2013年4月〜6月のお便り  HOMEに戻る

6/29 やまちゃんから「今年の目標」 
今除草機は、コシヒカリが2回目を終わって、ヒノヒカリの方は明日か明後日にでも2回目をと思っているところです。
去年懲りたから、今年は3回目まで頑張るぞと思っていますが、
アオミドロなどの藻次第では、3回目をあきらめるところも出てきそうです。
 
今年の目標は、条間はきれいに雑草が抑えられてるなあと人目にも見えるようになることです。
株間には雑草が残っていてもいい、
さて、その株間に残った雑草が、イネが最高分げつ期をすぎて、遠目からは条間の空間が見えなくなってきた時に、
相変わらず元気なのか、イネの日陰になっておとなしくなっていってくれるのか?
1枚でも、2枚でもそういう田んぼが出てきてくれたらうれしいのですが。
 
除草機に活躍してもらうために、ぼくなりにあれこれ無い知恵を絞っています。
まず、今年はマーカーを6センチ延長しました。隣接する条間とは39センチです。
6センチ広くなったことで、精神的にも余裕ができたのか、奥方の今年の田植えは、ことのほか上手でした。
(ぼくは、ひたすら苗運びです・(笑)
除草機も、隣の条を気にするストレスなしに運転できるし、
また、コース取りもわかりやすくなったので、これはよかったと思っています。
 
田植えの時のコース取りですが、
マニュアルとは反対に、進入口からそのまま植え始めています。
こうすることによって、除草機も進入口から入って、最後進入口の隣の条をかけ終って上がっています。
2回目の除草機は、進入口の隣の条から入って、最後進入口から出るようになりました。
 
去年も書きましたが、枕地は植えません。
畔にどんと突き当たるまで植えて、ちょっとバックして旋回、
そして、めいっぱいバックして植え始めます。
こうすると、植えてない部分は、4条植えの田植機で4条もないくらいです。
 
最後に、わざと4条ごとに凸凹ができるように、さし苗をしています。
こうすることによって、除草機のコース取りがとても分かりやすくなり、
除草機を入れるのに、ためらいがなくなりました。
 
6/29 福岡の田中さんから「(続)水田除草機ミニエース」
 山下様
 早速ホームページに掲載頂き、深謝申し上げます。
 
ミニエースでの除草作業から約一週間経過しましたが、割と効果的な感じです。
除草作業中に、コナギやホタルイ密生した箇所はゆっくり歩き、草が生えていない場所は早めに歩くというように調整しました。
近々、ミニエースの成果報告を絵日記に掲載したいと思っています。
 
しかしながら、田圃の中を歩くのは還暦前の「胃無し親父」には負荷が高く、数日間は筋肉痛に悩まされました。
僅か27aしか田圃はありませんから、このような栽培方法でもなんとかやれますけれど、これが1haだと「体が持たない」でしょうね。それがミニエースの限界かなと思います。
 
ミニエースの購入価格は約10万円です。
除草剤を10万円ほど購入すれば何年使えるの?という疑問を持たれる方達は、ポストハーベストたっぷりの外国産の米や麦を積極的に食べて頂きたいと思いますねぇ...
 
日本人は(日本のマスコミは?)熱しやすく冷め易いので、中国製毒入り餃子事件のことなど記憶の彼方です。
でも中国では日常茶飯事の出来事です。これは10ヶ月間の中国滞在で痛感しました。
 
安心を必要としない都市住民は是非中国製や米国製食品を積極的に摂取したら良いかも...
その結果として「胃無し」や「大腸短縮」になって初めて「有難味」が解るのではないかと思うのです。
 
私は「胃無し親父」になって人生観が変わりましたし、食料を自給することの重要性を痛感するようになりました。
結果的に、無農薬で栽培できるものを積極的に作って、我が家の食料自給率を高めることを第一目標にしています。
 
山下さんも「への字師匠」の二の舞にならぬよう、定期的なメディカルチェックを欠かさず、元気で啓蒙活動に勤しんで頂けますよう願って止みません。
 
今後とも宜しく御願い致します。
 
以上 〒800-0333 福岡県京都郡苅田町 田中重文

6/27 福岡の田中さんから「水田除草機ミニエースの紹介」 
山下様
 
初めてお便りを差し上げます。
 
いつも拝見しております。
また現代農業掲載の紹介も楽しく読ませていただいております。
 
私も除草剤を使わない稲作の3年目です。
 
岡山の赤木さんと同じ方法にチャレンジしているのですが、なかなか上手くは行きません。
今年は新兵器のミニエースを使って初期除草をしました。
 
作業の紹介は以下のアドレスの絵日記のページを参照下さい。
はるか昔の学生時代は神戸市で過ごしましたので、兵庫県はなんとなく好きなのですよ!
 
http://www012.upp.so-net.ne.jp/offtime/index.htm
 
以上 福岡県の田中重文

6/27 やまちゃんから「ヒエのはえない田んぼ」 
今井さんの田んぼもヒエが生えなくなっていますか!
いや、厳密に言えば
コナギが生えて仕方がない田んぼは田植えから水をほとんど切って、田面が露出しています。
それでもヒエは生えてきません」
ということだから、ヒエが生えている田圃もあるのかな?
 
ぼくの田んぼでは、ほとんどと言っていいくらいヒエが消えました。
少なくとも、除草機に乗っている限りでは、ヒエが見えません。
秋の刈取り時期になったら、約1ヘクタールで20〜30本くらいはヒエの大きな株がありますので、
種が皆無になったということではなさそうです。
 
その代り、除草機を入れるのをあきらめた変形田のマゴの部分は、
隣の芝生のようにおぞましいくらいコナギかホタルイがびっしりです。
 
そういえばということで思い出したのですが、
今から10年ちょっと前、故井原豊さんの追悼集刊行会の事務局を引き受けていて、
その当時、ぼくは除草剤をやめてみようとチャレンジを始めたばかりでしたので、
追悼集のことで用事があって、百姓の人と電話で話す機会があるときには、
「除草剤はどうしていますか?」と聞きまくっていました。
もうすでに、その頃「ヒエは問題ないですよ。生えても打つ手があるから」
そんな風に答えてくれる方が多かったのが印象的でした。
 
ヒエが消えて、コナギ全盛の時代になっているようです。
屁理屈好きのぼくは、今日も除草機に乗りながら
「なんでだろ、なんでだろ、、、、、」と、つぶやいていました。
 
6/27 福井の中出さんから・「田んぼにおける食物連鎖の頂点は鳥」 
山下さんのトンビの話から林さんに継ったから、少し膨らませます。

今月初旬の麦刈り時、コンバインでほ場に進入して外周を刈り取って進入路に戻ったら、多分ひばりの巣をコンバインで踏んでしまった様で、2匹の雛鳥が圧死しているのを見た。
心に動揺を覚えながら更に一周して来たら、それをトンビが銜えていった。
後で同僚に話をしたら「南無阿弥陀仏というしかない、、、。」といってくれたが、私には目の前の現実を無くしてくれたトンビの方が救いだった。

