずに済むかも知れません。
但し、一回目の除草のみの効果となります。
二回目があるとしたら、少しで済むかも知れません。

また、米糠、有機酸等とのコラボは、考えられますか?

以上は、私の推測で、書いています。あてにならない処方かも知れません。
が、実験植えをしてみないと、判りません。

どうぞ、シロートのサラリーマンの戯言に、ご意見くださいませ。

岡山の「よっさん」より。

12/11 やまちゃんから「百姓の冬装束(最終回)
やっとゴールまでたどりつきそうです(笑)
今日のは短くてすみそうです(大笑い)
 
頭は、いよいよ寒くなって、北風がびゅーびゅー吹き始めたら、
耳フード付きの帽子をかぶります。
上半身は、タートルネックのセーターを着て、
裏フリース付きのジャンパーを着ます。
L、2L、3Lと三つのサイズのジャンパーを持っています。
ついこの間まではLサイズのジャンパー1枚着ていました。
先日からL、2Lのジャンパーを重ね着しています。
身体が温まってきたり、おひさまが出てきて汗をかき出したら、
2Lサイズのジャンパーを脱ぎます。
いよいよ寒くなってきたら、ジャンパー3枚重ね着することがあります。
 
ズボンの方は、3年前までコールテンのズボンをはいていました。
2年前にホームセンターで裏フリース付きのズボンを見つけたので、
それをはきはじめています。コールテンはお役ご免になりました。
http://www.monotaro.com/g/00280553/?displayId=20
コールテンよりずっと暖かいのです。
Lサイズが、ぼくにちょうどぴったりで裾上げせずにそのまま着れるので喜んでいます。
 
手袋は「ソフキャッチ」というおたふく手袋の天然ゴムの、手の甲の部分が空気を通すやつ、
(なんちゅうやつやったっけ?名前が出てこん)
水仕事をする時は、ダンロップのデジハンドという手袋を付けています。
厚手なのにけっこう手先の細かい仕事も出来ます。
おかげでしもやけにならなくてすむようになりました。
 
ふーっ、やっと終わった。

12/9 やまちゃんから「百姓の冬装束(続)」
 さて、本題に入る前にもう一つ余談を少々。
裏フリースのジャンパーやズボンの話をしようと思っているのですが、
なかなか前に進みません。テンションが高いもので、もう少しおつきあい願います。
 
昨日、雑誌「現代農業」が届きました。
メインテーマを見たら、「農の仕事は、刃が命」
道具好きのぼくは「おもしろそうやないか」と早速読み始めました。
だけどね〜、
半分は二番煎じ、あと半分はマニアック(つまりマニア的な人間しかしないという意味でいいのかな?)
「古いチップソーが笹刃に変身」という森野さんの記事、
森野さんは顔を見たことないけど、まんざら知らない人ではない。
だけど、そんなこと10万人以上の読者の誰が真似するねん。
こんな記事を雑誌に載せるなんて、森野さんの責任じゃなくて、編集者のセンスが疑われるわ。
今どきは、百均の世の中でっせ、ホームセンター全盛の時代です。
ホームセンターばかりになって、地元の道具店が潰れていくのは見るに忍びません。
しかしですよ、
「刃物やさんに教わった刃物の研ぎ方の記事」、勉強になります。
勉強にはなるけど、板前さんじゃあるまいし、
ホウレンソウや、ハクサイを切る包丁に砥石を使ってどないするねん。
400〜500円出したら、粗めのダイヤモンドヤスリ(シャープナー)が売っています。
軽トラに積んでおいて、収穫前にそれで数秒ごしごしやったらじゅうぶんです。
まあ、ぼくは安物の(3000円ほどの)低回転のディスクグラインダー(プラスダイヤモンド砥石)と併用していますけどね。
高知の桐島さんが、岡恒のハサミを誉めておられます。
岡恒のハサミはぼくも使っていますし、悪くはないと思っています。
しかしですよ、岡恒のハサミを誉めるんだったら、
もっと徹底的に数社の新品のハサミを用意して、
「暮らしの手帖」がやったような製品テストをやるべきです。
ぼくも「力王」をくさしました。
それは、ちゃちなマイナーなHPだからやれたんです。
また、力王が地下足袋メーカーのドン的存在だからやったんです。
あぐらをかくなよ、って。
それから、ついでだから言ってしまおう。
今井さんは、すごくセンスがよくて、ぐんぐん力を付けてきています。
だからこそ、今井さんを吉本興行的な使い方をするのはくれぐれもやめてください。
チップソーのとぎ方の場面で、今井さんに
「感覚がつかめてきました」
なんてことばを言わせないでください。
 
