2/20 島根の堀野さんから「モノづくりから価値づくりへ」
「モノづくりから価値づくりへ」
前回、日本の会計法では補助金由来の減価償却費は簿外へ飛ばすと書きました。
これは、昭和初期の戦時経済の中であわただしく採用された方法らしく、
目的・意義・メリット等は、昨今の専門家ではよくわからないのだそうです。
しかし今日現在、いささか不都合なところもないわけではないようです。
1.減価償却費が計上されないせいで、そのぶん総コストが下がったと誤認されやすい。
2.先行補助金による誤認低コストを理由に新たな補助金が申請・交付されがちとなる。
3.減価償却費不算入により課税対象額が増えるため、増税になると誤認されやすい。
(注:本来当該補助金は、所得として繰り延べ計上し、数年に分けて課税さるべき性質のもの)。
4.この課税対象額の増を防ぐため、不要不急の機械・施設への投資を急ぎがちとなる。
5.結果、維持費・一般管理費の増加にあえぐ中で、不作・不況・災害・事故・傷病等を
きっかけに経営不振に陥るケースが少なくない。
先日の中道さんのご指摘は、上記3の減価償却費の不算入によって、国民コスト
(納税を通じて国民が負担するコスト)を慮外に置くのはフェアでない・・・、ということかと思われます。
また赤木さんご指摘の、
「わが国の農家の足腰が弱いのはこのためだ。
補助金に甘えて自助努力をしようとしない。コストを下げる努力もしない。」
のくだりは、上記4などにあたると思われます。
今日このような事態は、じつは農業だけでなく、
我が国の工業生産全体を通じて大きな問題になっているのだそうです。
そして、これを乗り越えようとする新たな努力を「モノづくりから価値づくりへ」、
というのだそうです。
私なりの理解をもう少し具体的に説明させていただくとすれば、農業においては、
まさに中務さんのおっしゃる「農村集落の貴重さ」につながる気がしています。
具体的内容は次回とさせていただきます。
島根県飯南町 堀野俊郎
2/20 石川の東さんから「Re稲の放射能の移行についての考察」
笹村さん、大変貴重な情報ありがとうございます。
私が本年度からの稲作で心配していることは、有機肥料のことです。
農水省は肥料のセシュウム1kg当たり400ベクレル以下流通を言っておりますが
米ぬか抑草などの有機物の表面施用の場合や有機肥料の穂肥など、稲の上根から養分
吸収させる栽培法はセシュウムの稲体への移行が多くなると言う事になります。
またボカシ肥料なども比重の関係から、散布後用水を入れて、耕起や代かきを
すれば大半が表層のトロトロ層に集まると思います。
福島第1原発事故は汚染水がダダ漏れ状態ですから、その他核種、得に人体に
悪影響が大きいと言われているストロンチウムなどが海の中でどのようになっている
のかまともに調べられていない状態ですから、魚粉などの使用も頭の痛い問題となります
輸入は安心と一時は思っていたのですが、日本近海でとれた魚を手のかかる加工は国
外でということも多いようです、
以上の事を考えてみると、有機肥料の使用や
大量施用する堆肥の施用については頭の痛い問題となります。
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石川県小松市矢田町
ひがし農場 東 浩一
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2/20 岡山の林さんから「Re:大型農機補助」
皆さん今晩は、
赤木さん、中道さん、中務さんのメールを読んで補助金について考えてみました。
先進国では農業補助金というのはどの国でもあると思います。農業補助金のない国を探すのも難しい。TPPでは日本の
米の高関税がやり玉に上がるのは目に見えているのですが(これはあまりにも標的になりやすい)、EUならば直接支払い
や輸出補助金、アメリカならば輸出補助金等、土地保全回復にも補助金が支給されています。日本の農家が補助金漬けと
されていますが、アメリカの補助金はこんなものではない巨額なものです。受給者は上位1割が3/4を受取っているそう
です。つまり、大規模農家が殆どの補助金を受給している。言い方を変えれば、大規模になるほど補助金漬けになり
やすい、と言えそうです。穀物メジャーは上場されていないので何をやっているのかわかり難いですが。自前の衛星を
打ち上げて、地球のどこが作物不作になりそうかを見ているのでしょうか?