これも百姓故のことか、、、合掌。

*** 中出 ***

6/26 岡山の林さんから「田植えが終わりました」

皆さん今晩は、
山下さんのメールにあったようにトンビは蛇が大好きですね。一番好きなのはマムシですね。草刈のときに切ったマムシを
放置しておくと必ずといっていいほどトンビがさらって行くそうです。
私の田植えも6月24日にやっと終わりました。苗が大きくなりすぎて、刈払機で苗を短く切って植えました。これは例年の通り
です。苗は苗代から運び出す前に葉を刈ると作業しやすい。植える時も葉が短いと硬い軸が多く倒れにくい。今年は雨がよく
降って、水の心配はありません。今年は水が多く使えるのでヒエの心配は少なそうです。しかしコナギ対策に頭を痛めること
になるでしょう。チェーン除草を田植えの合間をぬってやり始めていますが、効果が分かるのはやはりとろとろ層の出来て
いる田んぼですね。砂地ではある程度の除草効果はあるものの、どうしてもとり切れない場合がある。砂地で硬い傾向のある
土壌は2回代かきで対応するのが良い、ということしょう。
それにつけても、今年はカブトエビが少ない。カブトエビは雑食性ではあるようですが、コナギやイヌホタルイを食べてくれる
そうなので、私はカブトエビの密度が高くなるのを心待ちにしています。田んぼのコナギはカブトエビの餌らしい。コナギの
発芽直後の若い雑草を食べて欲しい。研究者によると、1u当たり4,5匹いれば良いそうです。しかし私の田んぼのコナギ
は多いのでもっと沢山必要でしょう。今年はホウネンエビが仰向けに泳いでいたり、カイエビ2頭が繋がって泳いでいるのを
よく見ますが、カブトエビが少ないのは気になります。

林 正弘
岡山市

6/25 京都の土佐さんから「Re人・農地プラン」 
ご無沙汰しています。
昨今よく耳にする「人・農地プラン」ですね。
現在京都府は独自に飴と鞭をくっつけて「京力農場プラン」として推進しています。
しかし基本的には、農地を弱小農家から切り離し、大規模集約農業をする担い手に集中しようという企てです。
その結果コストダウンを推し進め海外で戦える産業になればいいなというものでしょう。
そのために、農地を差し出した農家には手切れ金を出し、それを請け負う法人、また登録された担い手にご苦労さん料を渡すというシステムと理解しています。
今後補助金も農地プランの中にいる農家、法人に資格を与えようというものだと思っています。
私の考えでは、これは政権政党の話ではなく、農水省の方針だと思います。
中山間にしろ、農地・水にしろ政権が変われど何事もなかったように続いています。
政治家の力など遠く及ばないのが霞が関なのでしょう。
とかくいう我が地域も、人農地プランに参画します。思惑がどうであれ荒廃農地を阻止し、地域を守るにの一つの手段であることには間違いないと考えます。
とどのつまり自分がどのような農業プランを描いているかによって、対処の方法が変わってくると考えます。
ちょっとアルコールが過ぎたようで不適切な言葉があればご容赦ください。

6/25 やまちゃんから「実況中継(番外編)・田んぼは楽しい」
奥方が「やっぱり田んぼは楽しい!!!」とわめいております。
今日、離れた田んぼに草刈りとジャガイモほりに一緒に出掛けました。
 
第1幕は、畔草刈り。
ぼくらが草刈りを始めたら、トンビが現れて上空を旋回し始めたそうです。
「なんでトンビが来たんやろ?」と思いつつ、草を刈り続けていたそうです。
カエルの足をはねて、とんびの思いがわかったそうです。
ぼくが一汗かいて休憩していると、「カエルの足をはねてしまった」と申し訳なさそうにつぶやきました。。
「ぼくは蛇を一刀両断してしまったよ」
そこでしばらくトンビ談義をしていたら、くだんのトンビが田んぼの端の電信柱に止まってじっと様子をうかがっています。
奥方が、トンビのほうに歩いて行って、「ごちそうがあるで、早よいっといで」とかなんとか声をかけたそうです。
トンビが田んぼの上空を旋回し始めて、旋回の輪を狭めはじめました。
「あの下あたりや、ぼくが蛇を切ったのは」と言ってると、トンビはひょいと畔に降り立って、
蛇を引きずり出して、食べ始めました。
 
第2幕は、ジャガイモほりの隣の河川敷での話。
すっぽんが産卵を終えて、後ろ足で砂かけを始めていたそうです。
奥方は、これから産卵するんだろうと思って、
ぼくに「ジャガイモを掘り終ったら見に行こう」と言いました。
ところが、途中経過を確認に現場へ行ってみたところ、
1,5メートルもあろうかと思われる大きな蛇が、産卵現場のほうに向かっていったかと思うと、
頭を砂の中に突っ込んで、掘り始めたそうです。
いやはや
 
6/24 神奈川の今井さんから「人・農地プラン」 
神奈川県の今井です。
今年から水管理をごくごく浅水に変えました。毎年、コナギが生えて仕方がない田んぼは
田植えから水をほとんど切って、田面が露出しています。それでもヒエは生えてきません。ヒエ
が生えない田んぼになっているようです。浅水のほうがイネの具合が良いので、このまま浅水を続けようと思います。
浅水でもコナギは生えてきました。
 
 人農地プランというプランを作成するようで、地元で会議が開かれる予定になっています。
未だに人農地プランというのが分かりません。この会議で、もし、「中心となる経営体」から漏れてしまうと
農地が借りられなくなるかどうか心配です。そもそも、政権が変わってしまったのに、この政策を今後も続けるのか
分からないので、会議自体が無駄ではないかと思うわけです。
 みなさんの地域の人のうちプランについて、どうなっているのか教えてください。

6/23 福井の中出さんから「けずっ太郎はすぐれもの」
機械除草(オオタケ)を1回かけているのですが、忙しさにかまけていたら次がおそくなり慌てて引っ張りだしたのが「けずっ太郎」です。


ループ条にして刃を着けるというところが、稲の株元のコナギを簡単に切り取ることができる。
使っている人は当たり前に感じているだろうけど、やっぱりこれが良い、、、。
「けずっ太郎」は、コナギの除草のためにつくられたと思ってしまうほど、コナギに対して相性がいいを思う。

と言いながらも、手取り除草を毎日続けることも辛いことで、山下さんのメールで「・・・雑草を敵視して根絶しようなどという無謀なことを考えるのはやめにしよう、・・・」の下りは正に同感です。
妥協しないと、私の場合は体が持ちません。

*** 中出 ***

6/22 やまちゃんから「(続)屁理屈など」
実況中継が遅れ遅れになっているのですが、
実況中継の前に、なんとしてもやっぱり屁理屈を書いておかねばという気分なのです。
前にも書いたことなので、読む人にとってはまたかという思いになるでしょうが、
書く側にとてっては、書きながら微妙に表現が違っていたり、
また書きながら、(読まれる方にはわからない程度かもしれませんが)、新しい発見もあったりします。
書きながら考えて、考えながら書いていますので、まあお付き合い下さい。
 
2回代かきの効果が目に見えてわかっていた頃は、たぶん泥の中の雑草の種の密度が少なかったんだろうと思っています。
今は∞に近い量の種を田んぼの中にため込んでいるので、2回代かきをしても、その効果が目に見えにくくなっているのではないでしょうか?
静岡大の佐藤なんとか先生の「イネの日本史」(?)という本で、
雑草が増えすぎた田んぼは見捨てて(休ませて)違う田んぼを作った痕跡がある、そんな古代の記述がありました。
 
ぼくにとっては、2〜3年前の「これくらい雑草があっても、7〜8俵はとれることがあるんだ」という経験は、大きいものでした。
「雑草があっても、イネが負けなければいいんだ」
「地上部で負けていないということは、その前に泥の中でイネの根が雑草の根との競争に負けていないんだ」
「畑の野菜で雑草に負けやすいのは、ニンジンやネギなどの初期生育の遅いやつ」、
「まずは、田植えした当初の、早苗と雑草の根同士の主導権争いで、イネが負けないですくすく根を張ってくれること」、
これは、とても大きなことのように思われました。
 
イネと雑草の戦いを戦争に例えれば、
雑草にびっしり芝生のように根を張られて全面戦争をしかけられればお手上げだけど、
株間の雑草程度のゲリラ戦なら怖くないかも?
雑草を敵視して根絶しようなどという無謀なことを考えるのはやめにしよう、
雑草がそこそこあっても、イネが負けずに元気でいてくればいいんだ、
そう考え始めたら、ずいぶん気が楽になりました。
 