昔々、現代農業から原稿依頼があった時に、
ぼくが「誰もこの件について反応がなかったから、駄目ですよ」と言ったら、
担当者が、
「農家は反応しないものなんです。
農家が(表面的に)反応しようと、しまいと、いいものはいい、駄目なもの駄目、
それを見極めるのが編集者の仕事なんです」
と、やり返してきました。
ぼくは、目が覚める思いで、その女史のメールを読んだものでした。
 
昔々、ぼくはその雑誌のセールスをやっていたから、わかるんです。
雑誌というのは、単行本と違って失敗してもいいんです。
その失敗を糧に、次の企画でそれを取り返せばいいんです。
リターンマッチがきく世界だと思っています。
また、読者は900円払って、ひとつでも自分の身に付くものが発見できれば元が取れると思って購読しています。
先々月か、ヒモの結び方特集の号で、
南さんの「自転車古チューブの再利用」はよかった。
それまで大型トラックのタイヤのチューブをもらってきて、使っていたのですが、
自転車チューブの方が、柔らかくよく伸びるので、使いやすい。
ただ南さんの切り方は、独創的すぎて、むずかしかったので、
ぼくは、チューブに平行に3本に切り分けて、使うようにしたら、めちゃ便利でした。
ただ、注文を付けるなら、タマネギの結び方、
赤木さんが、台所のボールを活用して無理なく結ぶことが出来るとか、
井原さんが「野菜作りビックリ教室」の中でも披露していますが、
茎がやせ細れば細るほどしまる結び方を教えてくれているでしょう。
そのレベルまで踏み込まないと、やっぱ怠慢と言われてもしようがないね。
 
以上で〜す、
また、本題に入り損ねました。また後日に、です。
ちゃんちゃん。

12/8 やまちゃんから「百姓の冬装束(続)」
寒くなってきました。
足元だけでなく、冬装束を急がねばならない時期がやってきています。
 
本題に入る前に、先日の補足です。
今日なじみの作業品店に長靴を買いに行きました。
夏はいていた長靴は26センチ、厚手の冬の靴下をはいて、フエルト製の靴敷きを敷くと、
ちょっと脚が窮屈そうにしています。
そこで、フエルト製の靴敷き2枚持って、26,5センチにするか、27センチにしようか、
お店ではいてみて、26,5センチの長靴を買いました。
耐油性でない長靴でしたので、2600円でした。(同じアキレス製)
 
ちょうどそこに、靴敷きを並べ替えている人がいました。
店員でなさそうだし、メーカーの方かな?それとも問屋の方かなと思いながら、
その靴敷きを見てみたら、ポリエステル製のフエルトでなく、ウールのそれも厚手の靴敷きでした。
値段も2枚一組で180円と安いのです。
「ウールの方が暖かいやろね」と、話しかけると、
「そら違います。吸湿性や暖かさは、ウールの方が格段に上です。
ただこの商品はウール100%ではなく、化繊が少し入っています。
また、ウールの方は、はいてるうちに少しへたってきますが、
洗って陰干ししてもらえれば、また機能回復してきます」
「へたって薄くなったら2枚重ねて使うようにしてます」
そんな会話でした。
「ところで、地下足袋専用の靴敷きはないのですか?」
「いや、ここにはありませんが、ちゃんとありますので、注文していただければ、
手に入りますよ。値段は若干割高になりますが、、、」
「そうですか、あちこち探し回ったのですが、見つからなくてね、
仕方がないので、カーペット地の柔らかそうなのをカッターで切ったり、
最近は、普通の靴用のフエルト製の靴敷きは幅が狭いのですが、
はいてみて別段支障がないので、長靴用のを地下足袋に合わせて切って使っています」
 
そんな風に話が進んだところで、
「あなた、力王の方やないやろね」
「いや違います。靴敷き屋です。」
「そんなら、力王の悪口を言ってもいいやろね」と、
力王の地下足袋のかかとがすぐ破れてしまって、
お客様相談室は原因究明しますので、送ってくれと言われて送ったのですが、相変わらずなんです。
おかげで、丸五のジョグ足袋にであうことができました」
「そうなんですよ、力王は地下足袋メーカーの中で最大手なんですが、
小回りがきかなくなってきているというか、
いちいちそういうことに、原因究明しても、改善出来なような会社体質になってきているみたいです」
「オリンパスみたいなものですね」
「そうです、だから最近は、力王じゃなく、
丸五のようなメーヵーの地下足袋を求めて買いに来られる方が増えています」
(この発言は、作業品店の店主のことばです)
 