アメリカの失業率は農業分野を除いて発表されることが多いのですが、これは季節性があるからですね。アメリカの百姓は
季節労働者を雇って生産しているからでしょう。もし農家がつぶれたら、失業率にも影響する。
アメリカの小麦の自給率は130%ぐらいだと思いますが、これがすべて国内流通に回ったら価格の大暴落を引き起こし、
大規模農家は一気につぶれてしまう。農産物価格の低下は大規模農家ほど強く影響を受ける。アメリカとしては輸出以外
に方法がないのではないでしょうか?輸出補助金で発展途上国の農産物価格より安くして世界中に売る、ということのよう
です。アメリカの百姓達がバイオエタノールの工場を建てて、穀物の販売先を多様化させたのも理解できる事ですね。
林 正弘
岡山市
2/18 岡山の中務さんから「中道さんの独り言について」
中道さんの独り言「経済産業省農林部」に、ある意味で同感です。
私は「二次・三次産業の活性化が農村を守る。」と考えています。
「農業を」じゃなくて、「農村を」です。
政策が組織によって形成されるならば、農林漁業を産業として所管する「経済産業省 製造産業局 農林漁業課(架空)」。農地を国土保全の観点から所管する「国土交通省 水管理・国土保全局 農地課(架空)」。地域づくりなどを所管する「国土交通省 国土政策局 地方振興課(実在)」などの活躍に期待したいと思います。(農林水産業課を経産省の製造産業局に置いてみたのには異論があるところかも知れません。)
我が集落は、5町歩ほどの水田を抱える中山間の農村集落です。
かつて、集落の大半は農家であり、我が家は自給的農家と副業的農家の境界層でしたが、周囲に先生が大勢居て、共同作業も多く、楽しい時代でした。
時は遷り(と言っても十数年。)、今では副業的農家2軒と自給的農家1軒が集落内の全農家で、集落外農家の侵食を受けています。(私も少し浸食しているので、おあいこなのですが。)
都市部に暮らす人々からは、「それがどうした?」という声もあるでしょうが、例えば、私が利用している農業用水は3系統あり、うち2系統は利水者が2軒ずつ。うち1系統は私と集落外からの浸食農家だけになってしまって、各自が農閑期に少しずつ草を刈り、溝を浚って管理しているため、かつてのような共同作業の賑わいはありません。
農村集落は、農地や水源・水路の利用を通じてコミュニティを構築してきた集団ですから、農家の大規模化が進んで、いくつかの集落に1経営体しか存在しないような状況になると、集落としての存在意義を失ってしまいます。
農家の居ない農村集落など、市街化調整区域の虫喰開発団地と一緒で、ただの「農地に囲まれた住宅群」でしかありません。
農業経営の大規模化は否定しませんが、農村集落が農村集落であるためには、集落内にある程度の数の農家が存続している必要があるのです。
水稲などの土地利用型農家は、一旦廃農すると恐らく二度と復活できませんし、新規就農で土地利用型農業を営むのも非常に難しいことです。
日本の原風景のひとつである農村集落を維持し存続させるためには、副業的農家の主業となる雇用が必要であり、「二次・三次産業の活性化が農村を守る。」ということになるのです。
ちなみに、現存の小規模農家が生き残れさえすれば、「生かさず殺さず」程度の有り様でも構わないとも考えています。
主業で生計を維持していれば、副業の農業は「生かさず殺さず」程度の収支でも結構続けられるものです。生活の懸かっていない稲作ってのは楽しいですからね。
生活の足しになれば、なお結構なのですが、そこは百姓の甲斐性で(笑)
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http://homepage2.nifty.com/wakesui/private/agriculture.html
中務 博文
あしがら農の会の笹村です。
放射能の移行に付いて、考えがまとまったので出させて頂きます。