そこから、雑草を抑えるための代かきじゃなくて、イネがすくすく育つための代かきを考え始めるようになりました。
まだまだ手さぐりですが、今年の早苗は元気です。
田植え後1週間でぐんと色が出てきていて、すっくと立っています。
 
 
6/21 長野の唐沢さんから「たまに投稿」 
皆様の投稿ばかりを拝見させていただいている長野の唐沢です
山下さんの代掻きの記事に触発されて私の経験を投稿します。
 
私の場合毎年、ハウスのトマト出荷が最盛期なので田植は6月の第一週にするのが
恒例になっていますが、この辺りでは他の農家は早い人で連休過ぎ、最盛期は20日
前後の土日ですので私が植える頃には分げつが始まって青々しています。
私の荒代掻きは周りの皆さんが田植のため田に水を入れなくなって水路に水がどっさり
来ている時期の20日〜25日にします。
今年は苗作りに失敗して蒔き直しをしたので田植が一週間遅くなり6月の第2週になりました。
ですから植代も6月の第1週になったわけですが荒代から2週間ほどたっていますが
植代を掻く時はコナギがポツポツと顔を出した程度で植代で殆どのコナギを埋め込めるほど
では無いようです。
田植が終わって2,3日して植え直しに田んぼに入るとあるわあるわのコナギの発芽を見ました。
暖かい地域のことはわかりませんが、ここ長野の南部(南信州)では水温が18度程度まで上がって
来て数日しないとコナギは発芽しないのではないかと思います。
いつもの年は6月第1週に田植をするので、田植から1週間程度置いてチェーン除草に入るのが
通例です。 
 
  長野@唐沢金実

6/20 和歌山の浜田さんから「夫がスイスイ除草機発見!」 

 とんとご無沙汰で失礼しております。浜田/和歌山です。

外壁塗装用のローラーのスポンジはがしたやつ。すごいです。今なお手で除草の方どうぞ参考に。

今年は2本植え。稲田さんの本を読み4.5葉を植えました。(今更ながらやまちゃんのサイトの皆々様のすごさを思い知っておりまする。) 

http://kamumi.blog24.fc2.com/blog-entry-253.html

6/18 やまちゃんから「(続)2回代かきをやめた屁理屈など」
3日前の土曜日に晩生のヒノヒカリの田植えを終わりました。
昨日、さし苗をしながら泥を見たら、もうピッピッっと雑草が芽を切っています。
代かき前に1週間も水を入れっぱなしにするというのは、
雑草どもに、ウォーミングアップの準備期間を与えているみたいかもしれませんね。
これは考え物です。
水を入れ始めたら、もしかしたらその1週間の間に雑草が芽を出し始めていて、
それを叩けるかもしれないなどと考えたのは、下手な考え休むに似たりでした。

水を入れても、代かきをしないと水はジャンジャン漏りでした。
それが、代かきをしたら、ぴたっと水持ちがよくなりました。
さっそく「百姓の来年」が始まりました(笑)
ぼくが使っているのは、ニプロのかご車タイプ(メーカーは浮力板と言っています)のドライブハロー。
めいっぱい下しても、耕盤にあたって、爪タイプのように深く代かきできません。
この特徴を使えば、普通に水を入れた翌日くらいに代かきしても水持ちがいいかも??
この発見は、もしかして二歩後退だけど、一歩前進になるかも???(笑)

メーカーをたきつけて、おおまけにまけてもらったから書くのですが、
かご車タイプのドライブハローのほうが、雑草の埋め込み性、砕土性、仕上がりのきれいさ、
どれをとっても、爪タイプよりも優れているように思います。
まあ、これをあえて書くのは、メーカーにまけてもらったからですが、、、

さて、6月6日に代かきして、8日に田植えしたコシヒカリ、
荒代一回だけにしたら、嫌気状態にならなくて、コナギの出芽が少なくて済むかも?と考えたのは、
14日に除草機を入れたのですが、びっしり生えていました。
植え代を書いたところと大差ないように思われました。まったくの屁理屈でした。

ただ、2回代かきをやめて、1日代かきに変えて、
田植えした時の苗の植え姿や、その後の活着はとてもよくなりました。
ただ、活着の良さは、連日の好天(暑さ)のおかげかもしれません。
また、雑草量は、やっぱり2回代かきのほうが少なかったかもしれません。
厳密な観察は苦手ですので、かもねという程度の報告です。

まだまだ続きます(笑)

6/12 やまちゃんから「2回代かきをやめるための顛末など(続)」
2009年から2010年にかけて、反当り7表から7俵半を超えたんですよ。
ほー、なるほど、これくらい雑草があっても、イネが元気ならこれくらいは行くんだと妙な自信を持ちました。
この年には、出穂30日前頃、畔から動散で油粕のペレットを必死こいて散布していました。
茎肥えというか、穂肥というか、実肥えというか、後半の登熟期にばてない(肥切れしな)ようにという気持ちでした。

雑草を怖がらなくてもいいぞ、という気持ちを後押ししたのに、
もうひとつというか、いやこれが一番大きなことですが、
村の機械組合のコンバインが新調され、戦車のような4条全面刈りになりました。
それまで、田んぼを草まみれにして、コンバインを壊してしまったらどうしよう、
ほんと、それが一番怖くて、ひやひやしていたのですが、その心配がなくなりました。
乗用除草機のティラガモも、導入して今年で6〜7年目くらいになりますが、
だんだん乗りこなせるようになってきました。
最初の年はひどいものでした。除草機ならぬ除イネ機と言っていいくらいでした。
また、雑草に負けて、みすぼらしいイネつくりしかできなかった年が長く続いたのですが、
雑草に負けたというより、その前にイネミズゾウムシに負けて、
イネの草姿が貧弱になり、その結果いよいよ雑草をのさばらせた感じでした。
ながーい「第1次」スランプ時代でした。
「第1次」というのは、去年おとどしと2年続けて、不作でしたので、
もしかして、「第2次」スランプかもという謙虚な気持ちを持っているからです(笑)
(続きます)
6/12 福井の中出さんから「雑感」
私の居る農園では、田植えから殆ど間を置かず大麦の刈取りが続き、それがやっと終わりました。
その間、約2ヶ月。
畦塗りや耕起のロータリーから始まり、ハロー、田植機、コンバイン(自脱型)のオペレーターとして作業をしていました。
そんな合間を見て自分の田んぼをやりくりしていましたから、今現在疲れています。

すずき産地さんの動画を拝見しました。
「カルコン」は動力化に至ったのですね。
諦めない人ですねこの人も・・・。

加齢と共に「疲れ」という敵に対応し始めました。

*** 中出 ***

6/11 やまちゃんから「すずき産地にいろいろお世話になりました」
オープンにできないお願いもしていましたので、往復メール風にまとめて紹介させてください。
●やまちゃんから(6/6))
人のふんどしで相撲取るというのもありなんだなあと、感謝(笑)
ついでに、お願いなんですが、
伊藤さんからの昔(2012年12月4日と15日)のお便りの添付ファイルをアップできていません。
それもお願いできるとありがたいです。
●すずき産地から(6/9)
おはようございます。
添付ファイルは下記にUPしました。
http://goo.gl/e2yrD
http://goo.gl/RltuL
●すずき産地から「今年の除草風景など」(6/10)
まだ代かき・田植えが3haちかく残っていますが、
とりあえず昨日は、こんな作業
https://www.facebook.com/photo.php?v=480685115340722