と言うことで、本題に入る前に、補足が長くなってしまったので、
本題はまた今度。

12/7 やまちゃんから・今井さん補足、など」
そうか、今井さんところでもお米が動きませんか。
放射能と余り関係のないだろううちでも、余り芳しくありません。
1993年の大冷害の時に、お米に対する関心が沸騰して以来、
年を経る事に消費者のお米に対する関心は下降線をたどってきているように思います。
だけど、去年の秋にうちで食べる米が底をついて、京都綾部の井上さんに聞いてみたら、
「あんまりないけど、他ならぬ山下さんのことや、送りましょう」と言ってくれました。
大規模稲作専業農家やのに、たいしたもんです。
 
さて、今井さんへ補足を少々。
条間、株間についてですが、
故井原さんが、常々
「減反やなんやらで、田んぼや畑が余っとるやろが、
広うに植えたらええんや、広ければ広いほど、樹は大きくなって、収量は増えるし、長持ちする」
言っていました。
ぼくは、けだし名言やなと思って、聞きました。
ナスや、ピーマンなどの果菜類は、井原さんの教えを忠実に守って広く植えています。
ただ、ダイコンなどは、すじ蒔きして株間10〜20センチと教科書より狭く間引きしています。
一斉に収穫して、大量に出荷するタイプの農家ではないので、
大きくなったのから間引くようにして、収穫しています。
すると、隣のダイコンが空間的に余裕が出てきて、そのうち大きくなっていきます。
無精者なので、ゴボウはびっしりすじ蒔きします。9ミリのベルトで播種します。
ゴボウは2センチほどのすきまがあれば、2〜3センチくらいまで太るもんですね。
小カブ も無精して間引きをしませんでした。
ただ今年は、反省して3,5ミリのベルトで極力うすまきしました。
そしたら、太りが違います。間引くようにしながら収穫していっていますが、
間がすいたら、また大きくなっていってくれています。
2度の大雨、台風のおかげで、キスジノミノハムシが少なかったのでしょうか、
肌のツルツルしたきれいな小カブ が収穫できています。
ホウレンソウも、先日書いたように、極力広めに、1粒播種を目指して種まきしたら、
雑草にからみついて困ることが、今年は余りなくてすんでいます。
シラキヌ病対策のため、晩生水菜は一部黒のポリマルチに穴をあけて定植したのですが、
それも20センチ間隔くらいに狭く穴をあけて、大きくなったのから間引くように順次収穫するようにしています。
 
昔、藤井平司さんの「本物の野菜作り」という本だったか、
一箇所に4〜5粒播いて間引くというやり方は、
在来種の場合、どうしても形質に優劣があるので、
いい形質の株を残すように見ながら間引いていったものだと、書いてありました。
なるほどと思ったものです。
ぼくは「世間」のご期待には余り添わず、ほとんどF1を使っています。
自家採取するのは、種を取って採算が取れるもの、種を残さないと困るものに限っています。
イネ、里芋、「アザミ菜」、くらいかなあ。
そうそう、今年は、ゴボウの種を取ってみようと植え替えました。
 
貼付の写真は、晩秋最後の育苗の様子です。
納屋の壁が白くて、お日さんを反射して、北風を遮るので、
暖かさが違うのでしょう、ここにおくと苗の生育が他のところよりいいです。
 
貼付の写真の2枚目、3枚目は、最近思い付いた「宅急便」の箱つくりです。
 
お米の売れ行きが芳しくないので、「お歳暮セット」を再開しました。
ダイコンやニンジンは葉つきで、また長ネギは折らずに入れたいのですが、
そんな細長い箱はありません。
また、うちの近所のスーパーはけちで、ハクサイやレタス、バナナなどの大きい箱は置いてくれていません。
ジュースの箱ばかり。
そこで、ジュースの箱の側面を切り取って、
つないで長さ75センチくらいの箱として合体させているところです。
透明テープが廉価であって、丈夫なのでそれで貼り合わせます。
パッキングが終わったら、側面に軽くカッターナイフを入れて、
折り曲げてコンパクトにして、出来上がり。
なかなかグッドアイデアでしょう。
我ながら気に入ってきます。
年末にお米の勉強会から、岩津ネギ(長ネギ)のまとめ注文があるのですが、
今年は折らずに長いまま送ることが出来そうです。
岩津ネギは、兵庫県北の特産のネギで、緑の葉っぱもやわらかく、美味しいんです。