稲への移行は土壌からではないと考えている。チェルノブイリのような、水とは縁の薄い農法と、全く別の移行の状態を考えるべきであった。それは、土壌が50ベクレル以下の足柄平野の土壌であっても、福島の何万ベクレルの土壌であっても玄米への移行は、大した違いは無いという結果につながった。昨年の測定結果が出てきている。流入する水からの影響の方が、大きいと思われる。この水の汚染レベルは、極めて低く、土壌への影響も出ないほどの低レベルの、多分0,1ベクレル以下の、検出限界以下のものであろうと思われる。水に溶け込むような(この状態については知識がない。)小さな粒子のセシュウムが、直接稲の水根に吸収されてしまう恐れが考えられる。イネには下根と上根がある。栽培の方法にもよるのであろうが、わたしの田んぼでは表土を広がって這ってゆく、上根は水根と呼んでも良いものではないか。水生植物のように、水に溶けている養分を集めて植物体に送る。
水の力でお米は出来る。栽培法が上根を広げる結果になっていた。つまり、水耕栽培に近いと考えられる。雑草を抑制するために、自然とそうした栽培法にたどり着いた。今回の放射能はそのことが裏目に出た。足柄平野では、検出限界以下が普通の状態であるにもかかわらず、意外に高い値を出してしまった。本当に申し訳ないことをした。お米にとって良かれと考えて来たことが、崩壊して行く。崩壊してゆく過程で、気付いたことを記録しておく。トロトロ層を作り、雑草を抑制する。この仕組みがだんだんに見えてきたので、調子に乗って極端化した。トロトロ層を作るために、田植え後にソバカスを散布をする。ほぼ1カ月間断なくソバカスを蒔いてきた。この事で田んぼの表土は発酵を始める。莫大な量の生き物がステージを追って展開する。
稲は実を付ける後半になるに従い、耕盤を緩めるぐらいにトロトロ層が深くなる。この水を大量に含む土壌に根を広げて行く。その表土は微生物が大量に存在し、ミネラルも豊富で有ると考えてきた。いわば流入する水とまじりあうような、水耕栽培のような状態を作り出している。水を吸収しながら、微量な栄養分を集めている上根。田んぼは常に8センチ以上を目標に水を深く、入れ続ける。干し田もしない訳ではないが、稲が倒れない範囲を目標に、7月中には雨を見ながら控えめである。下手をするとずるずると稲が倒れ込む。稲は草取りで歩くと、深いぬかるみ状態の中に、びりびりと根を切るような状態で、表土の中に根を広げている。
以上を前提にもう一度、放射能の移行を防ぐための稲作法を整理してみる。しかし、放射能については、不明な点が多々あるので、あくまで個人的意見である。1、水を浄化しながら注入する。入水口に、ゼオライトなどを入れて、そこを通過させた水を田んぼに入れる。2、稲の栽培法として、深い根を中心に栽培する。深い耕転をする。後から糠やソバカスを蒔かない。表土を富栄養化しない。3、入水口に溜池を作り、セシュウムを吸着しやすい水生植物を繁茂させる。多分、ホテイアオイは良いか。4、山の状態としては、昨年の3月15日前後に山の広大な面積に降り注いだ。これが土壌100ベクレルである。そしてそれは、山に降り積もった腐葉土への吸着。今年の落ち葉のセシュームは50ベクレル。いつ流れだす物がピークになり、いつ流されてしまうのか。今年は去年以上に要注意ではないか。土壌の腐植量、土壌のカリウム、カルシュームなどは、稲の場合はあまり考えても大きな影響は無いと想像している。
2/16 滋賀の中道さんから「Re大型農機補助」
みなさま、山下さんへ、 たいへんご無沙汰で失礼しています。
さらに、赤木さんには年末のお忙しい時期のおじゃまにもかかわらず、親切丁寧なな対応を、とてもありがたく思っています。本当にありがとうございました。
さて、昨日の話題についてぼくも一言投稿させて頂きたいと思います。
昨年滋賀で 農林大臣室長との懇談会があり参加しました。
その際、農業補助金の使われ方について 意見しました。
「補助金を受ける際、自らが立てた事業計画に責任を取らせる!」です。
「補助金を受けた、農業組織農業者や農協などは、計画とうり事業が実行できなければ、我々国民の血税である補助金を返してくださいね」と云う意味です。
その意見に対しての 彼のお答えは、「素晴らしい意見です」と前置きをした上で「農業者の了解が頂ければ検討します」と返しました。
ぼくは唖然しました。 納税者に対する配慮が全く欠けているのです。
ぼくは 農業補助金が日本の農業をダメにしていると思っています。
しかし補助金が本当に必要とされるケースは確かにあります。
補助金を頼りにしている人ほど、補助金の元である納税者の理解を得られる努力が必要だと思うのですが、そのような立場にいる人たちに限ってこの観点は抜けているようです。
ぼくの独り言 「経済産業省農林部」 で解決!
滋賀の中道
国のアンケートに答えなかったわけ 2題日記からどうぞ↓