6/8 兵庫の伊藤さんから「2回代掻き宗旨変更の顛末を読ませてもらって」
新ためて田んぼの多様性の広さを知りました。押しつけがましい意見ゴメンなさい。
単純に,2回代掻きはどこの田んぼでも可能な普遍的方法だと思い込んでいました。
私の田んぼは水持ちの悪い田だといわれていますが山ちゃんのところほどではなさ
そうです。
ちなみにわが田での春の田ずくりを概略しますと
秋に残留コナギを抜いた後、鶏糞と落ち葉を鋤込み越冬、3月末に水張りをします。
満水になるとその日のうちに荒代かきを行い、代かき直後にあぜに泥をかき上げて
おきます(小畔かき)。 ここまですると水は保たれています。
水張りだけでは、翌日には水は抜けています。すぐの荒代掻きでも2,3日で地面が
出てくる年もありました。しかし小畔をかくと湛水できるようになります。
この田んぼは川の近くで、もとは氾濫原だったそうです、今でも時に玉石が出て来ます、
また底は砂層です。
しかしこの砂層はたっぷりの水での代掻きで浮遊したシルトなど微粒分で目地詰めされて水抜けは止まるようです。
耕起は浅目にしなければなりません。
小畔を書いて水が止まるのはモグラ穴や、冬の乾燥でできたあぜのヒビワレを泥が
埋め止めてくれるためだと古老が教えてくれ、以来実行しています。
山ちゃんのとこは大変やりにくい田んぼですね。
2回代かきのできない田んぼの場合、そして一反だけでなく大面積となると???です。
言葉に窮します。

6/6 やまちゃんから「宗旨変更した顛末など(続)」
2回代かきをやめたというか、断念した一番大きな理由は、2回代かきがうまくできなかったためです。
代かきしたら、せめて2日は水が持ってほしいでしょう。
ところが荒代を二回りしたくらいでは、次の日行ってみると、田面の一部が露出したりしているのです。
田面が露出すると居ついてしまう(泥がしまって、固くなってしまう現象)と、
毎日のように田んぼに通って、露出しないように水を入れつづけたのです。
そうやって1週間たって、2回目の植え代かきをしようとすると、泥が居ついているんですよねえ。
居ついたらどうなるか?
ハローで代かきするのですが、泥と水がふわーっと撹拌される感じにならず、
泥を練るような感じになって、トラクターのタイヤの跡が残ったりするんです。
これではいかんと、もう一回走るはめになって、やっと平らになるんです。
そうなると、トロトロならぬドロドロになってしまうんです。
2日後にそのあとに田植えすると、苗はもぐりこむは、泥に押されて流れそうになったりするんです。
なんで僕の田んぼだけこうなってしまうんだろう。
代かきが下手なせいなんだろうか、土質のせいなんだろうか?
質問しまくって、今井さんなどが教えてくれるんですが、わけわかんないんです。
イネのためを思って2回代かきしてるのに、ちっともイネのためになってそうにないや、
とため息を数年つきどおしでした。
でも、2回代かきをやめるには、ぼくなりに、理由づけというか、大義名分が必要でした。
その大義名分については、また後日。
(追伸)
今日は1週間水を入れ続けた田んぼ3枚の代かきをしました。
うち1枚は、水持ちがいいので、荒代かき1回だけで済ませました。
でもかご車タイプのハローは強力、十分あさって田植えできるくらいに平らになっています。
酸素たっぷりかどうかはわからないけど、強嫌気状態ではないはず。
さて、コナギくんやホタルイくんはどうなるか???
皆無なんて望みません、少しでも密度が低くなってくれたらうれしいんだけどね。
6/6 やまちゃんから「すずき産地に感謝」
朝メールを開いて、目をぱちくり。
すずき産地が、伊藤さんの「代かきによるコナギ種子の沈積調査」のファイルをUPしてくれていたのです。
伊藤さんのレポートは、ぼくにはこの上なく貴重なデータと思われたのに、
UPできなくて、残念だったのです。
すずき産地に感謝、感謝!!

●すずき産地から
とりあえず、下記にUPしてみました。
http://goo.gl/OHB9I
勝手なことしてごめんなさい。
問題があったら削除します。
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◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
すずき産地
http://www.suzuki31.com/
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

6/5 やまちゃんから「宗旨変更した顛末など」

まず最初にお断りせねばなりません。

2012年12月3日と、12月15日に伊藤さんから、WORDで調査研究のデータを送ってくれました。

HPの宅配便のメンバーには、メールで転送しましたが、

「除草剤を使わないイネ作り」のHPには、アップすることができませんでした。

何度かHPにアップするようチャレンジしたのですが、昔はできたのですが、そのやり方を思い出せず、

「しようがない」とあきらめてしまっています。

貴重な報告ですので、もう一度添付ファイルとして、送ります。

「HPの宅配便」のメンバーでない方で、資料をご覧になりたい方は、山下までご連絡ください。

「私信」の形で送らせてもらいます。

その中身は、たとえば次のようなところなどです。

「4.結果

 4.1 コナギ種子は水に沈む、比重は1.0より大きい

 4.2 コナギ種子は田の土の水懸濁中では砂粒成分に次いで

   沈降し、シルトなど微粒成分が遅れて種子の上に沈積する。

 4.3 埋め込み深さは、7~mm が観察された。ただし乾燥土である。」

さて、なぜ「2回代かき」をやめりようになったのか?

ぼちぼちとお話させてもらいたいなと思っています。

「2回代かき」は、除草剤を使わないイネ作りの農法にとって、基本技術の一つであると、今でも思っています。

伊藤さんの調査研究(添付ファイル)を昨日、もう一度読み直して、

あらためて、そうやそうやと思っています。

今から10年ほど前、ドライブハローで2回目の代かきで通ったところと、

畔際で2回目をかき切れなかったところで、くっきりとコナギが有る無しの境界ができていたことが有りました。

それには、びっくりしました。

また、コース取りが間違ったため、2回目を通り損ねた部分だけ雑草がびっしり生えていたという経験もあります。

(続きます)

6/5 岡山の中務さんから「私の事情」
岡山県東部の中山間地で除草剤を使わない稲作りをやったりやらなかったりしている中務です。
先のメールで「そのあたりの事情は改めて。」と書かせていただいた「私の事情」について。
先ごろ、林さんのお便りに「百姓がいなければ日本の各地に荒れ果てた原野が広がるに違いない。」とありました。
全くそのとおりだと感じます。
近年、近隣の農家が軒並み離農し、集落内に残る稲作農家はわずかになりました。
整備済圃場は他集落の農家と分けあって引き受けましたが、残る未整備圃場で稲作を続けている農家の大半は農業後継者のいない高齢者ばかり。
元々5反ほどしか田んぼのない我が家の作付面積が、あれよあれよという間に2町歩に迫り、更に年々増えているのは、こうした立地のためです。
とりあえず荒らさないことを目指して、頼まれた(押しつけられた?)田んぼは全部賃借していますが、今後増えるのは未整備圃場ばかり。夜明けや夜中に代掻きして土日に植えても、週5日サラリーマンとして働いている副業的農家の身には日程的に厳しくなってきました。
地主と耕作者が乖離してしまった未整備圃場が整備できるとは思えませんから、今後も未整備のままでしょうし、そんな田んぼに新たな引き受け手が見つかるとも思えません。
また、一旦離農した農家に農業後継者が生まれるとも思えません。
作付が5反ばかりだった頃は1枚1枚の田に手間も掛けられましたが、次第に「端折れる手間は端折って、とにかく面積をこなす。」という稲作に移行せざるを得なくなってきているのです。
春の人事異動で、今までより少し忙し気味な職場に異動してしまったことも若干影響しています。
そういう事情で、私の除草剤を使わない稲つくり、今年は後半戦の一部分のみに縮小です。
未整備圃場の多い農村集落の、残り少ない稲作農家として、私が元気なうちは、とにかく集落周辺の田を荒らさないよう、不本意ながら作付面積の限界に挑むつもりでいますが、いずれ辞書の「農家」とか「農村」の項には「かつて存在した形態の〜云々〜」などと記載される日が来るのではないか。。。家のほとりで末の娘とホタルを見ながら、今夜はそんな事も考えていました。
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http://homepage2.nifty.com/wakesui/private/agriculture.html
中務 博文