12/5 神奈川の今井さんから「有機農業カレンダー」
山下様
 お返事ありがとうございました。
 私は農業を始める前に、研修をしましたが、ちゃんとメモなどを取っていなかったので、
いつどのような種を播くのか分かりませんでした。だから、最初は周りの農家の種まきする様子を見て
それで、同じ種を播いていました。そうすると仕事がワンテンポ遅れてしまいました。
 親戚の農家のおじさんが、お祖父さんが亡くなったという事で、農業の跡継ぎになりました。
その時におじさんの役に立ったのが、お祖父さんがつけていた農作業日誌だったそうです。細かく
メモを取るクセがあったので、大変助かったそうです。
 農作業日誌というのは栽培の事や、野菜の生理学、経営の仕方が分かる貴重な資料です。ベテラン
の方の資料は勉強になります。
 
 私もなるべく秋は遅くまで、葉野菜の種まきをしますが、ちょっと早く種を播くとすぐに大きくなってしまいます。
ちょうど良い時期に種を播ければ、冬の間にあまり大きくならずに良いと思いますが、まだ、このタイミングがつかめて
おりません。いいところまで来ていそうですが。
 
今年はお米があまり売れません。
多分、みなさん口にしないですが、北関東や福島の生産者はもっとひどそうです。
みなさん、言葉にならないもどかしさがあると思います。

12/4 やまちゃんから「今井さんへ他なんじゃかんじゃと」
今井さんの質問に答える前に、一言。
「HPの宅配便」の数少ない消費者の一人の、ぼくの東京の友人が聞いてきました。
「HPの宅配便ではTPPの話題なんかはでてこないの?」と。
最近、別な友人宛に書いたことばが、ぼくの気持ちを正直に出しているように思います。
「ぼくはね、自分でもいやになるくらい、歴史オンチで政治オンチなんです。
見かけによらずね(笑)」
 
もう一つ、別なこと。先日書いた「百姓の冬装束」の補足です。
地下足袋を好むいちばんの理由は、腰にやさしいからです。
靴敷きは、鈴木産業の固いスポンジ状のものより、
ポリエステル+ウールのフエルトの方がよさそうです。
どちらも3枚500円くらいの安物です。
今日畑に着いて、地下足袋に履き替えようとしたら、
靴下が、又付きの軍足ではなく、厚手のパイルソックスをはいていました。
焦りました。どうしようってね。
靴下を少しずらして、親指と人差し指の間にへこみを作り、地下足袋を履いてみたら、
入るじゃありませんか!!
うれしかったなあ、
木綿の軍足は、冬冷たいんです。保温力がなくて。
なにせ、ぼくはしもやけが出来る性分なんです。
だから、夕方うちに帰ったら、軍足脱いでパイルソックスに履き替えていたんです。
 
さて、本題です。
今井さん、ぼくの農作業メモに目を通してくれてたんですね。ありがとう。
なんで、あんな日誌を書いて、オープンにしているかというと、
いちばんは、自分の備忘録のためですが、
実はね、井原さんが亡くなって、「追悼集」を編集していた時、
病床日記のコピーは見せてもらって、「追悼集」に収録したんですが、
もう一つ井原さんが克明に付けていた農作業日記があったんです。
それを見せて欲しくてね、
どんな品種を、いつ種を播いて、と言うのが克明に記録されていたんです。
喉から手が出るほど見せて欲しかったんだけど、
僕の中の何かが許さなくて、見せてくださいと頼むことが出来なかったんです。
だから、ぼくのあとから農業をやっている方に、
何かの参考にしていただけるかもしれないと思い、オープンにしているのです。
 
ぼくは基本的には冬に種まきをしません。
真冬に種を播くのは、ホウレンソウくらいかな。
トンネル栽培も、1月下旬蒔きのニンジン以外やりません。
ベルツーキ(タフベル)やひだまりのように、換気の必要のないトンネルは少しはしますけど。
ぼくの基本は、無農薬栽培は
「秋はできるだけ遅くまで、春は出来るだけ早く種まきを」
と言うものです。
瀬戸内の姫路と神奈川の伊勢原市ではどれくらい温度が違うもんか、
下記のネットで調べてみてください。
姫路は、どうも寒気の通り道に当たっているようで、
朝の冷え込みはきびしいです。だけど日中は日差しがけっこうあります。
 