6/5 岡山の中務さんから「続きは本田で・・・」
ご無沙汰しています。
岡山県東部の中山間地で除草剤を使わない稲作りをやったりやらなかったりしている中務です。
少し前のことですが、5月18日〜19日にコシヒカリを植えました。
私は、勤めをしながらお米を作っているため、今年は前半戦コシヒカリ1町歩、後半戦きぬむすめ8反という段取りです。
毎年、コシヒカリを植えて空いた苗箱や苗代で中生品種を育苗するスケジュールを組み、前半戦の移植日程をにらみながら、後半戦の籾を浸種しています。
今年は、5月上旬までの季候が冷涼に推移し、中旬から急に暑くなったせいか、きぬむすめの浸種開始タイミングを見誤り、コシヒカリの苗が伸びていないのに、きぬむすめの籾が芽を切ってしまいました。
そこで、思い切って代掻きした田の水を全部落とし、背丈が5cmくらいの苗を植えてしまいました。
標題どおり、育苗の途中で苗を本田に移してしまった格好です。
田植機のフロートが押した泥に埋まってしまった苗も多数ありましたが、19日から20日の降雨で苗の上に乗ってしまった泥が動いてくれたのでしょう、雨後に見て回ると、きちんと苗が頭を出してくれていました。
盛大に繁ったヘアリーベッチを鋤き込んだ田で稚苗を水没させてしまう度胸はなく、ある程度苗が伸びるまで1週間待って再入水したため、既にかなりの面積で各種雑草生え放題。
緑肥の効果かどうか、あまり雑草の目立たない場所もありましたが、今年は「勤めをしながらの対応は無理」と早々に匙を投げ、前半戦は除草剤使用に踏み切った次第です。
そんなこんなで、私の除草剤を使わない稲作り。昨年は1町7反全部でしたが、今年は後半戦の田の何枚かに絞ることにしました。
そのあたりの事情は改めて。
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中務 博文

6/4 兵庫の伊藤さんから「やまちゃん、2回代かきをやめる宣言になぜ?」
2回代かきはとても有効な除草剤によらない除草法だと信じている私は???です。
私の2回代かきは、3月末頃に水張りと同時に荒代かきを行い、水張りはそのまま早期湛水で田植えまで続けます。
田植え直前に2回目の植え代かきを通常深さで丁寧に低速走行で行います。
今年は5月21日に2回目の代かきを行い27日に田植えを行いました。
2回目の代かきでは非常に多くの根つき芽だし草が浮き上がり、
田の隅に風で吹き寄せられマット状に堆積しました。かき上げ火刑に処しました。
2回代かきで浮いた幼草ホタルイ、コナギ(添付の写真)
1回目の代かきで、耕起によって地中に埋め込まれた埋土種子を浮き上がらせ、作土表面に沈積させ発芽条件を整えてやる。
その後、発芽数をできるだけ多くするために長期の湛水を続けます。
この期間の長さについては、以前、報告しました。
コナギの調査研究で明らかになったコナギの発芽数と温度・時間加算数とは比例する、という結果によります。
ただ、現在もまだ、発芽のための臨界温度が何度か、
そして発芽開始までに要する温度時間加算数が何度・時間であるかも明らかにはできていません。
しかし、その関係は明らかに高い確率で相関関係がありますので、
この関係を利用して、コナギなど水草を可能な限り多く発芽させるために、
充分長い長期の湛水を行っています。
端的には草が芽をきる暖かさを待っているわけです。
その効果のほどは、田植え後の爆発的コナギの大繁茂はなくなり、一回の中耕除草機押しで、おさまります。
私の田の収量は450kg/10aです。
ただ、稲刈り後に残留コナギを手で抜き取ります。
このころのコナギはしっかりと種をつけていますので、種を地面に落とさせないために抜き取り田の外に取出し焼却します。
この除草は、刈取りをバインダーで行っていますので可能なのかもしれませんね。
その結果、年々コナギの発芽数が減りつつあります。除草機不要の日を期待しています。
これらの経験から、私は 「除草は地中の埋土種子を減らす戦いだ」と考えるようになりました。
コナギの生き残り戦略は植物一般にみられる多産です。
これに対抗するには、種子を取り除くことが最優先、次いで発芽させない、
発芽したものは花を咲かせない、成長したものは機械的に除去する、花をつけたものは手で取り、種を落とさせない。
粘り強い戦いを先祖たちはしていたのではと思います。
一発必殺的方法は除草剤を除いてはないものと考えます。
除草剤を使わないで稲作をするためには、これらの過程のどこかに現実性の高い方法が考案される必要があります。
2回代かきによる減草法は非常に優力だと思いますが。
地中の埋土種子数は無限大ではない、コナギの多産による生き残り戦略には負けられない。
これが一反農が見ている除草の現実です。
6/2 岡山の林さんから「環境保全のコスト」
皆さん今晩は、
山下さんの「田んぼの抑草」が成功する事を期待しています。田んぼの抑草が成功して、反収7表を超えたという結果を
待っています。私の肉離れも徐々に回復して、平坦なところは草刈も出来るようになりました。
田んぼの肥料は醗酵鶏糞を5月21日から22日にかけておよそ8トンを散布しました。田んぼの耕運は、全面に咲いた
レンゲのさやが少しでも黒くなるのを待って、5月26日から27日に行いました。しかし畦は傾斜が45度くらいあるので、傾斜
の急な田んぼの畦草刈はまだやっていません。傾斜が急で高さが10メートル近くある畦もあるので。そこで今回は、田んぼ
の畦草刈の一部をシルバーさんに頼みました。シルバーさん(7人)が畦草刈をやった後、送られてきた請求書を見ると
計11万7400円。シルバーさんに頼んでいなかった田んぼもあるし、川の土手や市道の草刈もやってもらわなかったところ
があるので、これで推計すると、草刈はおそらく一回あたり16〜18万円になりそうです。シルバーさんだからまだ安く付いた
が、これが正規の労賃ならばもっと高くついたに違いない。畦草刈は夏の間4-5回は行うので、私は畦草刈だけで少なくとも
毎年80万円の仕事をやっていたということになる。この費用を農産物の価格に転嫁出来ないのが現実。これが環境保全
(景観保全)のコスト(一部)と言えますね。もし無償で働く百姓がいなければ日本の各地に荒れ果てた原野が広がるに違いない。
林 正弘
岡山市

6/1 やまちゃんから「実況中継(代かきをめぐって)」
うちの方は乾田地帯なので、普段の年は冬場は田んぼが乾いていることが多いのに、
今年は乾きかけたかなと思うと、大きな雨が降ってという繰り返しで、
耕起もできずじっと我慢の日々でした。
やっと、3月の中旬になって、陽射しが強くなって風も吹いて、やっと田んぼに入ることができました。
福井のような裏日本や北日本は、田んぼが乾くのはもっと遅いでしょうし、
田植えは逆に早いので、悩ましいことでしょうね。
昨日水路に水が通り、さっそく田んぼに水を入れました。
しかし、代かきをしていないので、すぐに水が減ってひっついています。
また足し水をしていたら、「これから代かきか?」と声をかけられました。
「いや、6日に代かきして8日に田植えの予定です」
「今年は2回代かきをしないのか?」
「はい、2回代かきはもうやめにしました。
その代り、水を入れっぱなしにして、田んぼの底の底まで湿らせてから代かきしようと思ってるんです。
1回でも水持ちがよくなってくれるはずと思ってるんですけどね」

ぼくは、長いこと「2回代かき」の信者でした。
1回目の代かきで雑草の種を泥の表面に集め(浮かせ)、雑草が芽を切ったころにごく表層だけ浅く2回目の代かき。
眠った子を起こさないように田植えしようという作戦です。
去年からその2回代かきをやめました。なぜ宗旨替えをしたのか?
栃木の上野長一さんの言葉を借りれば、
「苗の気持ちになってみれば、代かきせずに、水を入れただけのところに植えてもらった方がうれしいよね」
古来、代かきは日本の稲作にとって欠かせぬ技術でした。
泥を柔らかくして苗が刺さりやすくする、
また、代かきで雑草を叩いて、よーいドンでイネが負けないようにする。

現代農業6月号の「用語集」を読んでいると、
「○○するようになったのは、機械が普及してからのこと」とか、
「手作業が中心だったころは、、、、、、」というような表現がところどころに出てきます。
百姓がいやで逃げ回っていた僕は、もちろん牛など使ったことはありません。
苗とりと苗運びをさせられた記憶がかすかにあるだけで、田植えをした記憶もありません。
だから、昭和30年代の手植えの時の田んぼの泥がどんなだったか、想像が及びません。
でも、年寄りに聞いてみると、ヒエには泣かされたけど、
コナギやホタルイにはあまり困った覚えがないなあと言われます。

考えてみるに、大型トラクターが出てきて、代かき作業や代かき後の泥の様子は、
それまでの牛や馬の時、また耕耘機の時と一変したように思われます。
その間に除草剤が一気に普及したので、雑草の遷移の様子がエアポケットのように抜け落ちています。
おまけに、ぼくらが除草剤を使わないイネ作りを始めてから、
たぶん代かきはいよいよ丁寧にされるようになってきています。

ぼくが除草剤をやめたころは、まだヒエには困っていたけど、コナギやホタルイはかわいいものだったんです。
ちらほら見える程度だったんです。
ところが、最近はヒエはほとんどないと言っていいくらいになって、コナギやホタルイに泣かされています。
これって、どういうこと???

ヒエは酸素がある泥の中での発芽を好むと言います。
またコナギやホタルイは、反対に嫌気状態で発芽しやすいと聞きます。
もしかして、大型機械が普及して、代のかきすぎで、泥が嫌気過剰状態になっているんじゃないの?

今から15年ほど前のこと、テレビの番組で、代かきで土と水を撹拌することによって、泥の中に酸素を送り込む、
だけど、代かきしすぎたら、目詰まりして酸素が少なくなってしまう、
そんなことをある百姓がしゃべっていたような、いなかったような記憶があります。
記憶がおぼろげで、ほんまにその百姓がそんなことをしゃべっていたのかどうか、定かではありませんが、
代かきも程度問題やと思った記憶が残っています。

そんなこんなで、去年2回代かきをやめて、1回代かきに切り替えました。
とはいっても、水持ちも心配ですので、一日にうちに荒代をかいて、植え代と2回走っていますが、、、
んで、コナギやホタルイは減ってくれたか?
んにゃ、まったく変わりはありませんでした(笑)
だけど、だけどです。
1回や2回の失敗でくじけるなと、心がつぶやいているんです(笑)
あっさりした代かき、嫌気に傾かない程度の代かき、
でも水持ちもそこそこ保たれてる代かき、
「百姓の来年」じゃなかった、「百姓の今年」の始まり始まりです。
乞うご期待???

5/31 やまちゃんから「「抑草資材は除草機の後か先か?」
今井さんの提言は、心そそられる問題でしたので、ぼくなりにイメージトレーニングしてみます。
二畝たらずのちっちゃな三角形の田んぼで紫黒米を作っています。
ちっちゃな田んぼですので、田植え直後に米ぬかを散布、
もっぱら奥方がおかめ(八反どり)でこすった後に、また米ぬかを散布。
去年はこれで、きれいな田んぼになりました。
この田んぼ、今年もこの方式でいきたいと思っています。
さて、ここからイメージトレーニングです。
ぼくのティラガモのような中耕除草機を使うなら、後かな?
ティラガモは、けっこう深く泥をえぐるんですよ。
だから、抑草資材も深く混ぜ込んでしまうので、先に入れておくと効果が薄まってしまうような気がします。
チェーンとか竹ブラシのように、表層をひっかく程度なら、時間が許せば、先に入れておくかなあ?
でも、ぼくにはもう嘗てのようなバカさ、いや間違った(失礼)、若さや体力がないから、
施肥器を、除草機の前に置くか、後ろに置くかで、やりたいなあ、、、
2反の泥田を歩くと、軽トラにのって家に帰り着くと、長靴を脱ぐときに足がつるんですよ(笑)
除草機を入れるタイミングでは、どうかなあ?
早苗がちゃんと活着して、何本か白くて太い根を土中にしっかりと伸ばした後だったら、
後でも先でも、問題ないんじゃないでしょうか、
でも早苗が、まだよたよた、ひょろひょろしてる時に、抑草資材がまかれて、撹拌されたら、
イネは、おいおいちょっと待ってくれよ言うかもしれないね。
いずれにしても、今井さんの比較試験の「実況中継」、楽しみです。

5/31 福井の中出さんから「油粕一発・・・ですか。」
窒素量にすればエコファーマー相当ですが、
私にすれば目が点です。
そこまで山下さんは土作りをしたとして、今後を期待させて頂きます。

春先、私はライムイソワー(牽引型)で鶏糞を田んぼに散布しますが、その時期の田んぼは柔らかくトラクターのタイヤ跡が後の耕起に障害を与えます。
山下さんでは田んぼではそんな事はないのでしょう。
そういう事や、有機肥料の肥効時期などの観点から散布のタイミングを図りかねている現状です。

6月の田植ですか、太平洋側は概ねそうみたいですね。
私の居る農園では4月20日頃から始めて、5月31日でやっと農園の田植が終わりましたが、6月に入って大麦を刈り取った跡に田植を委託された(耕起から始めます)1町ほどの田んぼが残っています。
当地でも様変わりが有ります。

*** 中出 ***

5/31 神奈川の今井さんから「抑草資材の投入時期」
神奈川県の今井です。
今年はお米の雑草を防ぐために、中耕除草+抑草資材(米ぬかや、ペレットなど)を使おうと
思います。
 前に田植え直後に米ぬかを散布していましたが、田植え直後の米ぬか散布は忙しかったです。また、
忙しい割に、効果が定かではなかったです。
 前のお便りで宮城県の斎藤さんが、除草機と同時にペレットなどの抑草資材を投入されているというのを
読ませていただきました。私も、見習って中耕と同時か直後、または直前に米ぬかなど投入しようと思っています。
ここで、疑問がわきました。抑草資材は除草機を通す前か、除草機を通した後が良いかという事です。
 雑草を傷みつけるには除草機が通る前に、抑草資材を投入して、除草機で抑草資材を田んぼの土に混ぜ込む
ほうが、良い気がします。でも、それではイネの根っ子はいたまないか心配です。
 今年は直前か直後のどちらが良いか両方やってみます。

5/30 やまちゃんから「抑草の実況中継(肥料)」
島根の清水さんは、広島との県境の高冷地ですので、田植えも早いですね。
こちらでは、明日から水路に水が通って、6月8日から15日にかけての田植え予定です。
今年は、3月の中旬に米ぬかや鶏糞で反当り窒素で約2キロ散布しました。
ブロードキャスターが自前のものになって、粉状の肥料も散布できるようになってルンルンです。
というより、今までぼくくらいの規模でブロードキャスターなんてと、我慢してきていましたが、
もう体力的に限界でした。
さて、次なる肥料設計をどうしようと、あれこれ思案していましたが、
5月22日に油粕を、コシヒカリには反当100キロ(チッソにして5キロ)、ヒノヒカリには120キロ散布しました。
全量元肥一発で、穂肥などの追肥の予定は全くなしです。
梅雨明けのくそ暑いときに、畔から追肥する体力・気力はもうありまへん(笑)
への字の井原さんが生きていたら、どう言われるかな?
「やまちゃん、イネつくりは大雑把がいちばんや。それでゆるやかなへの字になるで」と言ってくれそう??(笑)
ぼくの気持ちの中では、元肥無肥料ではなくて、
田植えした時に、雑草より先に早苗が先にすっと根を伸ばしたくなるような肥気がほしいんです。
雑草より先に稲がすくすく育つこと、それが僕のイネつくりのスタートラインです。
化成肥料を使った経験がないのでわかりませんが、イネを過繁茂にした経験がないのです。
なぜ油粕?
鶏糞が安いので最近鶏糞を多用することが多くなってきていて、
ここらでちょっと別なものを入れてみたくなったこと。
以前に油粕を使った時に、お米が粘りがあって、甘くておいしかったような気がしたこと。
それから、これが一番の理由ですが、
去年、暑くて早々と肥料が分解して、登熟期に肥切れして、夏バテのちんちくりんのイネつくりになってしまったこと。
油粕なら、他の肥料より分解が遅くて、後まで効いてくれないかなという期待です。
だから、油粕を散布するのも、水が入るぎりぎり直前まで待ちました。
さてさて、、、、乞うご期待????