(気象庁の「過去の気象データ検索」)
 
姫路では、ホウレンソウはベタがけ無しで、3月中頃?まで収穫できます。
その他の菜の花類も、ベタがけしておけば、薹立ちを始めるまで露地で収穫できます。
詳しくは、ぼくのHPの「今お店にならんでいる野菜」のページを見てください。
http://www.geocities.jp/yamasitanouen/omise-yasai.htm
3月4月はきびしい時期ですが、まあまあそれなりに種類はあるように思います。
 
春先は、日誌に書いているよりもう少し早く種まきをはじめていいかなと思っています。
イネの育苗器にセルトレイを入れて芽出しして、育苗するか、
もしくは、大半はごんべえで播種して透明マルチのベタがけで、2〜3葉期までおいて、
その後長繊維不織布のいちばん安物でベタがけするかです。
時には、不織布の二重がけもやります。
先日、ごんべえに「少量播種アタッチメント」がありますよと、紹介しようと思って
向井産業のHPを見たら、「溝底播種セット」というオプションがあることを発見しました。
http://www.mukai-kogyo.co.jp/c01/index6.html
例の「溝底ミニトンネル方式」が、
葉ダイコン、ラディッシュ、春まき山東菜、ホウレンソウなどなどに使えそうです。
うまくいけば、3月中頃に春いちばんの菜っ葉が収穫できそうです。
でも、菜っ葉類は5月連休まで。
それ以降は虫の巣窟になってしまい、無農薬は無理だと思っています。
 
以上で、それなりに納得していただけたでしょうか?
答え切れていなかったら、なんなりと。
 
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HP「除草剤を使わない稲作り」の世話人 やまちゃんこと山下正範
〒672−8002 姫路市北原328−4
yamachan@vanilla.ocn.ne.jp
http://www2.ocn.ne.jp/~josonet/(除草剤を使わない稲作り)
http://www.geocities.jp/yamasitanouen/(山下農園)
          **************

 
12/3 神奈川の今井さんから「有機農業カレンダー」
神奈川県の今井です。
もう12月になりました。今年もいろいろありましたが、おかげ様で何とか、来年が見えてきました。
被災地などでいろいろな被害に会われて、まだ先が見えない生活をされている方も多いと思いますが、
来年は良い年になる事をお祈りします。
気が早いですが、来年の野菜の種まきなど、品種や播く時期、作る量などを考えています。
2010年まで、有機農業カレンダーというのがありましたが、2011年にはなくなっていました。
私は神奈川県なので、有機農業カレンダー神奈川版を作ろうと、いろいろ調べています。
このホームページの山下さんの作業日誌も拝見させていただいております。また、福島の東山さんの
現代農業の記事にあった何でも育苗するも、3回読ませていただきました。
私は農家が無理のない経営をするには、ちゃんとした作付計画がないと駄目だなと最近、感じるようになりました。
でも、露地野菜を無農薬でやっていると3月や9月末は野菜が品薄になってしまいます。無理して9月にアブラナ科を種まき
すると発焔u槫フ┐・△泙衫匹・覆・辰燭蠅靴泙后・・実匸・碵雹実匸世話人の山下さんは、3月や9月の端境期対策は何かしておりますか?
また、すごい基本的な事をお聞きしますが、アブラナ科を冬に種まきする時は、品種(晩抽生)とかトンネル栽培
する時にトンネルの穴の数などはどうやって決めているのでしょうか?
 
(一部文字化けしていますが、そのまま転送します。 byやまちゃん)

12/1 やまちゃんから「百姓の冬装束(足元編)」
はじめに(最後に書くつもりでしたが、目に通らないといけないので、最初に書きます)
この「HPの宅配便」、「もう、送ってくれなくていいよ」と思われたら、
どうぞご遠慮なく、御連絡下さい。
最近、3人の友人からmixiの誘いを受けました。
だけど
「ぼくの心の奥底が、そういうたぐいのものはパスせよ、と言ってるので、辞退します」
と、返事しました。
また、これはずっと昔、パソコンをはじめたばかりの頃、
高校の同窓会のMLが立ち上がりました。
ぼくも、抵抗なく、それに参加しました。
昔の友人が、毎日のようにぼくのパソコンの中に登場してきました。
土足で、づかづかと部屋の中に入って来られるような気がしました。
じゃあ、見なきゃいいだろうがとも思うのですが、
見ないで削除するのも、すごくストレスなんです。
「友は遠きにありて思うもの、のようです」と、脱退させてもらいました。
 