5/29 島根の清水さんから「小型除草器」

 昨年までは、竹ブラシ除草器を手引きして 除草していましたが 田植機に装着して出来るよう改良しました。

高額な汎用田植除草機の1300500程度の安上がり、小規模農家にご提案。10アールゆっくり走って30分 歩行に比べて三倍速に。

 田植前・田植後に雑草の芽が出たところを「草を見ずして草をとる」6月いっぱい45日毎に引っ掻き回して抑草作業。

ガーデンレーキと竹箒を利用して、2種類作ってみました。効果の程はこれから検証。 
 

 



/27 やまちゃんから「田んぼの抑草の実況中継」
九州から中国四国地方にかけて、梅雨入り宣言が出ました。
近畿地方も日を置かず出そうです。
わが田圃は、5月31日に水路に水が通ります。
早生のコシヒカリは、即その日に田んぼに水を張って、
6月6日に代掻き、6月8日に田植えをしたいと思っています。
田んぼの抑草は、決してうまくいってるとはいえません。
「一歩前進二歩後退」をあきもせず繰り返しているような有様です。
かたや、畑の雑草対策は、自分で言うのもなんですが、
この10年飛躍的に向上しているように思います。
このことは、田んぼの雑草と悪戦苦闘していることと、まんざら無関係ではないと思っています。
雑草を見つめ続けていること、このことが畑に生きているんだと思っています。
凡人がことをなす秘訣は、ひたすら続けること、持続こそが力だと思っています。
よって、あきもせず「実況中継」を続けます。
ぼくのやり方は、基本的には「ティラガモ」という特殊な除草機を活用しています。
だから、一般的とは言えません。
また書くことといえば、ほとんど去年書いたことと同じになるだろうと思われます。
よよっという新しい発見があれば、めっけもんです。
去年より悲惨なことになれば、、、、また「百姓の来年さ」ということでしょう。
楽しんで読んで下さる方は、またやってると笑いながら読んでください。
そうでない方は、それなりに読んでいただけるとありがたいです。

5/13 福井の中出さんから「Re フザリウム菌」
春の農作業の繁忙期に入っています。

そんな中、土佐さんの話はインパクトがありました。
私も昨年、育苗にフザリウム菌を発生させました。
私の場合の原因は、被覆材を掛ける時間が長かったからと思っていますが、プール育苗によって難なくやり過ごすことができたと考えています。
土佐さんの場合、当事者でないので良くわかりませんが、私のような単純な要因では無いのでしょうね。
床土とか、種籾、その頃の低温などなど、それと、工程や資材を少し変えただけで、大きな変化が起きることがありますよね。

私も過去に別の要因で育苗に失敗してその年の苗を全部廃棄し、新たに苗を購入するという情けない思いをした事を思い起こさせられました。

*** 中出 ***

5/11 神奈川の今井さんから「深水栽培について」
神奈川県の今井です。現代農業800号を読ませていただいております。
その中の用語集に深水栽培の欄があります。
私は2,3年前まで深水栽培とは田んぼにとにかくたくさん水を入れて、雑草を防ぐ方法だと
思っていました。しかし、ある人に「深水栽培とは田植え時の苗の草丈の半分よりも上に水を入れる事
だよ」と教わりました。800号の用語集には「水位の目安は一番上の葉の葉耳」とあります。
用語集の水位の目安とある人の言う苗の草丈の半分とはだいたい同じくらいの水位を言っているんだなぁ
と思います。例えばポットの草丈20センチの苗の場合、深水栽培はおおよそ水位10センチくらいを
言っているのだと思います。
でも、草丈10センチの苗の場合は深水栽培は水位5センチ以上という事になります。
深水栽培という言葉は苗の大きさで水位が違うという事のようですね。無農薬の米作りにおいては
水位5センチと10センチでは生えてくる雑草が大きく変わってきます。よく名人が雑草は「深水管理
で防ぐ」と言いますが、深水管理という言葉だけでは水位が伝わらないので、聞いた初心者はやみくもに
水を田んぼに張ってしまいそうです。こういう用語の整理は大切です。

 話は変わりますが、去年、最後の田んぼの田植えをしようとポット苗をトラックに乗せようとしました。
でも、草丈が30センチくらいに伸びてしまってました。そのまま植え始めたら苗がよく転んでしまいました。
しかし、思い切って草刈機で草たけを短く切ったら、きれいに植わりました。

5/11 京都の土佐さんから「水稲苗に細菌が入った!」
ご無沙汰しています。
今年の育苗もほぼ終わりだとホッとしていましたが、大変なことになりました。
キヌヒカリと新羽二重糯に立ち枯れ菌とフザリューム菌(馬鹿苗病菌)が蔓延し約400枚がダメになりました。
京都府普及センターとJAで調べて頂いた結果、大量の菌が確認されました。
3000枚近くのコシヒカリは全く異常ありません。
播種室なのかハウスなのか色々原因は考えられるそうですが、同時期に播種し同じハウスで育苗したコシヒカリがなぜ異常ないのかわかりません。
結果的にキヌヒカリはJAにお願いし、もち米は播種のやり直しになってしまいました。
片づけた温湯消毒器を引っ張り出し、大急ぎで播種の準備をしています。
初めての経験で気持ちが萎えかけてしまいました。
来年に向かって何か良い手立てはないでしょうか。
ちなみにJAからは温湯消毒とエコホープなどの微生物農薬を併用してはと提案して頂きました。