本題に入る前にもう一つ余談です。
昨日、石牟礼道子の「神々の村」(苦海浄土第二部)が届き、
酒を飲みながら、読み始めました。
「お前は、3月11日のことをほんとうに腹の底に据えているのか」と、
目尻にちょっぴり涙がちょちょぎれました。
 
さて、お気軽な本題でーす。(長くなりそう)
ぼくは、地下足袋派だ。それも、12枚ハゼの長い奴。
なんで?かっこいいからだ。
イチローとか、足の速い野球選手はみんなストッキングの長いユニフォームを身につけているでしょ。
あれと同じ、百姓はやっぱ、地下足袋がいちばんかっこいいとぼくは思ってるんだ。
祭りの時、ふんどしと地下足袋で屋台を担いでいるのがかっこいいのと一緒。
長いこと力王の地下足袋(貼り付けタイプ)を愛用してきていました。
「実用」という甲の部分まで薄くゴム引きしているのと出合ってから、
もっぱらそれを使い続けていました。
ところが、こいつ、かかとの部分がすぐ破れてしまうんです。
困ったなあと思い、お客様相談センターに書き込みしました。
すると「原因究明したいので、着払いで送ってくれ」といわれ、送りました。
すぐ、代替品が送られて来ました。
だけど、それも4〜5ヶ月で、同じようにかかとの部分が破れてしまいました。
もう一度、HPのお客様相談センターに、その旨書くと、
神戸の支店の人が、「お訪ねしたい」といってきました。
お断りしました。
「来てもらってもなんの意味もない。
ぼくは、補償やおわびが欲しくて書いているんじゃない、
このままじゃ、使う地下足袋がなくて困っているから、何とかしてくれと思って書いたんです。
だけど、前回の件で何も回答がありませんでした。」
支店の方は、「着払いでもう一度送ってくれ」と言いました。
そこで、ぼくは破れた地下足袋と、
「返事が遅かったおかげで、丸五のジョグ足袋に出合うことが出来ました。
丈夫そうで、快適です。
力王さんも、頑張ってください」とメッセージを添えて、送りました。(笑)
 
今日からぐんと寒くなりました。
保温ジョグというのもあると知って、今日はその保温ジョグをはいて畑に行きました。
http://www.marugo.ne.jp/product/tabi/hoon_jog_12_n/index.html
あったかくって、快適です。
ちなみに、通販では姫路のお店がダントツに安かった。
http://store.shopping.yahoo.co.jp/shoeparkkaminari/index.html
 
ぼくは地下足袋の底に靴敷きを使うようにしています。
地下足袋専用の靴敷きがないので、あちこち、何がいいか、探しまくりました。
ホームセンターのカーッペット売り場や、保温資材売り場を何回も回って、
自分で、カッターで切って使っていました。
結局たどりついたのが、普通の靴用の厚手のフエルトでした。
地下足袋より、幅が狭いので、困ったなと思っていましたが、
使ってみるとなんら支障ありません。
道具好きのぼくは、最近またおもしろそうな靴敷きを見つけて、それを使っています。
鈴木産業(株)http://www.wakuwaku-working.com/company.html
「さわやかインソール」(EVA素材使用)のクッションみたいなやつです。
残念ながら、HPにはその商品は掲載されいませんでした。
表生地のポリエステルは1日ではがれてしまい、ペケですが、快適です。
へたってきたら、2枚重ねて使おうかなど思っています。
 
でも、寒くなってきたら、地下足袋では、冷たくなってくるかもね。
また、朝早くの野菜の収穫は、地下足袋では濡れてしまいます。
長靴を使っています。
ところが、この長靴、どれもこれもすぐ破れてしまう。
胴の部分が破れてしまうのです。
ホームセンターに売ってる奴はあかんなあ、と思っていたら、
岡田さんの長靴が、何年ももっている風でした。
どこで買ったのと聞いて、その店は知らんので、別な作業品店で長靴を捜しました。
岡田さんのメーカーのは見あたりませんでしたが、
アキレスのワークマスターという長靴が岡田さんのに似ていました。
http://store.shopping.yahoo.co.jp/shoeparkkaminari/c4b9b7a4a1.html
1年前からそれを愛用していますが、丈夫で履き心地もまあ満点です。
冬は、厚手のパイルソックスをはいて、長靴の中にフエルトの靴敷きを敷いて田んぼへ行っています。
 
以上、長くなったので、足元編で今日はおしまいです。
 
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