5/10 やまちゃんから「現代農業6月号・800号記念特集号」
巻末に170ページの「現代農業・用語集=農家の技術・300のキーワード」という特集があります。
これが、読み始めると、なかなか面白い。
辞書のような構成なんだけど、一連の読み物として読めて、面白いのです。
普段購読してない人にも、この号はおすすめの800円です。
農文協ワールドがけっこうおもしろく読めますよ。
たとえば「ふーん、なるほど」と思ったことを一つ上げてみると、
「土と肥料の用語」というジャンルで、「ウネだけ施肥」という項がありました。
とても全部は引用出来ないので、一部を抜粋してみますと、
「農家にとっては、昔からなじみのある技術だった。肥料を畑全体にまくようになったのは機械が普及してからのこと」
(中略)
「肥料はまとまっていた方が流亡しにくいという面もある。アンモニア体チッソの肥料がまとめて施肥されると、
硝酸化成が進むにつれて、そのあたりの土はPHが下がる。
酸性に傾くと、その後は硝酸化成のスピードが落ちてくる。
全面施肥だと、さっと硝酸体チッソになって雨に流れてしまう分も、ウネだけ施肥なら、
ゆっくりじっくり作物に利用されるということのようだ」
話変わりますが、数年前に「台風にあったハウスの補修特集」というのがありました。
これだけのネタを、編集部はどうやって探すんだろうな、この取材力はたいしたもんだと、感心しました。
ひと月ほど前に、ぼくよりも30歳も若い農文協の職員に会う機会があったので、
その話をして、聞いてみました。
彼の返事は、「雑誌の特集のテーマを決めて、取材を始めるとき、まず普及ニュースというのを見ます」
「普及ニュース?それって、普及所が出してるものか?」
「いや、普及(セールス)にまわっている連中が、出会った農家のことを記録にとどめているのです」
「ふーん、そうなんや。ぼくらの時も毎日の営業の記録は書いていて、
引き継ぎと称して農家の記録を書くようにしていたけど、
それが編集に活用されることは、たぶんなかったなあ。
普段の仕事が雑誌などの編集につながっているという実感は全くなかったなあ。
そうなんや、それはいいなあ」
800号記念の「用語集」、
かなりいい線まで、わが列島の農業の核心に迫れていると思う。
くどいようですが、おすすめです。
用語集のキーワードの最後の締めは「農家力」でした。
4/29 やまちゃんから「トマトの雨よけ・去年の失敗から」
去年の6月に「トマトの雨よけ栽培が朝飯前になったぞ」と書いた途端、
台風の大風で、朝飯前にぶっ飛んでしまったことを書いたのですが、覚えてくれてますか?
プラスティックのアーチパイプジョイントが老化していたのと、
そのジョイントを支柱にしっかり固定していなかったためでした。
そこで今年の再挑戦です。
古い22ミリの鋼管を再利用して、パイプベンダーで曲げてジョイントを作りました。
写真をご覧ください。
約2,2メートルの直管(19ミリ)を2メートルおきに打ち込み、
それに、5,5メートル(19ミリ)の直管を8本、地上高15センチくらいにフックバンドで固定しました。
また同じように高さ1,8メートルくらいに直管をフックバンドで固定しました。
今年はジョイントも、上の直管にフックバンドで固定しています。
雨よけのフィルムはケチって、0,02ミリのマルチを張る予定です。
垂直に打ち込んだ直管の先端でマルチに穴が開くので、そこから風が逃げてくれるのではと期待しています。
上と下の直管をマイカー線でつないで、それにトマトをくねくね巻き付かせるつもりです。
20年かかって、やっとトマト作りの形が、なんとか形になってきました。
ただ、問題は、相変わらずトマトつくりがへたっぴーだということ、
前作の野菜の肥効が残っているせいなのか、トマトが暴れてしまうのです。
今年は一段花房の下のわき目を伸ばして、二本仕立てにしようかと思っています。

4/28 やまちゃんから「林さんのお便りを読んで」
エチレンて植物ホルモンなんですね。
へー、そうなんだと思っただけですが、それに付随して去年からずーっと不思議に思っていたことがあります。
わかる方があったら、教えてください。
ハウスやトンネル栽培の時、放射冷却で外気よりハウスの中のほうが冷え込みます。
ホンマかいなと、最低最高温度計をセットして測ってみたら、たしかに2度から3度くらい低いのです。
姫路の測候所の最低気温がマイナス3度くらいの時に、マイナス5度から6度くらいに冷え込んでいるのです。
お茶園など、霜害防止のためプロペラを回したりすると聞きます。
閉じ込められた環境だから赤外線放射冷却がもろ作用するそうです。
風が通って、空気が回るほうが放射冷却の冷え込みは少ないそうです。
だとすれば、ハウスを開けっ放しにしておいたほうが、放射冷却は少ないんじゃないでしょうか?
だけど、実際には夕方寒くなったらハウスを閉めるようにしています。
これって、どういうことなんでしょう???
これが不思議の一つ目です。
べたがけ資材の選び方のページによれば、
http://phdsamj.ac.affrc.go.jp/topic/2_6.html
「資材の長波放射透過率は繊維の素材によって大きく異なり、PEやPPで大きく、PETやPVAで小さい」
だそうです。
PE=ポリエチレン、PP=ポリプロピレン、PET=ポリエステル、PVA=ポリビニールアルコール。
PVAの代表選手はタフベル、PETの代表選手はパスライト、
ぼくが使っている日本農業システムの安物の不織布はPE(ポリエチレン)です。
今年の実感でで言えば、パスライトは使っていないのでわかりませんが、
タフベルよりも、安物の不織布の二重がけのほうが、経費は2〜3分の1で、保温力や霜害対策は2〜3倍のような気がしました。
このことは前にも書いたかもしれませんが、
不織布の保温力って、空気の層でできるような気がするんです。
だから、二重がけの保温力が高いのではないでしょうか?
ぼくのこの手前勝手な解釈は当たっているでしょうか???

4/28 岡山の林さんから「カボチャの播種」
皆さん今晩は、
3週間前に肉離れを起こしてしまいました。4間幅の合掌を解体して重い木材(地松)を運び、その後米(30kg)を軽4貨物に
乗せようとして右ふくらはぎに肉離れを起こしてしまい、歩けなくなってしまいました。筋肉が疲労していたのでしょう。田植え
の準備をしなければならないのに途方にくれています。百姓は体が資本ということを実感しています。皆さんも体にはくれぐれ
も気をつけてください。
肉離れを起こす前に、畑として使っている3枚の田に6メートル間隔に畝を立てておくことができました。この畝に1メートル
ごとにカボチャの種を播いていきました。これは休日に、妻にお願いするしかなかった。種を播かなければ何事も始まらない。
キャップ被せまでやってもらった。去年までは畝に黒マルチを張り、穴を開けて播種をしていたのだけれど、今年はそれも
出来ない。今年はカボチャは本当に粗放栽培しか出来ないようです。マルチは20ミクロン厚のポリエチレン製を使う事が
多い。マルチを使うと収穫後それを圃場から取り除くのが一苦労。モミガラマルチを試してみたかったのですが、これも出来
ないようです。ポリエチレンはエチレンの重合反応で作られるのですが、メタロセン触媒を使って作られたものはチーグラー・
ナッタ触媒を使ったものなどに比べて手触りが違う。何かシャリシャリとした硬質な使用感がある。また、すべりも良い。
これは、重合物の枝分かれが短く分子量が揃っているからでしょう。側鎖があるのは、他のオレフィンを少量添加して共重合
させているのかもしれませんね。ここは各社のノウハウでしょう。強度があるとはいえ、イノシシに歩かれるとすぐ破れる。
当たり前かな。去年は電柵を張る前に偵察に来たイノシシに破られた。
百姓にとってエチレンは身近な存在です。それは、オーキシン、ジベレリン、サイトカイニン、アブシシン酸、ブラシノステロイド
の6種の植物ホルモンの一つであり、発芽と開花の誘導、果実の熟成・・・、といった生理作用がある。ニンジンのカロチノイド
色素の発色にもかかわる。私は、もうすぐ籾の浸種を行うが、これはアブシシン酸の溶脱を行い、籾の発芽を行うためです。
アブシシン酸には光学異性体があり、天然のものは、(S)-(+)-Abscisic-acid(C15H20O4)(慣用名)だ。アブシシン酸とエチレン
はお互いに拮抗的な活性を持つ植物ホルモンでもある。
エチレンがアメリカで安価に製造できるようになったようです。それは、シェールガスに含まれるエタンを原料とする製法です。
シェールガス(オイル)からは他のオレフィン族も得られるので、ポリエチレン以外のポリオレフィンも作れる。エチレンなどの
オレフィンはさまざまな分野に使われている基幹的な産業資材です。エチレングリコールとしてトラクターなどの不凍液に
使われたり、PETボトルの原料に使われたりと用途が広い。シェールガス革命と言われているようですが、これは本当に
アメリカの製造業を復活させる可能性を秘めているようです。かなりの会社がシェールガスで安くなった電力と原料を求め
て、外国からアメリカ回帰を始めているそうです。

林 正弘
岡山市

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